米国の対中国戦略と辺野古新基地建設(テキスト版)

ジグザグ会パンフvol.1

by ジグザグ会/武峪真樹

はじめに

 このブックレッ卜は、米軍が構想する世界戦略についての解説です。
 冷戦終結後、世界最大の覇権国家となり、世界中で破壊と殺戮を続けるアメリカはなにを考えているのか、日本はそれにどうかかわろうとしているのかを知り、私たちはそれに対してどう対処してゆくべきなのかをお考えいただくための資料として制作しました。どうぞご活用ください。

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※正式版(紙版)は資料などを加えて加筆した改訂増補版となります。ご希望の方はお問い合わせください(販売価格未定)
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1.新しい時代が始まろうとしている

 内闍府が2010年に「世界経済の潮流」と題する報告書を発表しました。 そこでは、中国経済が大きく発展し、まもなくアメリカを追い越して世界 一の経済大国になると予測されています。(下図参照)

世界経済に占める各国GDP割合

内閣府が2010年に発表した「世界経済の潮流」の予測↑
2030年には中国が世界一の経済大国となりその経済力はアメリカの約2.6倍、日本の約9倍になるとした

 各国GDP(国内総生産)の世界経済に占める割合を比較すると2009年には20.5%を占めていたアメリカは2030年には11.7%に後退しているだろう。日本も同じく 6.0%か ら3.3 %へと後退。それに対して中国は12.5%から30.2 %へ急成長です。つまりあと10数年経つと、日本とアメリカのGDPを合計しても中国はその2倍になると内閣府は予測しているわけです。また2030年にはインドや東南アジアもふくめたアジア経済全体は世界のほぼ半分を占めることになります。

 中国はバブル崩壊による経済恐慌の危険も見えてきていますから、この予測が必ずしも当たるとは思えませんが、アメリカ経済の減速は今も続いています。また人口の上でもアジア人はすでに地球人口の6割近くを占めています。軍事の面でも、世界の軍事力の半分を独占してきたアメリカは現在では 世界の3分の1になり、今も削減し続けています。

世界の軍事予算比較

 2015年にはオバマ大統領が「アメリカは世界の警察官ではない」と宣言しました。私たちもアメリカの一方的な軍事覇権による支配を前提とした発想から抜け出し、もはや世界の国々が対等平等に平和を求めて、努力しあわなくてはならない時代になっていることを知らなくてはなりません。

2.米軍には「対中国戦争構想」がある

海自「海幹校戦略研究」

 しかし米国は「アメリカ一強体制」を維持すべく、今も中国を敵視し、「対中国戦争」のシナリオを持っています。 これは海上自衛隊幹部学校が発行する『海幹校戦略研究』に随時、翻訳掲載されています。

 かつて「エアシーバ卜ル」と呼ばれた米軍の対中国戦争構想は、中国に対する空と海からの攻撃の構想として組み立てられてきましたが、中国は近年、目覚しい経済発展によって軍事力も飛躍的に高めてきたため、米軍は米連邦議会国防委員会からの要請で戦略の練り直しを迫られました。それが「アメリカ流非対象戦争」戦略および「オフショアコン卜ロール」と呼ばれる構想です。

 米軍は「アメリカ流非対象戦争」戦略によって、今まで世界中に 散在してきた各部隊を特定の地域に集中して効率を高めようとしています。 沖縄海兵隊のグアムへの移転はその一環です。
 また米軍はアメリカ議会の決定により軍事予算を削減し、世界中に展開する50万の兵力のうち8万人以上も縮小することになったため、いままで米軍が全て担ってきた軍事的任務を、米軍の指揮のもとで同盟各国の軍隊にも分担させることになりました。 これが「オフショアコン卜ロール」の内容です。

海上自衛隊幹部学校ホームページ
海上自衛隊幹部学校ホームページ

 このアメリカの方針にしたがって、日本は今、沖縄とその周へんの島々に自衛隊基地建設を進めています。今自衛隊が進めている南西諸島各地の ミサイル基地やレーダー基地は、日本独自の方針ではなくアメリカの方針に従って行われています。ゆえに私たちはこのアメリカの方針の内容をよく知っておく必要があります。アメリカの戦略と自衛隊の役割をさらに詳しく見ていきましょう。

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