2009.11.01 11月労働者総決起集会体験記

投稿者:草加 耕助

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 毎年恒例になっている11月全国労働者総決起集会に初めて参加してきました。会員日記でも中野由紀子さんが参加体験報告を書いておられまして、「まじめな報告は任せる」とか言われてしまいましたが、私も詳しい集会報告は文末リンクのよそのサイトさんにまかせます(笑)。んで適当に思いつくまま書きますね。

2009・11・01全国労働者総決起集会

 この集会は左派系の3労組(連帯労組・関生支部全金・港合同動労千葉)の呼びかけで毎年続けられているもので、なんだかんだ言っても、もう10年以上(もっと?)継続してきた伝統があります。また大組合や政党とは無縁な無党派独立系の左翼集会が今でも5000人以上集めるのですから立派なものです。関西在住の私は例年の報告動画とか見ながら、すごく元気で楽しそうだなあと思っていましたんで、せっかく東京に来たんだから一度くらいは参加したいと思っていたんです。それで今年は我らが「三里塚勝手連」の旗をぶら下げて、飛び入りで参加してきました。

11・1労働者総決起集会_会場前の公安刑事

 まず会場の日比谷に着いて、駅から野外音楽堂の入り口に行くまでにびっくり!大きなマスクと帽子で顔を隠してカメラや無線機をぶらさけた警視庁公安刑事のみなさんがワラワラとたむろしている。特に集会場の入り口前には100人以上も集結していて、ちょっとした集会みたいな状態になっている。

 一応、念のため、入り口にいた人に、「あの~、これ全部公安ですか?」と聞いてみると、「え?ああ、そうですよ、開会前にはこの倍くらいいたんですけど、だいぶ減りましたね」とごく普通にお答え。この倍だってぇ?!つーことは200人以上もただ突っ立っていた?しかも10人のうち9人までは何をするわけでもなく、ただ単にそこにボーッと立っているだけ。中にはこっちも見ないで雑談して笑いながら時間をつぶしている人の姿も。これで高額の給料やボーナスがもらえるなんて絶対に・・・うらやますぃ(笑

 受付をすませて会場内に入り、周囲を見回しますと、おおいるいる、人がいっぱい。会場の後ろの通路でウロウロしている人たちだけでも200人くらいはいる。会場は「立すいの余地もない」というほどではないが、「ゆったり座って満員」くらいの感じでした。入り口で受付をすませた参加者は約5850人だったそうです。

 んで、集会を聞きつつもぶらぶらしていましたが、知り合いが誰も見つからないので、一人で「勝手連」の旗を出すのはちと気がひけた。旗のポールを持っていたので受付では「どこの団体ですか?」と笑顔できかれた。「いえ、個人の飛び入りでして」と答えると、「ほう、どこかの集会のお帰りですか」と言うので、「いえ、そういうわけでは・・・」と答えると不思議そうな顔をされちまった。

11・1労働者総決起集会

 余計なことを聞かれる前に、逃げるように会場に入る。そのうちにやはり一人で歩いていた中野由紀子さんを見つけて合流。おそるおそる「勝手連」の旗を出してみた。三里塚の集会以外で勝手連の旗を出すのは初めてなんで、完全に自意識過剰状態。「これはどういう団体ですか?」とか聞かれたらどう答えようかとか思ってビビる。

 でも自分で思うほど誰も自分のことなんて見ていないんだけどね(笑)。この心情はこれを読んでいる完全個人のあなたが、何か団体をデッチあげて旗揚げして、はじめてどこかの集会に(しかも勝手に)参加したらわかりますよ。え?「普通はそんなことしない」って?まあそうだけど(自爆)。

 しばらくは中野さんと二人で集会場の後ろのゴミ捨て場の隣で、こっそりと旗をもって座っていましたが、腹が減ってきたので集会場の入り口前で売っていた焼きそばの屋台で食料をゲット。量も値段も屋台としては良心的で味も美味しかったので感激。お腹がよくなると気も大きくなる(単純)。そこで会場内をうろうろしてみた。

 やがて10・11三里塚集会では一緒に「勝手連」で参加したTさん、Yさん、Hさんなどに連続して遭遇。お互いに「おお!」とか「ここで会うとは」とか言って驚きあう。なんでもHさんは所属する組合がこの集会に参加するので一緒に来たとのこと。例年のことなので春闘やメーデーのような感覚らしい。TさんとYさんは完全な個人参加だけど、「マイミク」でもあるHさんの紹介で組合の隊列に入れてもらうとのこと。

 さらに後からHさんは気を使ってくれて、「もしデモの時に入る隊列がなくて困っているなら」と、わざわざ組合の役員さんを連れてきて紹介してくださいました。ただ、役員さんは、うちに入っていただいてもかまわないけれど、勝手連の旗はしまって組合のゼッケンもつけてねと言われました。
 まあそりゃ当然ですわね。見たこともない団体の勝手な旗を立てられても責任もてんもんね。ありがたくて申し訳なかったけど、まずは誰でも入れる「個人・その他市民団体等」の隊列に入れてもらうか、連帯労組なんかに知り合いがいたらそちらに頼んで入れてもらおうと思い、その場はお礼を言って別れました。

11・1労働者総決起集会

 その頃にはすっかり落ち着いて、堂々と「勝手連」の旗をもって会場内を移動。「コモンズ」の横断幕が貼られたり、「たんぽぽ舎」の出店が出ているのを見て(私はなんの関係もないにもかかわらず)「おお、知っている名前みっけ」と更に気が大きくなる。ついには勝手連の旗を、他の参加団体の旗と並べて階段の手すりに掲示しておきました。なんの打ち合わせもしなかったのに、「こういうこともあろうかと」ガムテープをもってきていた中野さん、あんたは偉い!

 あと、会場で私を見かけた泉佐野市議の国賀祥司さんがご自分から声をかけてくだすって恐縮しました。さらには三里塚の集会場で知り合った「市東さんの農地取り上げに反対する会」のYさんからも声をかけていただき、一緒に反対同盟などとの隊列に入ってもいいというお話になりました。

 けど、「じゃあ農民の方に紹介しますね」と言われて、それは嫌なんじゃなくて、私ごときが「三里塚を闘っています」とばかりにでかい顔で紹介してもらうみたいであまりに畏れ多くて気がひけてしまいました。農民の足元にもおよばないけれど、一番後ろから無名でできるだけのことをしているただの市民にすぎないんですから。それで申し訳ないけど、入るところがなかったら入れてもらうということで、その場は断ってしまいました。本当にごめんなさい。

 一方、集会の発言などは、他のサイトにもある通りですが、今年は数年前からの国際連帯の取り組みがさらに強化されていて、韓国、アメリカ、ブラジルなど海外からの参加者だけでも70人以上。各国の左派労働運動の取り組みなどが聞けたのはよかったです。

 個人的には前から興味を持っていた「憲法と人権の日弁連をめざす会」が、裁判員制度反対で一致して初参加しておられた(中野さんには「キモインコ」が不評だったが)ことと、ビルマ(ミャンマー)、エチオピア、クルドなどから逃れてきた難民家族が登壇し、難民認定を求めて発言されたのが心に残りました。
 ビルマと北朝鮮からの難民の存在は、最近やっとその一部が世論の目にもとまるようになりましたが、日本を信じてやってきた難民のほとんどはその存在自体を知られることなく闇から闇に葬られ、迫害の待つ本国へ強制送還されてしまいます。政府が難民認定をしいので働くこともできずにいるそうです。

11・1労働者総決起集会_コモンズの横断幕

 あと、他のサイトの報告には載っていないことで言えば、連帯労組の発言で、この集会にいたる過程でも「多くの意見の違いがあった」ことが明らかにされ、しかし同時に「違うところを強調するのではなく、一致できる点はどこかを捜していこうということを、三労組共通の確認事項とした」こと。だかからこそ「この、『国鉄1047名解雇撤回!派遣法撤廃!』を共通スローガンとする大集会を実現できた」のだという趣旨の発言がありました。

 つまり言いたいこととしては、左派は分岐ばかり作ることはやめよう。一致できる点をさがして大同団結していこうということだったと思います。私もこの意見には大賛成です。ただ、そのことばかりを述べたのでやや冗長となったこと、集会全体のトーンの中では連帯労組の発言だけが浮いてしまったこと、さらに「団結できる」ということより「意見が違う」ということのほうが強調されちゃった感があって、ちゃんと連帯労組の真意が参加者に伝わったかなと思うと少し残念でした。
 団結(共闘)の原則については全体の3分の1くらいにして、後はもっと具体的な闘いの報告や決意、そしてそれにむけて「一致して団結しようではないか」という呼びかけにしたほうが良かったのではないかと、生意気ですが思いました。

 さて、集会も滞りなく進み、最後に発言者が全員登壇してインターの斉唱になりました。司会の方がシュプレヒコールの後、先導してインター斉唱になったのですが、緊張されたのか、あまりにも調子はずれだったため、一瞬「え?この人は突然に何を言ってるんだ」という感じで、それがインターの歌詞だと気がつくまで間がありました。
 あわててみんなも歌いだそうとしますが、司会の方の調子に引きづられてうまく歌いだせないという(笑)。司会の方も思わず苦笑されてましたが、それもご愛嬌で、一気になごやかな雰囲気になっちまったのもまたよしとしましょう。

 いよいよデモ行進にうつります。説明では全体を7つの梯団にわけるということでしたが、私が入ろうと思っていた「個人および市民団体」とかいう類の梯団が無い!「個人の方はこちらに」とかいう説明もなかった。はなから団体参加しか想定してないんかーい。Hさんがわざわざ個人参加の知り合いに声をかけてくださっていたわけがわかった。
 主催者の皆さん、来年からはこのあたり改善お願いしますよ。つか、来年個人参加される方は、三里塚と同じく「勝手連」の旗を立てておくので集まって下さいな。それで第7梯団の「学生およびその他の団体」にでも入りましょう。

 それでまあ、先頭梯団(主催三労組と反対同盟など!)の一番うしろにでもついて行こうと思って、「勝手連」の旗と共にぞろぞろと人の流れについていきました。出口付近で少し隊列から離れた場所に立っていますと、一人の現場労働者ふうのおじさんが近づいてきて、「週刊三里塚」の名刺を出しながら、ついに「これはどういう団体ですか?」と聞かれた。

キタ―――(゜∀゜)―――!!!

 一応ちゃんと「ネットで知り合った個人で、応援したいんだけど一人では三里塚とか行きにくいよねーという人たちの集まりです」と正確に説明したけど、最後の最後でまったく油断してたところに不意打ちだったから、多少はしどろもどろになっていたかも。「そういう団体があることは農民への励ましにもなると思います。農民に紹介したいので、連絡先を教えてください」と丁寧におっしゃったので、プリケーの番号を教えたけど、あれからかかってこない。きっとネットで検索したか、他人から教えてもらって「なあーんだ」とか思っているんでしょう(別に連絡してもいいけど、オルグ的なことは勘弁ね)。

11・1労働者総決起集会_銀座デモ

 そんなこともありーの、先頭の労組の皆さんを見送りながら、やっぱり旗を降ろしてHさんの労組に入れてもらったほうがよかったかもと、だんだんと不安を増しつつポツンと二人で突っ立っていますと、突然に隊列の中から、「草加さーん!こっちこっちぃ!」とにこやかな叫び声が。見ると「市東さんの農地取り上げに反対する会」のYさんが笑顔で手をふってくれているではありませんか。おお、Yさん、あなたが女神に見える(爆)。こうしてやっと安住の地を見つけてめでたくデモに出ることができました。けど反対同盟や市東さんの会に混じって「勝手連」の旗を掲げているのは恐縮だったなあ。

 ともかくデモ隊も6000人に近くなると壮観です。かなり長いデモで疲れもありましたが、反対同盟や三労組の旗をまじかに見ながら、銀座を元気にデモできたのは素晴らしい体験でした。私のすぐ後ろは難民のデモ隊列で英語で「フリー!フリー!アウンサン・スーチー!」などとコールしながらデモしておられました。私も感動してできるだけ唱和したけど、わからない単語もあって出鱈目になってたかも。

11・1労働者総決起集会_銀座デモ

 しばらく行くと、遠くから右翼とおぼしき男が何やら喚いている(いや、主観じゃなくて本当にわめいていたんです)大音響が聞こえてきます。つい先日も、街宣右翼と在特会の連合軍が、市民運動のデモ隊を襲撃して多数のけが人を出すという事件があったばかりですので私も身構えました。ところが実際に見えてくると、わざわざ道幅の広い場所を選んで道路の反対側に街宣車を停めて、その周囲を警官が守っているという、おっかなびっくりの布陣。きっと街宣車の上に立って演説しているんだろうとばかり思っていた右翼は影も形も見えない。よく見ると、運転席にすら人影がない。つまり、みんなスモークを貼って中が見えなくした車内に立てこもって、警察に守られてブルブル震えながら喚いていたのです。正直な気持ちを書きますが、( ´,_ゝ`)プッ と思いました。

 しかもねー、右翼の皆さんも考えたほうがいいと思うんですが、あんまり大音響(もはや「音量」というレベルではない)で喚き散らすもんで、かえってこっちからは何を言っているんだか、ほとんど聞き取れていないんですよ。かなり聞き耳を立てて何を言っているんだか注意していた私ですらそうです。通りすぎてから、やっと「日本から出て行けー」とかいう、まるでネトウヨ並みなレベルの罵倒が聞きとれたんで、思わず「人に出て行け言う前に、まずお前らが車から出てこーい」と怒鳴り返したら、周囲の人たちが爆笑してくれましたわ。情けないと思わんかね。「愛国者」さん。

11・1労働者総決起集会_銀座デモ

 銀座をすぎたあたりだったかにも右翼がいた。やはり道幅の広い道路の6車線向こうの道路の反対側に、今度はなんと警察車両のバスが縦列駐車して、つまりわざわざ2車線をふさいでその警察のバスの向こう側に右翼が街宣車をとめているという、超ガチガチの布陣。そこまでしてやっと右翼は街宣車の屋根に出てきた。何もそこまで恐がらなくても、( ´,_ゝ`)プッ

 そしてまた何を言っているのかよく聞き取れない。しかも今度は3台もとめていて、別々にわめくのでなおさら。3台目だけ同じことをずーっと喚いていたんでかろうじてわかりましたが、何やら「チューゥ・カク・ハッ!チューゥ・カク・ハッ!」と繰り返していて、それが「中核派」だとわかるのにかなりかかる。

 いや、そう言われても、俺、中核派じゃないし(笑)。むしろ、どっちかと言ったらアンチ中核派だしなあ。それにそんなふうに呼びかけても、この第一梯団に中核派の人はほとんどいないと思うぞ。もっと最後のほうの梯団の人に呼びかけないと。それによしんば中核派の梯団だとしても、中核派に「中核派」と呼びかけて何の意味があるんだろうか?「おーい、中核派ぁ!」「はーい、何ですかぁ!」ってか?(笑)。田中さんに「タ・ナ・カ!」というようなもの。エールでも贈ってのか?謎だな。

 ただ一つはっきりと理解できるのは、「在特会」なんて影も形もないということ。在特の連中にしろ、街宣右翼にしろ、デモ隊を襲撃する時は、こないだの反靖国デモみたいに、全員が普通の市民のデモ隊しか襲撃することしかできない卑怯者の臆病者だということ。これなら無防備で絶対に反撃されないからな。暴力団の発想と一緒だよ。

 在特どもは、普段「犯罪左翼」がどーのこーの言って、あたかもそれと対峙しているかのようなことをネットで流しているけど、彼らがターゲットにするのは常に絶対に反撃されない弱者だけ。「犯罪左翼」(マスコミ用語でいう過激派のこと)とリアルで対峙したことなど一回もない。そして今回みたいにデモの中に「中核派」みたいな武闘経験のある団体がまじっているかもしれない=襲撃したら反撃してくるかもしれないと想像しただけで、布団をかぶって縮こまっているしかできないのです。

 要するに100%安全な場所から弱いものイジメをして鬱憤をはらすことしかできない「吊るし上げマニア」です。嘘だと思ったら、これまで彼らが襲撃した先、およびこれから襲撃する先と、その手口をよ~~く見ておくことです。子供、老人、障がい者、外国人、たった一人を大人数で、警察に守られながらその後ろから、etc・・・。私の言っていることが嘘でも何でもないことがよくわかるでしょう。

 さらには解散地点付近でも右翼の第三陣がいましたが、こちらはなんと、声はすれども姿は見えず。どっかの路地裏に隠れて声だけの登場。しかもデモ隊が解散しだして大量に人が流れ出したら、一目散にどっかに逃げていったようで、すぐに声がやんだ。だから彼らの声を聞いたのはデモ隊の先頭部分だけという体たらく(爆笑)。ひょっとしてこれが在特会だったかもね。

 たった一つだけ警察のことをほめておきます。第一梯団の横についた機動隊は警備が上手だった。後から書く第三梯団の横についた機動隊の警備のへたくそさとは雲泥の差だった。長いデモだったけど、最後まで隊列がばらけることもなかったし、途中で歩行者を横断させるために一度、隊列が二つに分断されちゃったけど、その後も隊列を上手にくっつけた。

 不思議(?)なことに、こんなふうに警備が上手な機動隊ほど、言葉使いも丁寧で対応も穏やかです。だからデモ隊から機動隊に対する罵声や抗議もほとんどなく、スムーズにデモが進んだ。指揮系統もしっかしていて、統率された動きだった。やはり東京は違うな、大阪府警とは大違い(笑)だと思った。中野さんは「ちょっと退屈だった」とか言ってましたけど(爆)。言い換えればそれくらいスムーズだったということ。

 解散地点の常盤橋公園に先頭で入って、旗もしまってゆっくり帰り支度をすませましたが、長いデモ隊なので、それでも最後尾はまだまだ後ろです。それでブラブラと、中野さんと二人でデモコースの歩道を少し逆行しながらデモを見学することにしました。ほどなく、会場内で隊列に誘っていただいたHさんらの労組を発見。最初は笑顔で手をふりましたが、なんと!みんな機動隊に突き飛ばされたり、やりたい放題の暴行を受けている!

 大声で口々にわめく声が聞こえたので、てっきり機動隊に抗議の声が飛んでいるのだと思ったら、デモ隊はみんな口をへの字にしながら耐えていて、機動隊の方が口々にデモ隊を罵りながら歩いている!こんな光景ははじめて見た!つか、こんなによくしゃべる機動隊ははじめて!てっきり大阪府警かと思った。つか、大阪府警でもこんなに機動隊がぺらぺらぺらぺら油紙に火がついたみたいにしゃべらないっすよ。

 気がついたら思わずデモ隊に飛び込んでいました。近くで見るともう機動隊めちゃくちゃ。だいたい機動隊の部隊とか隊列とかが無い。みんな個人個人でばらばらに動いている。もう指揮命令系統がどうとかいうレベルじゃない。中にはデモの隊列に「参加」しちゃってる機動隊までいた。それでひたすら休み無く、手近にいるデモ参加者を小突きわましている。凶暴なくせに無防備。要するに弱いものイジメをする奴に典型的な態度。

 「これはいったい何の騒ぎだ?」と思って近くのデモ参加者の話や、機動隊のわめいていることを聞いてみると、要するに長いデモの途中で、だんだんとデモの隊列がばらけて伸びてきたと。他の梯団の機動隊は、そうならないように誘導していたんですが、この梯団の機動隊はへたくそというか、何もしないで漫然と歩いているだけだったと。それならそれで、デモ隊列が多少ばらけたぐらい、実際上はたいした問題ではないし、特に文句もありません。ところがこいつら、「これではまずい」と思ったのか、「てめら走れ!」「くっつけや、おら!」「俺らの言うことを聞かんかい!」とか言いながら(本当にそう言ってました)、小突き回しはじめたということらしい。

 要するに、自分らの警備技術がへたくそで失敗したのにそれをデモ隊に対して逆ギレしてたんですよ。本当にこんな「人間的」な機動隊はじめてみたよ。しかも全然指揮されてなくて、みんなバラバラだし。ほんま、消防団の兄ちゃんのほうがもうちょっとなんぼか組織的な動きをするよ。ついには「俺らこうしてわざわざ来てやってんだぞ!お前ら俺らの言うこときけやぁ!」なんて滅茶苦茶なこと言い出す(繰り返すけど、本当にこのままの言葉使いで言ってました)。

 いや、そんなに仕事に来たくなかったんならそれでもいいし、気持ちはわからんでもないけどさー・・・・言いたくないけどおたくらそれで金もらってんでしょ?私らの給料より高い金をさ。それが仕事ってもんでしょ?だいたいここに来ている人はさ、金もらうどころか、自分らのお金を払ってカンパまでしながら参加してんだよ。こっちはちゃんと許可条件守ってデモしてんだから、おたくらにそんなこと言われる筋合いないよ

 だいたい機動隊の(それもただ自分の横を歩いていただけの平の隊員の)号令で一糸乱れず指揮されてキビキビと動くデモ隊なんてあるわけないじゃないですか。こっちだってただの一参加者に過ぎないんですから、そんなことで「何で言う通りにしない」とか逆ギレされても、とまどうばかりで困るんですよね。しかし不思議なことに、こんなふうにヘタクソで訓練されていない機動隊とか、「法律?なにそれ?」みたいな無茶な弾圧をする機動隊に限って、言葉使いとか態度が粗暴で下品なんですよね。そんでデモ隊との間で余計なトラブルを起こす元になるんですよ。

 後で「あそこどこの機動隊だった?」と聞いてみたら、「うーん、はっきりとわからないけど、3機だったと思う」とのことでした。私はひよっとして本当に大阪府警だったかもと思っていますが、警視庁さん、もしデモの第三梯団について警備していたのが本当に3機(警視庁第三機動隊)だったんなら、もう一度訓練しなおしたほうがいいと思いますよ。あれではいざ「実戦」の時にほとんど何の役にもたちませんよ。せいぜい後先考えずに突入する「特攻部隊」くらいにしか使えんわ。まあ、「仕事なんて来たくなかった」みたいなことをデモ隊に言うような部隊ですから、それも期待できんかもしれんけど。もし3機じゃなかったら、濡れ衣を着せてごめんなさい。

 なお、後で聞いたところによれば、今年も公安の「ノルマ」でデモ隊列の後ろのほうを狙って一人逮捕されたそうです。こういう狙い撃ち的というか、文字通り「逮捕のための逮捕」の場合は、警備がしやすいように、後ろのほうの隊列が狙われやすい。要するに前と後ろに違った意味での精鋭部隊を貼り付けて、真ん中は余ったゴミのような部隊を適当にわりふったってことか。

 まあ、ともかく私の知り合いは全員無事に(?)デモを貫徹し、帰りには「勝手連」メンバーで2次会まで盛り上がったのでした。

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<参考>

キモインコ
2009・11・01全国労働者総決起集会

11月全国労働者総決起集会速報(日刊動労千葉)
11・1日比谷、世界の労働者5850名が団結!(東海合同労組)
労働者農民の国際連帯で反戦平和を(三里塚反対同盟ブログ)
11・1全国労働者総決起集会の写真 (長崎労組交流センター(準備)のブログ)
11・1全国労働者総決起集会の写真 (宝の山)
11.1全国労働者総決起集会に参加しました(マスカットユニオン)

瓶詰めされた「ばばちい」 “デモ”と「おれたち」“野宿野郎”のこと(ルンペン放浪記)
全国労働者総決起集会(ミュウタントのブログ)
「天皇在位20年」を祝わない!! → 全国労働者総決起集会 → 反戦闘争実 11・1反戦行動(ムキンポの忍者ブログ)

11・1日比谷、「1047名解雇撤回」が世界にとどろく!(「前進」速報版)
11・1全国労働者集会  大失業時代に5850人が立つ(週刊「前進」)
日比谷野外音楽堂に6000人の労働者が結集(北島邦彦の「すぎなみ未来BOX」)
かっとび!11 ・1現地速報(火群─ ほむら ─)

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3件のコメント

瓶詰めされた「ばばちい」 “デモ”と「おれたち」“野宿野郎”のこと。

どこのデモに行っても、つまみ出されはしないけれど、おれたちみたいな、その日暮らしの、手ぶら乞食野郎など、ちり取りですくう値打ちもないゴミ、どうでもいいひやかしとして、迷惑がられていることくらい、ににんがしと同じくらいわかっていた。

それでも、あまりな仕打ちにむかむかしだすと、敷居際でけつまずきそうになりながらも、ありあわせの集会にこっそりもぐりこんで、どんちゃんやるよりうさの晴らしようがないわけだ。

今回のそいつらだけは、いつもと違って、おまわりに道をたずねる必要すらなかった。

あれだな。

はるかな遠くからでも、やつらの熱のかたまりが、わんわん、唸りをあげているのが聞こえた。

デモでおまわりさんが親切だった話

1月10日のデモ、最近はピースウォークと言ったりしますが、最後の数百メートルだけ列の中であるきました。

隊列は麻布のほうからやってきて、交差点を通り過ぎてから右折。三河台公園は六本木の通りに近いのだけど、ぐるっと裏のほうを回ってたどりついたわけですね。

わたしは交差点過ぎから、ちょこっと列の後ろに入って、ここが最後ですか、と周りの人に聞いた。周りの人が右側を歩いているおまわりさんに、「ここで最後ですか」と聞いたら、「まだもう一列後ろにいますよ」との答え。途中で信号を超えた。列に遅れないように、「急いで渡ってください」とせかすのだけど結構親切。「ご苦労様です」とねぎらってくれま…

プッ! 「赤い労組の旗」だってさ

「太鼓持ち、あげての末の 太鼓持ち」といいますが、「スノビズム あげつらうのも スノビズム」 「党派性 それを言うのも 党派性」 というもじりを作ったことがあります。

 もう一つ、「政治性 指摘するのも 政治性」というのもありなのかな。
 と思ったのは、このブログのエントリーのコメント欄。

 11・8りっか、行こう!県民大会

 真っ先にコメントをつけてきた人。
 このエントリーにでもいろいろ言っていま…

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