by 中野由紀子
TBSの「水曜劇場・橋田壽賀子ドラマ となりの芝生」がおもしろい。
http://www.tbs.co.jp/tonarino09/
今週で三話目の放送が終わった。
「となりの芝生」は、1976年のNHKが最初の放送で、二度目は1989年の昼ドラで、今回は原作から33年の三度目のリメイク。
「となりの芝生は青く見える」なんてよく言うけど、そこからきてるんでしょうね。
幸せそうに見える‘ よそさま ’の家庭も、実はいろんな問題を抱えているということですね。
キャストはこんなふう・・・
◆NHK版(1976年)
(嫁) * 高平知子:山本陽子
* 高平 要(知子の夫):前田吟
(実家母) * 秋野波江(知子の母):赤木春恵
(姑) * 高平志乃(知子の義母):沢村貞子
◆TBS(1989年愛の劇場版)
(嫁) * 高平知子:長山藍子
* 高平 要:前田吟
(実家母) * 秋野波江:いまむらいづみ
(姑) * 高平志乃:赤木春恵
◆TBS版(2009年)
(嫁) * 高平知子:瀬戸朝香
* 高平 要:大倉孝二
(実家母) * 秋野波江:茅島成美
(姑) * 高平志乃:泉ピン子
■初代実家母の赤木春恵が二作目では姑になっとる。ひー
で、2009年版の嫁役・瀬戸朝香は、料理中の菜ばしの持ち方がものすごく変なので直してほしいところだが、早口であんまり上手くない演技が、今風の嫁って感じでかえっていいかも。
姑・泉ピン子が、大阪で同居してた長男の嫁とけんかして、家を建てたばかりの次男の家に勝手に同居するために上京してくる。ほんの2、3日遊びに来たんだろうとばかり思ってたら、ピン子の荷物がどーーーん!と送られてくる。 あれよあれよという間に同居せざるをえなくなるのだった。
夫の要(かなめ)は最初こそ困るんだけど、やっぱり母親に対する愛情もあるから、どうしても嫁にお願いする。母さんを立ててやってくれないか的方向によろしくと。
朝香は、全部きっちりじゃないけども、家事も育児も今まで自分のやり方で頑張ってきた。夫と二人の子供とそれなりにやってきた。
そこに、ピン子が急にどーーーん!!だからなあ。
頑張って合わせるようにして、多少のわがままも聞いて「差し上げる」。(橋田ドラマは目上のみなさんへの敬語に厳しい)ピン子がお茶の師範の免許を持ってるもんで「教室」をやりたいと言うのを許すのだが、自宅で「教室」をするんだから大変だ。
リビングの家具を、全部、外に運んでお茶の道具を並べる。お茶には和菓子が必要だ。ピン子は看板作っちゃうし。それがまた高い。家を建てたばっかりでローンがあるのにそういうのを全部、朝香が工面してたら生活費が困るに決まってるわけだ。
姑用のたんすを、デパートに勤める妹に社員割引でよろしくと頼んだり。夫に話してみるが、けんかになるだけ。
まあ、夫も外で仕事してるんだから疲れてるんですよねえ。朝香としては、実家の母だけが避難場所なんだけど、母も同居してる自分の長男の嫁の手前、あんまり助けるのも甘えられるのも困ったりするわけだ。
あなたの帰る場所は自分たちが努力して建てたあの「家」じゃない?とか言われる。ごもっとも!ピン子が来るまではね。
夫婦以外の他人と暮らすということはそういうことなんですねえ。
そんな煮詰まってる時に、夫が、「今夜、同僚五人ほど連れてくる」って。
朝香は疲れていた。
今は接待してるお金の余裕もない、お母さんのことで参ってると伝える。
夫は「もう約束しちゃったんだから頼むよ!」となる。
新しい家も、きれいな奥さんも同僚に自慢したいのだろう。
夜、夫、同僚引き連れて来たー!
朝香、断ってくれたものと思いなんの準備もしてないし、もう疲れてるからやれない。
つーか、「断れよ!こんな時くらい」な気分で怒りがこみ上げる。笑えない。
ババア、じゃなかったピン子が、
「あなた、夫(うちの息子)を何だと思ってるの!?会社のお仲間が見えたのになんの準備もしてないなんて!おなたは要(うちの息子)のおかげで食べさせてもらって生活できてるんでしょ?要(うちの息子)がかわいそすぎるわ!ギャオー!」となる。
田舎料理だがあるものでささっとこしらえて出すと、同僚たちが「なつかしいなー、母の作った○×を思い出すよ」とか、「うちの奥さんじゃ、(白和えの)調味料の具合いができやしない」とか勝手なことを抜かすわけですよ。
意外に好評なピン子の田舎料理。ますますいい感じになっちゃったピン子は朝香につらくあたるのだった。
一方、夫は「母さんのおかげでもてなすことができたんだぞ?それなのにお前はなんだ!」と、とうとう平手が出たー!
大ゲンカになってしまい、ピン子が出てきてこう言った。
「子供たちが見てるじゃないの、お願いだから今日は私に免じて、ね?ね?」
私に免じてだとー?
それもこれもみんな・・・( ← これは私の心の中です。みなまで言うまいよ)
『おなたは要(うちの息子)のおかげで食べさせてもらって生活できてるんでしょ?』
ってのは聞き捨てならない感じだ。会社に安心して行けるように毎日の買い物や料理、洗濯、掃除、家計のやりくり、子供のこと、PTAに銀行や郵便局、こまごまこまごまを一手に引き受けてる朝香(いーや、全国の主婦の皆さん)の努力も大変なものだ。むしろ仕事に出てる方が楽なんじゃないか?
ハー、三話目まででもうこんなに疲れちゃったよ、ドラマ見てるだけなのに。来週はどうなるんでしょうか。見てない方は今からでも大丈夫ですからね。19日の土用の丑の日にはうなぎを食べて、第四話「となりの芝生」に臨みましょう。
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