三里塚勝手連

三里塚団結街道・深夜の「コソ泥封鎖」にふっきれた私

 三里塚の6・27全国結集闘争に参加してきました。集会の後は「三里塚勝手連」で鈴木謙太郎さん、加代子さんのゴボウ畑で草取りの援農をさせていただき、さらに鈴木さんのお宅を訪問して加代子さんからいろいろお話をお伺いする機会がもてました。勝手連は自由な個人の集まりですから、「組織としての統一行動」みたいなものはないのですが、結果的に当日参加した全員が援農に志願し、農民と交流する機会がもてたのはとても良かったと思います。

◆「羽田ハブ化」の恐怖にかられて暴走する空港株式会社の無法

 ところがその日の深夜というか翌未明の午前3時頃、闇討ちで団結街道が閉鎖されました。つまり空港会社・機動隊は、草木も眠る丑三つ時、市東さんの自宅前にコソ泥のように足音を忍ばせて集結し、そうろりと鉄板をたてると「せーの」で大音響とともにボルトを打ち込みはじめたことになります。深夜の異様な騒音で目が覚めた市東さんが気がつき、その知らせで駆けつけた農民と支援らが深夜の抗議行動を闘いました。その日の昼間には、れっきとした道路として自分がデモ行進してきた道です。驚くと同時にとても悔しい。いったいこれは何なのでしょうか。封鎖の理由とされる第3誘導路は、まだ工事どころか認可すらされていません。つまり空港会社の立場から見たとしてさえ、封鎖の緊急性はおろか必要性すらもない。道路が死活的な生活の糧である市東さんをはじめ、一般の道路利用者の生活を破壊してまで封鎖する必然性がどこにあるのか。

 どうやら今度も前回の「封鎖看板」と同じで、空港株式会社の独断で道路をバリケード封鎖したものらしい。それでいて都合よくあとの尻拭いだけは、警察やら寝耳に水の行政やらに丸投げし、なんとかしてもらおうという虫のいい話のようです。空港株式会社の要請で同行した機動隊でさえ、猛然と抗議する市東さんら農民の行動をポカンと見ていただけだそうです。普段、この周辺にいる機動隊(空港警備隊)は、宿舎の維持費など福利厚生をすべて空港会社が面倒をみているという、警察のくせに端から「中立」ではない、空港株式会社の「用心棒の先生」みたいな存在で、警察機構の中でもわりと特殊な部隊だと思うのですが、それでもこのありさまだったわけです。

 要するにこれは「やったもん勝ち」を狙った空港株式会社の暴走としか思えない。前回も空港会社はまだ廃止もされていない公道に、一株式会社の分際で「通行禁止」の看板を独断で立てようとした前科がある。そして今度は一遍の通告もお知らせもなく夜中の3時に他人の家の前で道路工事を行い、その門前をバリケードで封鎖してしまう。ここまでくると、もはや「過激派」のレッテルは、そっくりそのまんま空港株式会社にお返しするしかありません。空港への賛否も関係なしに最も影響をこうむる人には一言の説明も通告もしない手法は、当初からあいもかわらぬ空港建設のやり方です。いえ、最も闘争が激しかった時代でさえ、一方的な通告くらいはあったものです。

◆常識的な感覚をもとう

成田空港株式会社のバリケード 想像してみてください。ある朝に目がさめたら、家の前にバリケードができている。すぐ目の前にある自分の畑に行くことができない。それに一言文句を言っただけで、重武装した用心棒(機動隊)がとんできて逮捕してしまう。これじゃあ、イスラエルが占領地に元から住んでいるパレスチナ農民を追い出すためだけに、軍隊まで動員して村と畑の間に分離壁を建設し、住民が生活できないようにしている残酷な政策と全く同じことです。それを日本では自国民にやろうとしている。たった一軒の農家の平穏な生活を破壊するためだけに、200億円(!)もの血税を投じ、全く不要で意味のない誘導路を建設する。基本的には羽田にハブを奪われるかもしれないと焦りまくった末の、成田空港株式会社の無駄なあがきにすぎないのですが、国家財政の破綻が語られている今日、これほど無意味なことに金をつぎ込むのは、たとえ左翼でなくとも合理的な思考ができるすべての人間にとって、疑問を持たずにいられるはずはありません。みなさんには常識的な感覚と想像力をもって、自分の頭で判断してほしいと思います。

 この闇討ちは、1977年の鉄塔破壊攻撃を思い出します。私はまだ子供でしたから、運動にかかわっていたわけではないけれど、その時の悔しさや怒りがわかる気がしました。空港株式会社はこれで第3誘導路着工に向けた最大の山場を越えたと、胸をなでおろしているんでしょう。しかし鉄塔破壊の時も、政府・公団側は「これで障害はなくなったから開港だ」と思い込んでいたわけですが、実際はその姑息な手法が怒りをかきたて、さらに機動隊がボランティアで怪我人の手当てをしていただけの東山薫さんを虐殺したことも加わり、続く開港阻止決戦が空前の盛り上がりをみせました。そしてそのまま管制塔占拠闘争へとなだれこんでいくわけです。もちろん運動としても、また、「開港」と「誘導路建設」では社会的な注目度も規模が違いますが、少なくともこのままで終わると思ったら大間違いだ!と思います。何より、ある朝目覚めたら、自分の畑に行くための道が壁で封鎖されていた、その市東さんの気持ち、怒り、悔しさ、理不尽さへの思いはいかばかりだったか!そういうごくまっとうな思いを、私なりに万分の一でも共有したいと思います。

 「このままですむと思うな」それは、左翼がどうの、思想や主張がどうのいった理屈の世界ではありません。また、単なる強がりでもありません。少なくとも私にとっては「人としてどうよ」ということなのです。たとえば子供が川でおぼれていたらどうするのか、罪もない人がヤクザや地上げ屋に酷い仕打ちをうけていたらどうするか、どう思うのか、そういう世界に属する判断です。この、見栄も恥も外聞も、すべてをかなぐり捨てただまし討ちのような封鎖で、かえって自分自身の中で何かがふっきれた気がします。そう思っているのは私だけではないだろうと強く感じます。政府・空港会社は、やがてそのことを思い知るでしょう。

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◆あせっているのは空港会社のほうだけ

国内航空路線数と滑走路総延長の推移 そしてまた、切羽つまってほんの5年先くらいの長期展望もなしに、とにかく「拡張!拡張!」で行き当たりばったりの工事で巨額の資金をドブに捨て続けているのは空港株式会社のほうです。なにしろ、数百億円の金をかけて作った第2誘導路を、たった8ヶ月で「もう使わない」んだそうです。鳩山内閣でも9ヶ月はもったぞという話ですが、さらにその隣に今回の第3誘導路を作ろうとしているのです。一本の滑走路にろくに使わない誘導路を次々と3本も!そしてそもそもその一本の滑走路とは、日韓ワールドカップの需要をあてこんだ「暫定滑走路」なのです。

 私でなくとも、暫定の滑走路に次々と3本も誘導路をつくるより、さっさとこの暫定滑走路を使用停止すればすむ話ではないか、そのほうがよっぽど無駄もなくして経済的ではないのかと思うのが普通です。もしそれで足りなくなるというなら、多少の便を羽田にふりわける方向で問題を整理検討し、長期的に考えたほうが得策です。そして実際には日航の経営破たんに見られるように、航空需要がそんなに急拡大する見込みもない。前に書いたように、地元のタクシー会社の運転手さんの話では、もはや生活ができないくらいに客足も減ってしまったということです。空港株式会社としては、体制内部で定期的に台頭してくるそういう発想が、何より恐ろしくて必死なのでしょう。国や航空行政の未来なんてなんの関係もありません。「使われないインフラ」に巨費を投じ続けるのは、典型的な土建屋政治です。とにかく我が身が大事なだけなのです。

 それでも、何がなんでもとにかく「ナリタ」を擁護したい人、土建屋政治の空港利権のおこぼれにあずかっている人たちは、必死になってばら色の夢をふりまき、年間30万回発着構想だの、夜間離着陸の解禁だの、危険な2機同時・並行離陸方式を採用するだの、とにかく必死で煽りながら、報道されない小規模なものも含めて、どうでもいいような大小の工事を年がら年中繰り返しています。逆に常にそうして煽り続けていないと、ナリタの地位が危ないからです。しかしそんな、ばら色の夢をふりまき続け、土建屋政治よろしく地方空港を造り続けたはてに、現状はこの手の人間たちの言う通りになっている、もっともっと空港をたくさん造って拡張しようと思っている人が、はたしてどれくらいいるんでしょう。大部分の人は「懐疑派」ではないのか。少なくとも私には、こういう「ばら色の未来派」の人を説得しなければいけないような現状には思えません。逆に彼らのほうが、必死になって懐疑派を説得するべきとしか思えないです。

 もちろん、私はこういう経済合理性おいて成田空港に反対なのではありません。つーか、どっちかと言うと、成田空港に反対しているというよりは、反対運動を応援していると言ったほうがニュアンス的には正確です。反対運動の中にある、人間性の素晴らしさ、人とのかかわりにおいて、こんな関係性が成立する可能性があるのかという驚き、そこから考えた社会のあるべき姿、そういうものに自己を投機する価値があると考えたからこそ、私はそこにつながっていたい、そこにつながれることに誇りを感じていた(いる)のです。また、軍事問題、反戦運動としての三里塚闘争の側面、人権や民主主義といった側面も私の中では大きなウエイトを占めています。こういうことの一部は前回に書いたので、今回は少し違う切り口から書いてみました。

 長くなったので、ここでいったん切ります。続きはこちらです

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<参考リンク>

団結街道の閉鎖始まる!!!(反対同盟ブログ)ー緊急連絡
開拓道路の閉鎖が始まった(関実・三里塚)ー緊急連絡
市道の閉鎖始まる(市東さんの農地取り上げに反対する会)ー緊急連絡

NAAはコソ泥か!!(反対同盟ブログ)ー写真特集
「およそ国家事業とは思えない哀れな姿だ」(反対同盟ブログ)-動画
団結街道封鎖を弾劾する(関実・三里塚)
姑息なやり方に怒りが(農家便り)
追いつめられたあげくに閉鎖を強行(市東さんの農地取り上げに反対する会)

出た~帯状疱疹!(たたかうあるみさんのブログ)
深夜、団結街道の封鎖徹底弾劾する!(3・14法大弾圧を許さない法大生の会)
三里塚緊急抗議闘争!(3・14法大弾圧を許さない法大生の会)-動画
28 日未明、団結街道封鎖の暴挙!大反撃戦に突入!(「前進」速報版)

成田空港会社:「団結街道」封鎖(毎日新聞)
新誘導路予定地旧市道を閉鎖 成田空港会社(読売新聞)
「団結街道」を封鎖(千葉日報)
団結街道を封鎖、廃道に 成田、新誘導路建設へ(産経新聞)
《現場から問う:6》乱立の空港、取捨選択(朝日新聞)

草加 耕助

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当サイト『旗旗』の管理人。建設現場などで働いています。10代からの数年間左翼活動してましたが、現在は特に何ということもない普通のおっさん。今は休みの日に集会などにぶらり参加。そこで知り合った人たちと個人参加者の互助会的にジグザグ会、三里塚勝手連などを名乗りゆるく楽しく連帯中。よろしければご一緒にいかが?。個人としての目線を大切にしていきます。

コメント

  1. TBありがとうございます。私のブログのように「NAA・千葉県警はノミ・ダニ以下!」と、昔の左翼的な通りいっぺんの怒り方?よりも、草加さんの
    >、左翼がどうの、思想や主張がどうのいった理屈の世界ではありません。また、単なる強がりでもありません。少なくとも私にとっては「人としてどうよ」ということなのです。たとえば子供が川でおぼれていたらどうするのか、罪もない人がヤクザや地上げ屋に酷い仕打ちをうけていたらどうするか、どう思うのか、そういう世界に属する判断です。
    ということを、どう普通の人に伝えるか…いろいろと考えなければなりませんね。
    関実のブログや鈴木加代子さんの「農家だより」に、いかにも常識人のフリをして悪罵のコメントを続ける人たちにも、「人としてどうよ」と本当に考えてもらわないとけない。

    それはそうと、援農もなされたのですね。私は無理したつもりはサラサラないのですが、今帯状疱疹と夏カゼでヘロヘロ状態です。6・27に無理して行っていたら、それこそ体の半分帯状疱疹(ウイルスは背中の神経潜んでいて免疫力が弱くなった時に体の片一方にでてくるんだそうです)で大変なことに…

    梅雨で天候も不安定ですから、お体にはくれぐれもお気をつけ下さい。

  1. 2010年 6月 30日
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