by 常磐在来線主義者
皆様、またまたお久しぶりでございます。そして明けましておめでとうございます。タイトルの通り今年初日記でございますので(汗)
さて、今日はカッコ内のカテゴリにあります通りNAZENいわきのことを書きます。
11日にNAZENいわき結成からちょうど365日目となり、「NAZENいわき結成1周年のつどい」を開きました。参加者は10人ちょっとでしたが、この1年間の取り組みをしっかりと振り返ることができました。交流会では参加して下さった「いわき駅前アクション」常連の方が、NAZEN事務局長の方の学生時代の取り組みを聞いて「日本の学生はおとなしすぎると思っていたけれど、これを聞いて感動した」というやり取りもあり、非常に盛り上がりました。
今回はこの1周年のつどいの基調提起と1周年宣言をここに転載します。というのもこれらの文責は僕自身にあるためです(爆)。なので自己責任でもってここに掲載します。
NAZEN1周年集会基調提起
2014年1月12日、私たちは「全ての原発今すぐなくそう!」の声を、福島第一、福島第二原発いずれからも30キロ圏内の地域を抱えるいわき市から挙げるべく、NAZENいわきを結成しました。
原発事故当初18歳未満だった福島の子どもたちの中に、結成直前の2013年12月時点で74人、2014年12月時点では108人もの甲状腺がん患者が出ています。しかも1巡目の検査では「異常なし」とされ、2次検査が必要ないと判定された子ども4人が甲状腺がんまたはその疑いがあると言う状態になってしまいました。これは明らかに原発事故との関連を疑うべき事態です。
被曝は子どもだけの問題ではありません。福島第一原発の収束作業に従事する労働者や除染労働者は日々高線量のもとで被曝労働を強いられています。それなのに、彼らに対して支払われるべき危険手当は下請け構造のもとでピンハネされ、除染労働の場合は十分な保護具も支給されないまま作業にあたる場合すらあります。そればかりか、放射性物質が今も福島第一原発から垂れ流されている以上、福島県やいわき市のあらゆる職場で知らず知らずのうちに「被曝労働」をしているかもしれない事態になっているのです。
これらの現実があるにもかかわらず、安倍政権は甲状腺がんの多発と原発事故との因果関係を認めず、原発・除染労働者の現状も顧みないで、九州電力川内原発、関西電力高浜原発など全国の原発を再稼働させ、輸出までしようとしています。それだけでなく、「3.11」以来未だ収束していない福島第一原発の現実にも背を向けて常磐線や国道6号線、常磐自動車道を次々に開通させ、小手先の除染で双葉郡の町村に住民を帰還させようとしています。山林の除染は手付かずで、風が吹けば原発からも山からも放射性物質が漂う状態なのに、地元自治体の長たちも国の意向に従って「帰町宣言」を出そうとしています。
その双葉郡には「中間貯蔵施設」という名の最終処分場を、石原伸晃元環境大臣の発言に示されるように「金目」で建設しようともしています。原発事故や被曝による健康被害を「無かったこと」にしようとし、「復興」を楯にとって福島を、浜通りを、そしてこのいわきを現在進行形で切り捨てています。それに加えて「汚染水はアンダーコントロールだ」とうそぶいて東京五輪開催の開催に血眼になり、「慰安婦問題」をはじめとした戦争犯罪をも居直りながら集団的自衛権の行使容認にも踏み切りました。まさに戦争政策と原発政策そして「棄民政策」とが一体として行われています。
これらに対し、私たちNAZENいわきはいわき合同ユニオンや動労水戸などのたたかう労働組合と連帯し、ささやかではあるが力いっぱいたたかってきました。2014年2月にはいわきで初めてのふくしま共同診療所報告会を行い、同月には「2.23怒りのいわき行動」に出ました。5月には常磐線の竜田延伸に反対し、「5.31総決起集会」を貫徹しました。10月にも2度目の診療所報告会を開催しました。福島県内外の運動とも連帯し、3.11反原発郡山集会、6.8国鉄集会、8.17安倍打倒日比谷集会、9.11郡山工場外注化反対闘争、そして11.2労働者総決起集会にも取り組みました。労働運動と反原発運動を一体のものとして取り組んで参りました。
これらと並行して、私たちは地域住民や双葉郡からいわき市の仮設住宅に避難している人々とのつながりを作っていきました。毎週金曜日に脱原発を訴えるいわき駅前アクションに継続して連帯し、参加しているいわき市民と意見交換をし合っています。また、集会のビラを仮設住宅に配布する過程で我々の運動に共感を寄せる楢葉町からの避難者ともつながりを形成できました。
この1年間の運動は全国のNAZENやたたかう労働組合はもちろんのこと、我々を一番近くで支えるいわき合同ユニオンや動労水戸、そして何よりいわき市民や双葉郡各町村民の存在があってのことです。だから我々は、今後も原発や被曝労働、そして健康被害の問題を常に喚起し続け、より地域に根差した反原発運動をこれからも展開しなければならないと考えます。現実には原発事故のことを忘れ去ってしまった人も福島やいわきの中にいます。一方で「何とかしなければならない」という思いを持ちながら声を挙げられないでいる人もまた多いです。しかし原発事故とそれによる被曝という事実が変わらない以上、住民の感情は複雑多岐といえどもその根底にある「怒り」にこそ、私たちは寄り添っていかねばなりません。
2015年、私たちは何をしなければならないか。皆で真剣に考え、議論し、共に団結して闘いましょう。
NAZENいわき結成1周年宣言
1.
2015年、震災と原発事故から4年目を迎える中、福島県にとってもいわき市にとってもますます厳しい情勢が訪れようとしています。チェルノブイリの事例が示すように、甲状腺がんの多発はこれから爆発的に増えようとしています。しかし、政府も福島県当局も子どもの甲状腺がんと原発事故との因果関係を認めず、「風評被害」の一言で片付けようとしています。この未曽有の事態に対応できるのは、一人ひとりの患者と向き合う医療を貫くふくしま共同診療所しかありません。私たちNAZENいわきはふくしま共同診療所をさらに大きくして、ここを拠点に「避難・保養・医療」を推し進め、いわき市にも建設することを目指します。
2.
福島第一原発での事故は未だ収束していません。原発から海や大気に放出され続ける放射性物質によって原発労働者や除染労働者だけでなく、私たち自身が「被曝労働」を知らず知らずのうちにしている事態になっています。私たちNAZENいわきはあらゆる「被曝労働」に反対し、被曝労働が疑われる案件についてはいわき合同ユニオンや動労水戸などのたたかう労組と一体となってこれを阻止します。
3.
国が建設を目論んでいる「中間貯蔵施設」は実質的な「最終処分場」たるものです。それは全国の原発を再稼働させ、それらから出た廃棄物を福島に集中させることを意味します。私たちNAZENいわきは福島を核のゴミ捨て場にする「中間貯蔵施設」の建設を阻止します。
4.
政府が進める「帰還政策」は「中間貯蔵施設」建設と一体の攻撃であるとともに、福島第一原発の廃炉も実現せず、山林の除染もしていない以上、住民に被曝を強いようとするものです。私たちNAZENいわきは「帰還政策」と「帰町宣言」を絶対に許しません。ここにおいて双葉郡各町村からの避難者の声に真摯に耳を傾けるとともに、その声を国や各町村当局に届けていく取り組みも行います。
5.
これらの課題に全力で取り組み、全原発廃炉と安倍政権打倒をもってこの社会を根底から変える力の一翼を担うことをここに宣言します。
皆様、本年もNAZENいわきと私、常磐在来線主義者をよろしくお願い致しますm(__)m
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