by jrl アニメ
投稿者一覧で草加様のすぐ下に私がいてよろしいのでしょうか・・・?
それはさておき、先月まで放映されていたアニメのレビューをまとめていきます。
[Sponsor Ads]
PERSONA5 the animation
アトラスが制作しているペルソナシリーズのアニメ化です。「我は汝、汝は我」は今回も健在です。ペルソナ4もよかったのですが、今回も期待です。(公式サイト)
シュタインズ・ゲート0
ニトロプラスの科学アドベンチャーシリーズ「シュタインズゲート」最終章のifの世界を描いた続編ゲームのアニメ化です。原作ゲームをプレイした身としては大いに楽しめました。原作ゲームを知らない方は原作ゲームをプレイするか7年前のアニメを観ておくことをおすすめします。(公式サイト)
ダーリン・イン・ザ・フランキス
前クールの続きです。前クールの謎が解き明かされながら壮大な戦いが始まりました。大人の階段を登ることを許されず、大人(パパたち)に利用されるしかなかった子供たちが恋を知り、愛と性を知る。疑問を持つことすら危険視される世界で子供たちが成長していくとても示唆的で面白い作品でした。(公式サイト)
ゴールデンカムイ
ヤングジャンプで連載されている漫画が原作のアニメです。日露戦争後の北海道を舞台にした「和風闇鍋ウェスタン」です。作画の質が少し気になるところですが、アイヌ料理がとても美味しそうです。10月に二期目を放映予定とのことで楽しみにしております。(公式サイト)
ヒナまつり
連載されている漫画が原作のアニメです。ヤクザの新田をはじめ登場人物がことごとく俗物で、クズと呼びたくなりながらもどこか憎めません。ときおり見せる温かい話が染み入ります。ラストからして続編があるのでしょうか。(公式サイト)
ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイルオンライン
「ソードアート・オンライン」の外伝として「キノの旅」の時雨沢恵一さんが手がけたスピンオフ作品です。6年前、私はソードアートオンライン本編を酷評しましたが、この作品については高く評価できます。(公式サイト)
カードキャプターさくら クリアカード編
前クールの続きです。話がなかなか進まないと思って観ていましたが、色々な伏線や謎が回収されないまま最後があまりにも中途半端に終わってしまいました。アニメが原作に追いついてしまったということらしいのですが、また続編が放映されるのでしょうか。(公式サイト)
ウマ娘 プリティダービー
今回のPAワークス枠です。サイゲームスが開発したゲームが原作のアニメです。競走馬の擬人化ということで、実在した競走馬が元になっているのですが、競馬ファンではないのでわかりましたでした。
レース後のアイドルパートがそこまで力を入れて描写されているわけではなかったので必要なのか?という疑問がその場面ごとに頭をもたげました。しかしそれ以外はスペシャルウィークはじめ色々なキャラクターの成長が楽しめました。(公式サイト)
魔法少女サイト
週刊少年チャンピオンに連載されている漫画が原作のアニメです。「銀魂」とは別の意味で少年漫画の限界に迫っています。最近この手の魔法少女アニメは「まどか☆マギカ」の影響を受けているように感じます。魔法少女たちがいかに団結するか、という描写が少し足りないように感じました。(公式サイト)
(番外編)ゴジラ 決戦機動増殖都市
昨年公開された映画の続編です。「メカゴジラ」とゴジラが戦います。あのメカゴジラを「面白い」と解釈するか「詐欺」と解釈するかは評価が分かれそうなところですが、私は前者です。
全体を通して虚淵さんに様々なおもちゃを渡して、どのように遊ぶかを楽しむ作品です。その意味でとても楽しめました。「ゴジラを倒すために自らが怪物となるか、人類としてゴジラを倒すか」という問いは、今までのゴジラ作品にはなかったかもしれません。次回作にはゴジラの永遠のライバルが登場するようなのでどうアレンジするのか今から楽しみです。
今月からは「進撃の巨人」や「深夜!天才バカボン」などを観ていく予定です。
ここ数年、テレビを見てない上に、ネット配信も見なくなりましたので、あげられた作品をまったくチェックしていませんでした。「有頂天家族」くらいまでは見ていたのですが。
ご紹介していただいた中では、「PERSONA5」と「ゴールデンカムイ」が面白そうですね。「ヒナまつり」も肩がこらずに4コマ漫画を読む感じで気楽に楽しめそうです。
「シュタインズゲート」の前作は見ていました。海外(とくにアメリカ)では、ハードな時間ものは人気がないけど、日本のSFファンにとっては好物だという話を、海外の時間ものSF短編集の、あとがき解説で読んだことがあります。
本作はまさにそういう理屈っぽい、典型的な(?)時間ものSFという印象でした。こういうジャンルは導入部分から中盤は、冒険活劇が好きな層にはある程度忍耐が必要というか、中盤以降にいろんなパーツがあわさって「そうだったのか!」と、時間軸の糸があわさっていくのが快感なんですよね。
そもそもがマルチエンドのゲームが原作ということでしたから、パーツを分解したり継ぎ足したりして組み直せば、いくらでも「if話」は作れそう。それが元祖の説得力を維持したまま、より面白くなるかどうかは別ですが、今回は成功しているということなのかな。
「魔法少女サイト」のご紹介を読んで思ったのは、やはり「まどマギ」の亜流という印象。「まどマギ」は露骨な少女同士の殺し合いはなく、ラストで救いがありましたが、「魔法少女サイト」はどうなのでしょう。
最近、いわゆる「デス・ゲームもの」でも、中学生くらいの少女が殺し合うみたいな設定が増えたり、主人公が高校生だとそこに恋愛というより性的な描写が当たりまえにあったりして、今の子供は大変だなと思います。
思えば90年代にセーラームーンを嚆矢として、少女が変身して悪とガチで戦うという一大ジャンルが生まれ、魔法少女ものに変わって当時の女の子からも絶大な支持をうけていました。それはちょうど社会的な男女関係の変化という背景があり、もちろん今でも「プリキュア」など正統な後継はありますが、そういう男女間の社会的な変化も中途半端のまま、さらにアニメのオタク化の流れの中で、行き着く先が、どう見てもオタク系男子や「大きなおともだち」をターゲットにした、少女の惨殺や殺し合いだと思うと、いろいろ考えさせられます。
その点「カードキャプターさくら クリアカード編」は安心して(笑)見れますね。CLAMPさんの原作はどれも内容がおもしろいですしね。NHKなので、ちゃんとお金もかけ、よっぽどの低視聴率でなければ、バタバタと無理やり終わらせることもないでしょうし。
「クリアカード編」自体は見てないのでわかりませんが、元祖版の特に原作では、小学生の女児が担任の教師と隠れて付き合ってたりとか、主人公以外の脇役たちが、年齢もさらに性別すら全く気にしないでポンポンと恋愛してカップルになってました。「これ少女誌で大丈夫なの?」と心配しましたが、テレビ版では適度にぼかしてありますね。
あと、今の感覚で「話が進まない」というのは、むしろ長期連載ならそれが当たり前のペースだったと思う。作品全体でちゃんとした世界観と起承転結があり、しかも一話ごとが例外なくおもしろいというのはよほどの天才作家。荒川弘さん、藤田和日郎さん、高橋留美子さんなんかはそう。どうしても続きが読みたくなる。CLAMPの皆さんもわりとそうだと思う。
「ダーリン・イン・ザ・フランキス」はエヴァの亜流というか、その手の流れなのかなという印象。
「プリティダービー」はいろんなものをオタクな絵柄で少女化して、無理やり萌えにしてしまうという昨今の流行ものでしょうか。戦国武将や全国のお城の少女化は笑えましたが、個人的にこの路線は「けものフレンズ」が限界かなーと。
競馬を全くしらなくて、かつアニメもゲームもしらない私からは、外見上「競走馬の擬人(萌少女)化」ではなく、逆に「少女を競走馬化」してお金を賭けてるという設定にしか見えないので、ぱっと見で不快です。「そんことない!ちゃんと見ろ!」と原作ファンは言うのでしょうが、ゲーム企画としてはそういう意図があったと思います。自分が場主になるタイプの競馬ゲームで、どうせ「調教」して「育てる」ならリアルな絵柄の馬より、萌え少女を調教したほうがいいという。私も男なのでその気持ちはわかってしまいますが。
「ソードアート・オンライン」は第一作アニメは途中まで見てましたが、あんまり面白くないので自然に見なくなりました。今回の「オルタナティブ…」は別の作家さんによる二次創作で、世界観だけを拝借して原作や元のアニメとは関係ないスピンオフ作品とのこと。背の高い女性へのセクハラや差別で劣等感を植えつけられた大人(女子大生)が、自分とは正反対の小さな少女のアバターとなり、仮想世界で銃撃戦という感じみたいですね。そこにリアル世界での人間ドラマもありという感じで。
でもやはり原作もアニメも見ていない私としては、軍人にまざった「子ども兵士」が銃をもっている絵柄には嫌悪感があります。リアルの世界ではこれくらいの外見の子供たちが銃を持たされて戦闘している国がいくらでもあり、子供たちも喜んで自分から銃をとって、大人を平服させる「力」に酔っているという現実があります。それをやめさせるために世界中で今も必死の努力が継続されています。
おそらく原作者やスタッフには、よくもわるくも認識がない(悪意はない)というのは承知しますが、そのへんは日本人独特の平和ボケでしょうね。子供がガチの軍人にまざって銃撃戦という絵柄というのは、戦争を知っている民主国家の大人たちにはむしろ嫌悪感が先立つでしょう。こういう絵柄は多くの先進国では放送コードにひっかかるのではないかと思います。映画監督のスピールバーグなども「銃と子供」を同じ画面で描くのを極端に嫌うといいます。
銃規制が進まないアメリカの例を見てもわかるように、その原因が多面的だとしても、一度銃などの「力」を手にしてしまうと、人間なかなかそれを手放せないということがあると思います。「自衛」とか言い訳して自分だけが武器を独占したくなる。そういう観念の危険性に免疫のない子供たちに、平和の尊さや戦争の悲惨さ、武器の恐ろしさを教えることは大人の責任です。まして武器への憧れや「力」の快感を賛美するのはよくないことだと思います。
などと書きますと、今後JRL様の執筆が自粛されることを恐れます。むしろ今どういうアニメがあるかとか、その面白さとか内容のなさとかの把握に助けられていますので、今後も自重せずに思ったように書き続けてくださることを希望します。
草加様
コメント有難うございます。
「ペルソナ5」だけでなく、ペルソナ3も4もアニメ化されているのでこちらもお勧めです。「ゴールデンカムイ」もアイヌの文化について割としっかり監修しているようで、その方面からも楽しめそうです。
アニメ前作の「シュタインズ・ゲート」は原作の6種類のエンディングのうちトゥルーエンドのみをアニメ化したものです。第一話だけ見ると意味不明ですが、最終話までしっかり観るととても面白い作品です。今回のアニメも含めて原作ゲームから様々な話がメディアミックスで展開されていのでそちらも鑑賞してみてはいかがでしょうか。
「魔法少女サイト」はテレビアニメ版のまどマギほどではありませんが、最後に救いのようなものはあります。「魔法少女育成計画」ほど魔法少女同士の殺し合いのシーンは多くありません。しかし、ベタな設定の詰め込みと展開の粗さがまどマギの亜流であることを意識させてしまいます。中学生同士の殺し合いといえば20年ほど前でも「バトルロワイアル」がありましたね。アニメのオタク化、オタクの大衆化を見ると、私としても考えさせられます
。
「CCさくら」に関してはなるほどと思えました。「話が進まない」、そんな感想を言ってしまうのは3か月や半年で終わってしまうアニメに慣れてしまった身だから言ってしまうのかもしれません。しかし、わざわざ2クールで制作すると言明している以上、きちんとまとめてほしかったというのが正直な感想です。
「ダーリン・イン・ザ・フランキス」はおっしゃる通り「エヴァ」や「ガンダム」をTriggerが独自に解釈して生み出した作品というところです。
「ウマ娘」「SAO」で草加様のおっしゃりたいことは私も原作を知らないのでよくわかります(けものフレンズはいいんですか・・・笑)。「ウマ娘」に関してはトレーナーさんに対して「裏格闘技のトレーナーさんかな?」という印象が拭えませんでしたし、フランスでこんな特定の(人に類する)種族(しかも年端もいかぬ少女)を食い物にする産業が実際にあったら抗議デモが起きるだろうと考えてしまいました。制作会社がPAワークスでなければ最初に鑑賞する選択肢には入らなかったと思います。「SAO」は惰性で観ていましたが、私は草加様のような違和感を抱いていませんでした。作中でゲームキャラの年齢に触れられていないのでそれを免罪符にしているのでしょうが。
しかしこのような感想を書いたところで「そんことない!ちゃんと見ろ!」以上に多く返ってくる反応は「こんなあにめにまじになっちゃってどうするの」というようなシニカルな反応でしょう。数年前に朝日新聞に「艦これ」から右傾化を憂う投書が掲載されて物議を醸しましたが、その底流にはこういったシニカルな感情があるのではないかと私は考えています。草加様の素朴なご指摘もネット上の大部分から「ぐんくつの足音」と揶揄されるのであろうと考えると暗澹たる気持ちになります。こういった「とりあえず相対化して高みの見物」するような人が増えたからこそいろいろ世の中おかしくなっているのかもしれません。悲しいかなかくいう私もそのような意識に囚われて、発言を抑えているところもあります。
私は伝えたいことがあるなら表現すればよいと考えています。「二度目の人生を異世界で」のように実在のものを差別したり誹謗中傷したりしない限り、RADWIMPSの「HINOMARU」も作品として世に出す権利があります。しかし、作品として世に出す以上作品に対して責任を持たねばなりませんし、当然正当な批評も受けなければなりません。言論も一緒で、批判を受けるとすぐ「言論弾圧」と言い始める人が少なくありませんが、不特定多数に向けて発信している以上、当然批判を受けることもあり得るとわかっていなければなりません。
言論の自由や表現の自由は、その言論や表現に責任を持って初めて成り立つものです。当然このブログの記事も批判の対象になりうるわけです。つまり私は自重しませんのでご安心ください(笑)。
今夜はこのあたりで失礼いたします。