死ぬな、辞めるな、闘おう
「人らしく生きよう」。これは、国の非道と28年にわたって闘い続けた普通の労働者たちを描いた”人間賛歌”の物語です。
職場をよくしようと思って全逓労組のたたかいに参加した。そうしたら首になった。20代だった。その後、労組に見捨てられた。それでも「おかしいことはおかしい」と25年間闘っている郵便屋さんがいる。
いま郵政の職場は、強制配転・過労死・深夜勤・非正規職員の増大など荒廃がすすむ。郵政民営化の裏側に何があるのか?マスコミが伝えることのない本当の姿がいま明らかにされる。
4・28闘争とは?
1978年末から約2ヵ月間、全国の郵便局で「差別・合理化・組合つぶしを許さない」を合言葉に反マル生越年闘争が闘われました。
国による、法を無視したやりたい放題の不当労働行為や、職制たちの差別・イジメに人権を無視され続け、「怨念の17年」をひたすら耐え忍んできた全逓組合員18万人が、ついに人間として止むに止まれぬ闘いに立ち上がったのです。
この正当な組合活動に対し、郵政省(現郵政公社)は報復として79年4月28日、61人の首切を含む8138人を処分するという、あからさまな「国家による不当労働行為」を行いました。しかも闘争を指令した組合幹部ではなく、その指令に従った現場の20代の若い職員ばかりを処分するという卑劣で巧妙なやり口でした。
この違法行為(4・28処分)は、組合幹部たちへの恫喝、闘わない組合作り・労戦再編(「連合」結成)を視野にいれたものだったのです。
事実、全逓本部はこの闘いを指導しておきながら、その後労資協調へ変節、「郵政省と再雇用の話がついたから裁判を取り下げて採用試験を受験しろ」と免職者をだまし、受験者全員が不合格になったところで、91年6月に全員を組合から追放し、これをもって4・28闘争の幕引きをはかろうとします。
しかし組合からも騙されて捨てられた免職者たちは、こんなおかしなことに従えないと自立した闘いの歩みを続け、郵政当局に対する「4・28裁判」は04年6月東京高裁で逆転勝利、07年2月13日最高裁も国の上告を棄却して、ついに労働者側の画期的な完全勝利が確定! 4・28処分は「国家による不当労働行為」だったことが司法の場でも認められたのです。
こんな当たり前のことが当たり前に認められるまで、この国では実に28年の歳月が必要だったのです。この勝利は、郵政公社の敗北であると同時に、政府自民党の言いなりに免職者を切捨てた裏切り者の全逓(現JP労組)と「連合」路線の敗北です。そして、「おかしいことはおかしい」と生涯をかけて言い続けた労働者たちの勝利でした。
自民党や「連合」幹部どもの「現実路線をとれ!」などという労働者に対するおためごかしの脅しにもかかわらず、信念をもって団結を失わずに闘えば、普通の労働者でも勝利できるんだという可能性を満天下に示したと思います。
死ぬな、辞めるな、闘おう!
◇作品公式ホームページへ ◇購入申込ページへ
◇4・28ネット(跡地・全面勝利を受けて解散)
AIコースケと議論しよう! この記事への質問・一言コメントをどうぞ
●回答には文字数制限があるため、内容が簡潔になります。また、制限を超えると途中で打ち切られることがあります。