今日、仕事場で野菜を包んであった古新聞に(笑)面白い記事を見つけて思わず読んでしまいました。
何分にも古新聞のことであり、しかも濡れていたのでもう手元にはありません。(スポーツ新聞の芸能欄であったと思う)ですから記憶を頼りに書いていることをあらかじめお断り申し上げます。「その記事知ってる」という方がおられたらお知らせいただくと有難いです。
その記事は昨年一年間の、いわゆる「冬ソナ」と「ヨン様ブーム」を、様々な角度から分析した連載のうちの一回だったようです。内容は「ぺ・ヨンジュンという一人の芸能人が、日韓関係の歴史にまで影響を与えうる存在になった」というものでした。
記事では、ソウルに住むある女性のインタビューを掲載しています。
彼女は学生時代は民主化運動のデモにも参加し、現在は結婚してソウルのマンションに暮らしています。現在の韓国を支える平均的な中産階級であり、日本で言えば「団塊の世代」みたいなものでしょう。
そんな彼女は今まで日本を見る時、どうしても「過去の侵略の歴史」という観点からでしか見ることができなかったと言います。批判的な視点でしか語ることができなかったと。
そんな彼女が今ではすっかり認識が変わってしまったと言うのです。「過去にこだわらず、お互いのいいところは学びあえばいいんじゃないですか」と。「学生運動の闘士」が「日本からも学ぶ」という心境になったのは、日本における「ヨン様ブーム」を見てからだと言います。
自分よりもずっと年上の日本人女性が、韓国の俳優を追いかけて「見れた!」「見れなかった!」とハンカチ握り締めて泣いている姿が韓国のテレビニュースでも放映されました。この女性は不思議な気持ちでそれを見ていたそうです。そしてどのような分野であれ「日本の人達が、初めて『韓国人』を認めてくれた」と思ったんだそうです。「これまで一度でも日本の人達が韓国人を認めたことがあったでしょうか」と。
この女性の意見は特殊なものではなく、日本の「韓流ブーム」を目の当たりにした韓国では、若い人から「私達も日本と日本人を受け入れる」という意識が台頭しつつあるそうです。
私がこの記事に接して感じたことは「ああ、なんだ、簡単なことだったんだな」ということです。
韓国人が日本全体に対して憎しみやわだかまりを持っているとします。
それをどうしたら解消して、人間としてわかりあえる関係になるでしょうか。
私はそれを「難しい問題」だと思い込んでいました。ところがそれがひょっとすると「とても簡単なこと」かもしれないとわかったのです。「前提をつけずに相手を認めてあげること」これだけで良かったのかもしれない。
今でこそ「嫌韓」といえばネットウヨの専売特許ですが、実はほんの20年ほど前までは左翼の間にこそ、色濃い嫌韓意識があったわけです。
当時の韓国は軍事独裁政権だったわけですが、そのことで世論全体も韓国には厳しい見方をしていました。しかし日本政府は民主化支援よりも独裁政権との癒着に重きをおいていたと思います(独裁政権に甘い体質は今も同じですが)。それで反体制であればあるほど「嫌韓」だったと思うのです。
たとえば韓国人の演歌歌手が日本にのりこんでヒット曲を出すということがあった(「カスマプゲ」なんて今でもカラオケで歌うお父さんもいるでしょう)。その時も「彼女の後ろ盾には韓国の諜報機関(KCIA)がいる」ということで、左翼はみんな彼女を毛嫌いしていました。「赤旗」なんて、この歌手が日本でデビューするまでの「光と影」を、2ページ見開きで特集していたはずです。
もちろん、韓国の独裁政権が「芸能攻勢」で日本の世論の軟化を狙っていたというのは荒唐無稽な作り話ではなかったようですし、この時点で世論が「韓流」になってしまったら、日本政府は大っぴらに独裁政権を支援し、民主化は更に遅れたかもしれません。
だから「芸能攻勢」の裏を暴露し、これに対抗することは間違っていなかったはずなのです。私は自分を「嫌韓」とは思ってなかったし、むしろ韓国の「政府ではなく民衆と連帯するのだ」と思っていました。今の韓国の状況を見れば、独裁政権とのつきあいばかり重視していた日本政府と比べても、むしろ私達の正しさが証明されたとさえ言えます。
でもなんでしょう。このわだかまりは。当時の私は世論の「嫌韓」が緩和されたら、動きにくくなって困るというような意識がなかったでしょうか?胸に手をあてて考えますが、よくわかりません。
侵略の歴史を反省するのも大切なことです。そこで当時の私達の「戦略」は、侵略の歴史を捉え返し、だからこそ口先の謝罪ではなく、日本の足元からの反戦闘争を組織する。韓国への日米支配と分断の固定化を糾弾し、民主化闘争と連帯する安保粉砕-日韓連帯闘争を呼びかけるてなもんでした。
私らはそれら日米韓同盟との闘いを「反韓国」ではなくて「日韓連帯」として認識していたわけですが、もし現在的にとらえかえすべき大きな問題があるとすれば「韓国独裁政権に対抗する勢力」としての北朝鮮には、存在していてもらわないと困るといった、ソ連・中国のスターリン主義者的な発想がどこかになかったかということですね。
当時は活動家が集まっている時に北朝鮮の批判とかバンバンにすると、誰も異議は唱えないし「その通りだ」とみんな言うわけなんですが、何となくシラけたような雰囲気が漂ったように思います。
まあこれは「理論的な戦略」の問題であって、実際の活動家個々のモチベーションとしては、日帝時代の侵略への怒りと、民主化闘争での死をも賭けた韓国民衆の闘いへの感動(光州蜂起の直後でした)という、2本の柱で精神性が成り立っていたわけで、それこそぶっ倒れるまで活動しまくったわけです。
そんな私達に、日本で民主化運動を続ける韓国籍の人々(逮捕されて送還されれば独裁政権の拷問が待っている)は、すごく感動してくれて目をうるませて手を握ってくれる方もおられました。
まあ、あれはあれであれだったのかなと(笑
ただ、左翼運動を辞めてから今振り返ると、根っこの部分ではそんなに複雑に考えなくても良かったのかなとも思います。
私もよく知らなかったのですが、ネットウヨは本物の右翼の方とは違って、「共産党より社民党」「北朝鮮より韓国」を嫌う傾向があるらしく、「韓流ブーム」に必死に噛みついてなんとか押し止めようとする言動もよく見ます。
「冬ソナ」にも「ヨン様」にも、フツーのドラマや俳優以上の感慨を持たない私としては、そんなネットウヨの言動をみても(この分野では)あんまり腹も立たないというか、古くは松田聖子(後に祭り上げられるが)から佐藤珠緒にいたるまで「男に媚びてるぅ」とか言って「批判」する女性週刊誌の記事程度の感想しか持てません(しかし芸能人が叩かれる時、「必ず整形疑惑が出てくる」という所まで踏襲しているのが面白かった)
その昔の「韓国歌謡」の流行を苦々しく思っていた自分も(ちゃんとした根拠があってそう思っていると自分では信じていたわけですが)実際にはこのネットウヨ程度の存在だったのかもしれないなあと反省する今日この頃なわけです。
※「冬ソナ」は見てないけど、あらすじを聞いての感想。
「なんか、百恵・友和の『赤いシリーズ』みたいやな」
・・・(「赤い激流」とかは見てた。懐かしい。あと確か「青いシリーズ」もあったんだよね)
参考
◇日本における韓流ブームについての日韓共同調査
日本リサーチセンターとギャラップ・コリア社が行なった共同世論調査の結果とその分析
<要約> 「ヨン様ブーム」や「韓流ブーム」は日韓両国の親密感の増大に貢献していると考えられる。
近年、サッカーW杯の共同開催の成功や韓国における日本文化の解禁などの背景要因もあるが、この調査結果からも、日韓両国において感情的なしこりが少なくなり、文化面や経済面でのより深い交流まで発展していく兆しが伺える。(日本リサーチセンターWebサイトより)
このエントリーを書いてから見つけた調査だけれども、結果はこのエントリーで書いたことをほぼ裏付けるものとなっています。(嫌韓派の人は目を皿にしてケチつける所を捜すんだろうなあ)
あらかじめこのエントリーの内容から考えると少し意外な部分をあげておきますと、日本人の好きな韓国人タレントで、「ヨン様」は4位にすぎないことでしょうか。また、おばさま達の間でフィーバー(死語)している日本の「ヨン様ブーム」については、「理解できる」と答えたのは、日本人ではわずか3割なのに、韓国人は過半数の6割が理解できるとしていること。「ヨン様おっかけおばさん」の異様までに熱烈な行動については、日本人は眉をひそめたり呆れたりする人も多いけど(まあそれはヨン様に限ったことではないけどね。氷川君大好きおばさんとか)、韓国では比較的に暖かい目で見てくれているようで、少しほっとしました。
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冬ソナ・・・よかったです(ボソ)
「赤いシリーズ」は見てなかったので、よくわかりませんけど。
「ヨン様」オバさま断固擁護です。
韓流は政治運動だと思います。
かつて日本では北朝鮮が美化され多くの文化人やマスコミによって政治宣伝が行われてきました。今は北朝鮮を韓国にすり替えているだけでしょう。問題なのは韓国のドラマが好きなだけの人が政治運動に巻き込まれてしまうことです。
例えば、韓国人は韓流で日本に好意を持つようになったと言うメッセージがあります。しかし、韓国では韓流好調のニュースとともに日流不調のニュースも併せて報道されます。実際には反日感情を持っている韓国人が韓国ドラマが好調なのに日本のドラマが不調だと言うことで反日感情を満足させて居る実状が、「韓国人が喜んでいる」という情報に美化されているわけで、これは一種の政治宣伝です。
罵倒専用掲示板に移動するかどうかぎりぎりの投稿ありがとうございます(笑
私自身は韓国ドラマは見てないので、それ自体の評価は何とも言えませんが、全然面白くもなんともないものが長期間に渡ってヒットすることもないのだろうから、それなりに日本の視聴者に受け入れられるものが何かあるんだろうなと思ってます。まあ、それはそれでいいことじゃないですか。
それに韓国でも実は日本の漫画やアニメは若者達にすごく人気があって、専門店まであるというではないですか。ドラマが受けないのは受けない理由がちゃんとあるわけでしょう。思うに日本のドラマはひねりすぎのドロドロすぎ。聞く限りでは韓国ドラマは「直球勝負」が多くてそこがいいのかな?そんな韓国の視聴者に日本のひねった設定の最新ドラマが受けないのは当たり前ですよね。「渡鬼」や「おしん」なんかの橋田ドラマなら、日本独自の「直球勝負」なので、韓国でもそこそこ当たるかもしれないと思ってるんですが、どうですかね?
ともあれ、うぐぅさんの態度は「反日感情を持っている韓国人」の裏返しにすぎない「嫌韓感情を持っている日本人」ではないのですか?こういう人々が韓流ブームからお互いに対してネガティブなイメージを政治的に引き出しているのは、私にとってはどちらも同じくらいくだらないことだと思います。香港映画がヒットしても、それを政治的に云々することはくだらないと誰でもわかるのにね。歴史的ないきさつを無視して言うならば、こういう排他性はまさしく日韓で共通してある欠点かもしれませんね。欠点は克服するべきでしょう。
なお、今後も発言を続けられる場合は、批判専用板(http://8622.teacup.com/souka431/bbs)のほうにお願いします。
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記者「2ちゃんの右翼的っていうか、反北朝鮮の書き込みとかは、どう?」西村「2ちゃんねる自体、あんまり見ないですからね(笑)。」記者「そういうのは知ってる?」西村…
>韓流は政治運動だと思います。
私は中国にいることが多いのですが、向こうでは日本のアニメがテレビでけっこう流れていて、子供たちに人気あります。
これを受けて、中国の大人で「これは日本を美化し、中国人の反日感情を和らげるための政治運動だ」などと言っているのを聞いたことがありません。いても、かなり特殊な考えの持ち主だと思います。
ヨン様ブームに狂奔するおばさんを見て日本人を見直す韓国人なんて、サンプルが少なすぎて有意のデータとは到底言えず、それをもって日本人と韓国人は分かり合えるなんて綺麗事言われても、論理の余りの飛躍にあきれるばかりです。悪いけど。
私は頭の悪い嫌韓厨なんでしょうか?
でも嫌韓厨と言われようとも、ソウルに住む一韓国人の感想に、途方もない意味を無理やり見いだされても同意はできないなぁ…
日本のヨン様ブームをみて、韓国社会全体の対日感情にあきらかな変化が見られるとかならばともかく…
2chなんかの所謂嫌韓厨とよばれる人々のなかには、かなりひどいデマを流してる人もいますが、韓国側の反日感情は、デタラメさも、過激さも、一部日本人の嫌韓感情の否ではないでしょうに。
それを「前提をつけずに相手を認める」の一言で、これにて一件落着と悦に入られてもね。
それが一番難しいっつーのw
>ああああ様
ご意見ありがとうございます。
まず、意見交換の前提として、その人の国籍なんてまったく関係なく、すべての人が仲良くできることを好ましいと考えるか否かということからはじめるべきでしょう。この前提が一致しないと、議論が枝葉末節に入り込んでから回りしますから。
目の前に人がいる。私達は「ああ、人間がいるな」と思うわけです。それで「仲良くしたいな」と考えて、そこからいろいろな思想を組み立てるわけです。つまりお互いの間にある壁を壊すことが良いことであるという前提があります。
一方で、「自分と同じ人間がいるな」ではなくして、「ああ、自分とは違う韓国人がいるな」とか「俺とは違う日本人がいるな」とか思う人がいる。そしてこの「韓国人」や「日本人」と仲良くするための「条件」として、「国」だの「政府」だのの諸条件をクリアすることを相手に求める。つまりお互いの間にあえて壁を作っているわけです。そういう壁を作って「自国の旗の元に」結束しようとする。私達はこういう発想方法を否定的なものとして考えます。
左派はこういうのが嫌いなわけです。民族排外主義といいます。中国における一連の「反日デモ」は、一見して左翼が掲げるスローガンと共通するところがあった。にもかかわらず、これを支持する左翼は意外なほどに少なかったし、逆に反発をおぼえる人が多かった。それは「日本を愛する」からでは全くありません。この反日デモに民族排外主義の臭いを感じ取ったから支持できなかったのです。
このエントリーの最後に日本リサーチセンターの日韓世論調査の結果をリンクしてありますので、「サンプルが少ない」とおっしゃるということは、失礼ながらこのエントリーを最後まで読まずに冒頭部分だけを見て脊髄反射されたと客観的には判断するしかないのですが、「韓流ブームを通じて日本人と韓国人が互いに好感を抱くようになりつつある」という、世論調査の結果を好ましいものと見るかどうかですね。
私はごく当たり前に「好ましいこと」だと思うし、この流れが続いてほしいと思うし、そのためにできることがあれば協力さえしたいと思う。それは韓国に限らず、どこの地域に住む人に対してでも。
しかし別の人(ああああ様がそうかどうかはわかりませんが)は「ゆゆしき問題」と考え、なんとかこの動きを止めて逆行させたいと思い、「政治運動だ」「陰謀だ」とおっしゃる。このエントリーではそのことを批判しているとご理解ください。
韓国映画やドラマのヒットによる「韓流ブーム」が政治運動なら、70年代のブルースリーを筆頭とした「香港カンフー映画ブーム」(韓流ブームの比じゃなかった!)も政治運動になってしまいます。要するに彼らの考える「条件」がクリアされないうちに、韓国が肯定的に受け入れられて、人々が仲良くすることが嫌なだけです。
そしてこの共同調査の後、小泉政権の下、日韓関係はこういう壁を作って条件を出したい人の思うつぼな方向に進んでいます。私達はこれを否定的に考えていますが、そのことについて議論するにあたり、やはりすべての人が(国籍などの前提条件をつけずに)仲良くするのが良いことかどうかについて一致をみておく必要があると思います。何が「望ましい状態か」の認識が違うのに、方法論を論議してもすれ違いに終わってしまいますから。
たまたま別の政府に属しているにすぎない、韓国と呼ばれる土地に住んでいる人と、日本と呼ばれる土地に住んでいる人、その両者がわかりあえるのは、再度言いますが「簡単なこと」です。この簡単なことをわざと難しくし、妨害しようとする「国家という存在そのもの」を私達は否定しているのです。
最後に、国家主義の立場から言っても、日本の国や歴史を認めて欲しいのであれば、まず韓国の歴史や文化のすばらしさを、いっさいの前提条件をつけずに全面的に認めることからはじめるべきではないですか。まず俺のことを認めたらお前のことも認めてやるとか、相手の悪いことばかり言い合っていても仕方ありません。それは日常生活の人間関係、夫婦関係なんかでもそうでしょう?日韓関係も同じです。韓国の世論調査でも、あえて日韓関係の緊張を高めていく現政権の手法には70%が反対しているのをご存知ですか?(左派的には複雑な結果なんですがね。なんで右派はこういう韓国の一般世論を紹介しないんでしょうか?そんなに韓国人と日本人を喧嘩させたいんでしょうかね)
余談ですが、ほんの数年前に韓国に行った時は、対日感情は(特に田舎にいくほど)驚くほど良かった。今はどうでしょうねえ。まあ都会や観光地では、韓国もその他の国の例外ではなく、日本人とみるとけっこうカモられましたけど(笑)。
まあ、言われるままに払う日本人も悪い。せっかくそういう店ではたいがい日本語が通じるのですから、値段表などの提示を要求し、他の韓国人が支払っている額をよく観察して、日本人だけ高い嘘価格を提示された場合は、大声で抗議して店を出るべきです(私はそのせいで垢スリを経験しそこなった)。しかし、都会でも観光客が行かない、現地の人しか利用してないような店の人はすごく親切でしたよ。日本語が通じないので苦労するけど。ガイドに言われるままに「日本人が必ず行くような店」とかに行くと駄目ですね。
◆日本情報の自由化を求めるべきでは
たいへん興味深いお話を読ませていただいてありがとうございます。しかし、国どうしの関係と個人どうしの関係は次元が違う問題で、はっきりと切り離して考えなければなりません。どちらが大事かではなく、どちらも大事なのです。
わたしは国どうしが対等の立場で関係を築いていくには、言論の自由が確立していることが前提条件だと考えます。中国は言うまでもなく、韓国でさえも日本情報は自由化されていません。政府が歴史解釈を決めて、それに反する言論は出版しても販売中止になるし、ネットに載せても強制閉鎖させられます。日本と同じように言論・出版の自由が確立している国だと考えるのが、そもそも間違っているのではありませんか。
こういう国と無理して友好関係を推し進めようとすると、日本の側からすり寄っていくしかないので、日本の損失になります。こういう現状では、中韓との関係強化には反対です。「対米従属から脱してアジア諸国と共同体を築こう」などと夢物語を語る政治家は危険で、決して首相にはなってほしくありません。
選挙公示前に、民主党に「中韓に日本情報の自由化を申し入れたことがあるのですか。なぜやらないのですか。」という質問のメールを送りました。当然、返事はありませんでしたが、国民からの返事が今回の選挙結果です。
スポーツをふくめた、ひろい意味での「文化交流」は、中長期的には いい意味での相互理解につながっていくとおもいます。ただ、例の「ヨンフルエンザ」をみせつけられると、「日本国内の在日差別とか、北朝鮮バッシングについて、なにかいうことない?」って、たずねたくなります。幸か不幸か、まわりに感染患者がいないんで、いいんですが(笑)。
「ヨンフルエンザ」感染者の おばさまがたは、1980年の光州事件を記憶しているはずの世代だし、90年前後からの、それをえがいた韓国映画なども、ごらんになる機会があったはずなんですよね。「韓国軍の暴力性とか、刑事たちの拷問とか、帝国日本の『遺産』だって知識をしっかりもて」とまでは、いいませんけど、1980年代なかごろまでの日韓関係をすっかりわすれたかのような韓国ブームには、抵抗感がぬぐえません。ソウル・オリンピック以降の記憶しかないだろう、サッカー・ファンのわかものは、しかたがないとしてもですね。