by 中野由紀子
あ~あ、清志郎さんのライブがないからつまらない。
これからずっとね。
「曲は残るから寂しくない」とか言う人、マジですか!
探したってどこにもいないのにさ。
新曲が聴きたいのにさー。
ヽ( ̄_ ̄ ) (  ̄_ ̄)ノ
「おっぱいも十分にあげる時間がなかった。悪いことしたと思ってる。普通のお母さんがしたくてもできなかった」
70をとうに超えた女親の電話口の声は震えていました。
この人は厳しい父親におびえて育ちました。
「おじいさん(自分の父親のこと)が死んだ日の夜、俺は遠い医者まで泣きながら走って薬をもらいに行ったよ。18だったかなー。真っ暗で、おっかなくて、不安で、悲しくて悲しくて」
ボケた男親は子供のように泣くのでした。
この人は権力者の父親に甘やかされたお坊ちゃまでした。
みんないろんな事情が重なって、思いもよらずにつらい人生でした。
みんなそうしたくてなってるひとはないものねえ。
「親子の関係のなかでたったひとつだけでいい。キラキラしたものを探してみなさい。頭痛が起きたらやめること」
医者は私にそう言いました。
ああ、ぜんぜん見つからない。焦る、焦る。覚えていない!
頭痛がする。
何日もかけて、記憶をたどってたどって、やっと見つけた。
もう二度と行かない「みよし」の前のボロ借家。
私の小学校入学が近いある夜の、ふたりの姿をぼんやりと思い出した。
夜半に目覚めて、薄い布団の中から見た。
お道具箱の中の小さな花おはじきに、「ゆきこ」とひらがなで書いた小さな紙をひとつずつ貼ってるふたりを。
どんな親でもどんな家庭でも、私はあの夜、ちゃんと愛されていたのです。
ひとつあればいいやねえ。
おかあさん、おとうさん、もういいのさ。
さようなら、さようなら。
Mama don’t go, Daddy come home.
おかあさん行かないで、 おとうさん戻ってきて。
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