この7日に毎年恒例の「11月労働者集会」に行ってきました。昨年に続いて2度目です。画像報告はこちらです(→「画像アルバム)
なお、去年の報告記事はこちらね(→「11・1 労働者総決起集会体験記」「画像アルバム」「キモインコ」)
本当は今年はこちらには欠席させていただいて、5日にあった三里塚反対同盟の『東京高裁包囲デモ』に参加させていただくつもりで予定を組んでいました。そのために、5日(金曜)に休みをもらって、かわりに7日(日曜)の休出当番をやるという形で、同僚とシフトを交換してもらったのですが、直前になってやはりそれは無理ということになり、5日には参加できなくなりました。鈴木さんごめんなさい。やはり普通の労働者にあれもこれもはちょっと無理だった。来年の次回公判には必ず行きますからね。
さて、昨年の労働者集会は会場で『勝手連』の仲間と4人も遭遇しましたが、今年は誰とも会いませんでした。かわりに、かめよんさん、泉佐野市議の国賀祥司さんのお二人にお会いして軽く挨拶させていただき、なのなの勢力さんともお会いして、こちらは長時間つもる話をすることができました。
実は昨年ごいっしょさせていただいたYukikoさんには、事前にメールで「今年も行く?」と聞いてみたのですが、昨年の集会が消化不良だったらしくて、「なんかキモインコしか覚えてないし、今年はやめとく。同じ日に他の参加予定もあって都合がつかないし」とのことでした。そのキモインコは今年も元気に登壇。あいかわらず注目度は抜群で、小さな子供たちには異様なほどの大人気!でした。でもなぜか大人の女性からは(デザイン的な面で)評判が良くないんだよね。つか、私もYukikoさんにつられて普通に「キモインコ」って書いているけれど、本当は「裁判員いらなインコ」というのが正式な名前(『裁判員制度はいらない!大運動』のマスコット)なんですよー。
それから今回は、開会前に入り口でビラをまいておられた『市東さんの農地取り上げに反対する会』の方に声をかけていただき、いっしょにビラまきをお手伝いさせていただくことができました(あまり役にはたっていなかったかもしれませんが)。ビラがなくなったところで同会の方から、会場内の反対同盟の席に行こうと誘っていただきまして、昨年はあまりにおそれおおくて断ったのですが、今年は「反対同盟の周りは食べ物が豊富にあるんだよね~」の一言に、「はい!とっても嬉しいです」と二つ返事してしまいました(笑)。席についてから赤飯や炊き込みご飯のおにぎりをいただきました。
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実は昨年の集会で食べた、会場入り口前の屋台(量も値段も良心的!)がなぜかなかったんです。相変わらず200人くらいの公安刑事が、特に何をするでもなくぶらぶらとだべりながら溜まっているだけ。冗談半分に「これも弾圧かね?」とか心の中で苦笑していたんですが、後で知ったところによると、本当に「弾圧」で、それも集会に対してではなく、屋台への「弾圧」だった。なんでもAPEC警備のせいで屋台に規制が入って営業できないとか。どうもガスボンベはテロに使えるので、盗られたら大変みたいなことらしい。アホくさって言うか、本当にガスボンベを「テロ」に使いたかったら、誰がわざわざ(しかも都内や横浜の)屋台から盗むかいなという。屋台だけ規制しても糞の役にもたたない。屋台のおじさんやおばさんもいい迷惑です。
ついでに書いておきますと、この「11月労働者集会」には毎年中核派(系)の人たちも力を入れていて、同派の関東圏以外の道府県連の人たちも、年に一回この集会には顔を出していたりします。それで特に初期の頃は同派の影響力も強かったし、共産趣味者やその筋の方々は、中核派の呼びかけを通してしかこの集会を知らないということもあり、とりわけ関東圏やネット上では「中核派系の集会」という認識が強いのね。まあ、私は関西の人間で、しかも党派的なしがらみが無い(弱い)人間ですから、どっちかと言えば「関西生コン労組が呼びかけている集会」という認識のほうが強い。関生労組は関西では新左翼から社民党などの旧左翼、さらに非左翼の市民運動から公明党の一部にいたるまで、非常に幅広い人々から尊敬されているという、まるでかつてのイタリア共産党の黄金時代を思わせるような、ものすごくまっとうな労組です。ところがなんか東京では、その関生労組まで「中核系かと思っていた」という人までいてびっくりなんですが。
近年のこの集会の傾向でもあるみたいですが、今年の集会では去年に増して、何かの党派色はまったくなく、普通に「左の左」に属する人間なら誰でも違和感なく参加できる集会だと思いました。こういうのが年に一回恒例であるのもいいんじゃないかと思います。確かにその分、「ええーっ!」と強烈な印象に残るようなことも少なかったです。また、今では個人的には明確に「反中核派」の立場に立っているような人も参加しているようですし、昨年の関生労組の発言で「意見の違いではなく一致点をさがすという姿勢」の結果として打ち出されたという、「国鉄1047名解雇撤回・労働者派遣法撤廃」のスローガンもそのまんま維持され、今年はそれに加えて「大失業と戦争に突き進む菅政権に怒りの声を」がつけ加えられたというような感じです。以上を簡単に一言で言えば、ちょっと総花的の印象がありました。でもまあ、労働運動での一番大切な課題を最大公約数として掲げつつ、左派総結集の(もしくはそれを目指す)場と考えれば、それはそれで意義があるのではと思いました。
もう一度「中核派話」をしておきますと、これは同派が戦術や策略で一歩引いた方針をとったというよりも、ごく普通に、一党派の主張や色彩を、集まった人たちの中に強烈に貫徹するような影響力なり説得力なりを同派がもはや持ちえてないのではないか、かつ、そのことに彼らが強い危機感を持っているというような感じはなくて、むしろ「それはそれ」でまあいいか的な雰囲気を感じました。別の言い方をすれば、この集会に集まってくる人々の「思い」は、すでに党派の思惑とは別のところで自立して一人歩きしはじめており、もしここに一党派の主張を強力に貫徹しようとすれば、かえって人々は離反して空中分解するのではないか、そのことは中核派もわかっているんだろうと思いました。そういうのはその党派の主張や行動に権威と信頼があり、主張に説得力があれば自然と影響力はあとからついてくるものであって、ゴリ押しで短期的に覇権を確立したところで、長期的には運動は衰退してしまうものなんです。
さて、そんな中でも私の印象に残ったのは、まず最初にやはり三里塚反対同盟の発言。北原事務局長、萩原事務局次長、市東孝雄さん、鈴木謙太郎さんらが壇上に上がられ、代表して萩原さんが発言されました。
次に、現在も大手のスーパーゼネコン各社を相手に勝利的にストライキを貫徹しておられる関生労組からの報告です。関生労組は動労千葉と共に壇上に上がられましたが、その動労千葉の田中委員長が、いつもは良く言えばすごく力強く、別の言い方をすれば悲壮な感じでしたのに、この日は関生労組の発言を聞きながら、とてもにこやかで嬉しそうにも見えたのが印象的でした。
そして最後にあげておきたいのが、去年と同じ感想になってしまいますが、難民認定申請中の各国難民家族の皆さんです。ビルマ、イラン、クルド、スリランカなどからの難民家族の皆さんが登壇されました。今年は去年のような日本の入管当局の難民行政への批判に加え、自国政府による人権侵害と弾圧、そしてそれとの闘い、人権擁護や民主化への支援を強く呼びかけておられたのが印象に残りました。とりわけ在日ビルマ人の皆さんは、この日もミャンマー(ビルマ)大使館前での抗議行動の最中、代表でこの集会にも来てアピールを聞かせていただいたものです。その後のデモも含め、難民申請者の皆さんの命がけの必死さには心を打たれました。
総じて、全体的にはとても良い集会だったと思います。ここに集まってくる人々の真剣な思いや真面目な態度を思えば、あまり「どこそこ派の年間最大イベント」とかレッテル張りするのは私としてはやはり気がとがめます。来年もスケジュールが許せば参加したいと思いました。
集会後は日比谷から銀座を経て常盤橋公園までのデモに出発します。全体を7つの梯団にわけて、先頭出発から最後尾到着まで1時間半の予定という大デモ(参加者は5900人)です。私は反対同盟(+「市東さんの農地取り上げに反対する会」)の皆さんと一緒に、先頭の第一梯団に入れていただきました。主催の呼びかけ4団体に続いて三里塚反対同盟、そのすぐ後ろに「裁判員制度はいらない!大運動」の皆さんですが、その先頭はもちろんキモインコ!さらに続いてビルマやクルドなどの難民の皆さんです。最初はちゃんと隊列ごとに別れて整然と進んでいたのですが、途中から警官隊がしきりとデモを押し付けるものですから混乱してグチャグチャになり、気がつけばいつの間にかキモインコと二人並んでデモしていました(ヒィィィ!)。
反対同盟の皆さんは、前回の10・10全国集会ではトラクターにつけていた幟(のぼり)旗をもってきておられました。「現闘本部破壊阻止」とか「団結街道を通らせろ」とか書いてあって、三里塚の反対同盟主催の集会ではそれでいいのですが、こういうデモではそれだけでは趣旨がわかりにくい。そこに私が「勝手連」の旗を持って反対同盟の後からついていきましたので、けっこう重宝がっていただきました。「勝手連」の旗は会の名前は小さくしか書いていなくて、「三里塚」という文字がバーンと大きく書いてあるデザインですからね。「こういうのがあと2、3本ほしいな」とか言っていただきました。ただ、同盟の前を歩くわけにはいかないので、すこし遅れてその後を歩くようにしました。でもそうすると、どうしてキモインコと並んで歩いてしまうという(笑)。いや、私はいいんだけど、向こうが迷惑かなと思って。
この日の警備ですが、まさか昨年の私の感想を読んだからというわけでもないんでしょうが、言葉使いだけはやたらと丁寧で、かつ、デモの梯団がばらけないようにとそればかりに気を使っています。デモの間中、ず~~~~っと、「前の方に詰めてください!」とか、「もう一歩前にお願いします!」とか、あげくに「ほら、ここ、すこし間があいてますよ!詰めてください!」と、なんじゃこりゃと思うくらいに叫び続けていました。別に突き飛ばされたりということはないし、こちらも混乱させるつもりはないんで、言葉使いも丁寧だし、最初のうちこそ少しは協力して詰めていたんですが、あんまりにも詰めろ詰めろと言うもんで、前の人とぶつかりそうになったり、後ろの人の手や足があたったりして、隊列がグチャグチャになってしまいました。そんな状態なのにまだ、「もっと詰めてください!」とか耳元で言われるもんで、だんだんとイライラしてきます。
そのうち、曲がり角で、ここぞとばかりに、警官隊が7、8人で一斉に、まるで映画のグレムリンみたいにわらわらと、「詰めて!詰めてくださーい!!詰めてぇ!」と集団で口々に大声で叫びだした時、ついに私の頭の血管が「ブチッ」と音を立てて切れました。で、目の前の警官に、「お前らなあ!詰めろ詰めろって、もう前とぶつかっとるやんけ!これ以上どないせぃっちゅうんじゃ!あんなあ、わしら軍隊ちゃうぞ!そないにびったり詰めてオイッチニ、オイッチニと歩けるかいや!そりゃあんたらからみたら烏合の衆かしれんけどなあ、わしら普通の人間やねん!だいたいデモ隊ってそういうもんやろがぁ!軍隊ちゃうねん軍隊と!もうちょっと伸び伸び普通に歩かしたらんかい!!」と大声で抗議しました。
するとその警官はちょっとだけ顔をこわばらせて黙りこみ、まあ、それもそうだと思ってくれたのか、それからは私の周りの警官はあんまり「詰めろ」とは言わなくなって、ちょっと楽になった。そのかわりに今度は「もうすこし歩道によって下さい」と言うようになったけど。時々、指揮者と思われる警官が、もうぎゅうぎゅうなのに「もっと詰めさせろー!」とか無茶(つか無責任)なことを叫びながら通っていくので、何か言わないといけないらしい。なんか板ばさみっぽくてかわいそうなので、私ももうそれ以上は何も言わなかったけど。
やがて解散地点の常盤橋に着いて流れ解散になり、反対同盟の方々は車で帰っていかれました。私はその場に残って最後尾の梯団がつくまでその場にて、最後の一人が公園に入ってくるまで拍手で見送り、そのあいまにクルド人難民の男の子と公園ですこし遊んだりしながらすごしました。とっても人懐こい利発そうな子だったなあ。日本語はまだしゃべれないみたいだった。お父さんらしい人がその子に、とても優しい口調で語りかけているのが印象に残りました。とても子供たちを大切にするんだなあ、家族の絆がすごく深いなあと思いました。その難民の人たちも最後まで残って一生懸命(そして陽気に)拍手していました。
今年も、デモの中で一人の青年労働者が逮捕されたそうです。毎年ノルマみたいに必ず誰か一人を情報収集のために適当に逮捕するのが恒例みたいになっています。悲しい日本の公安さんです。
参加されたすべての皆さん、ご苦労様でした。みんなみんな、明日は(も)幸せでありますように。
参考リンク
◇集会公式サイト
◇すでに彼らは私を超えていた(なのなの勢力)
◇全国労働者総決起集会に世界中から参加(こくがブログ-泉佐野市会議員・国賀祥司)
◇11・7全国労働者総決起集会(すぎなみ未来BOX-杉並区議会議員・北島邦彦)
◇11・7全国労働者総決起集会にたなびく星野救援の旗(沖縄民権の会)
◇全国労働者総決起集会(ミュウタントのブログ)
◇戦争と大恐慌に対決する労働者・学生の国際連帯!11・7集会に5900人!!(3・14法大弾圧を許さない法大生の会)
◇11・7全国労働者集会 5900人の固い国際的団結(週刊『前進』)
お疲れさまでした。
写真で見たところ、「キモインコ」が昨年よりもグレードアップされてる模様ですね。衣装がちょっと立派になってる。
あのやきそばの屋台がなかったんですか!(あれしか楽しみがないのに…)
>今年の集会では去年に増して、何かの党派色はまったくなく、普通に「左の左」に属する人間なら誰でも違和感なく参加できる集会だと思いました。こういうのが年に一回恒例であるのもいいんじゃないかと思います。
>また、今では個人的には明確に「反中核派」の立場に立っているような人も参加しているようですし
>この集会に集まってくる人々の「思い」は、すでに党派の思惑とは別のところで自立して一人歩きしはじめており、もしここに一党派の主張を強力に貫徹しようとすれば、かえって人々は離反して空中分解するのではないか、そのことは中核派もわかっているんだろうと思いました。
ほー。いい感じになってきましたね。こういうふうにならないかなぁと思っていたのでうれしいです。
キモインコと目を合わせると募金箱を下げてものすごい勢いでヤツが近づいてきますが(こえーー!)、今年は大丈夫でしたか?
昨年と同じようにタクシーで帰っていったのでしょうか。うーむ
お疲れ様でした。
キモインコ初めて知りました。
ていうか裁判員制度いらない大運動とかいうのも初耳でした。
大運動になってないぞ…(笑
私が田舎者だから知らないだけかもしれませんが…。
Yukikoさん>
キモインコではなく「裁判員いらなインコ」(強調)の衣装はそんなには変わっていないようでしたよ。けど、綺麗だったから、新調したか、もしくは洗濯したのかもね。
> こういうふうにならないかなぁと思っていたのでうれしいです
Yukikoさんでなくても、いまどき党が大衆運動に自派の利害や方針を押し付けるなんて、誰が見てもはやりません。
ちょっと前に、中核派が中くらいの規模で分裂(分派の発生)したのですが、その時はまあ、まがりなりにもお互い「円満」に分かれたのね。だからその後も大衆運動の中では両派が同席していました。でも、そのうちに中核派さんは、あちこちで大衆運動を分裂させて、分派組との同席を拒否し、分派組を孤立させる作戦に出た。でも、そのことはすごく評判が悪くて、中核派の支持者からさえ不満が批判が寄せられているみたい。
ことほどさように、もう党が強くて大衆は翻弄されるだけって時代でもないみたい。もちろん党は大衆に方針を提起して、先頭にたって引っ張っていくべきだと思う。大衆に迎合してちゃいけないけど、大衆と党は上下関係ではなく、平等だということを忘れてはいけないと思う。
RRさん>
そこのことは私もよく知らないんですよ。
ただ、全国あちこちの裁判員裁判の公判では、裁判所の前で反対アピールとかしていますから全国的な運動みたいだし、資料なんかもわりとしっかり発行しているようなので、「大運動」かどうかは知りませんが、そこそこ大きな運動なんじゃないかなあ。
ただあれですよ、マスコミにまったくとりあげられてないから。ローカルニュースくらいなら、「反対する団体が抗議する中で云々」程度の表現で、一行くらいは言及するのかもしれませんが。
いくらネットがあるとか言ってみても、マスコミに取り上げられないと、運動してる現場にでも遭遇しない限り、知らない人には存在しないも同然になってしまいます。
このあたりの不満は、最近は右派の人も口にするので、RRさんにもわかってもらえるのではないだろうか?そういうことを言い出したら、右派よりもむしろ左派のほうが、マスコミに対する不満は5万倍くらいあります。そういう不満点に気がつくくらいに、右派の運動が大きくなってきたと言えるのかもしれませんね。
遅すぎるけど11月7日集会の感想
11月7日、日比谷公園野外大音楽堂にて「全国労働者総決起集会」&デモが行われた。俺は3度目の参加。非常に遅くなってみっともないが当日の感想を書き留めておく…