まだ、世界は捨てたもんじゃない
コンゴ民主共和国の首都キンシャサに住むストリートミュージシャン「ベンダ・ビリリ(内面を見よ)」を2004年から5年間にわたって追いかけたドキュメンタリー。
このバンドのメンバーたちは、ポリオのため下半身不随で車イスだ。動物園の芝生に段ボールを敷いて路上生活をしており、街のレストランの入口で演奏を聞かせてはお金を稼いでいた。ある日、彼らは珍しい楽器を演奏する路上生活の少年ロジェと出会い、メンバーに迎え入れるのだが……。
人権などなく、人々は自分の力で生きていかねばならないタフな世界。そのさらに底辺で暮らす彼らだが、常にポジティブさを失わない。歌う詞の内容は辛い現実だが、サウンドは明るく人々を楽しませようとする心意気がある。その強い精神力や生き様はもちろん、音楽的な完成度が注目されてチャンスを掴み、アルバムを出してヨーロッパツアーまで行ってしまう。
キンシャサでの凱旋上映の際、ストリートの人々はスタッフ・ベンダ・ビリリの成功、とくにヨーロッパ行きを自分のことのようにして喜んだ。ラストを飾る初の海外公演の場面では胸が熱くなること間違いなし。
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