by 中野由紀子
去る5月20日、東京高裁で三里塚現地闘争の裁判がありました。
そこで、不当判決と前代未聞の50名大量逮捕という大弾圧が強行されました。
22日夜に、反対同盟8人と支援(いわゆる普通の人も含め)や農民、弁護士事務所の職員など、あわせて12人が解放されました。
しかし、残る38名はいまだ不当に勾留され続けています。
この大弾圧は、ほとんどのマスコミできちんと報道されずにいるため、「逮捕者の中でも目立つ人(一部の党派)が「ハネて」捕まったんだろ?それじゃあ仕方ないねー。中核だしねー」みたいな雰囲気でみんなチーーーンとして無言みたいになっていますが、今回の大弾圧はそんなことではないのです!
暴れたわけでもなく、正当な抗議をした普通の人々に対しても逮捕が強行されたことが大問題なのです。無党派の私には、党派のことや歴史はくわしくはわかりませんし、わからなくとも三里塚を支援することはできます。
三里塚の集会やデモはあらゆる運動の原点であると言っていいほどの歴史があります。農民が勝手に国から土地を奪われ、追い出され、そんなおかしなことがあっていいのか!という当たり前の人間の怒りを発端に、運動なんかなんにもわからない農民自身が一から闘いを始めたわけです。
党派や活動家がどうしたとかいう話でなく、自分の生活を守りたい(いわゆる)普通の農民が立ち上がったということですね。
誰のためでもなく、自分たちで考えて抗議行動を始めたわけですから、これこそ基本ですよね。そこが「あらゆる運動の原点」と言われるゆえんなのでしょう。
さて、当日の大量逮捕の様子をしっかり見ていた方々の証言を見てみます。
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●「市東さんの農地取り上げに反対する会」のブログより一部、抜粋。
弁護団は直ちに上告して、仮執行の執行停止を求めました。
ところが裁判官はなかなか会おうとしません。
傍聴者は、廊下や控え室で結果報告を聴くために待ちます。
夕方5時を過ぎた段階で、職員が「退去するように」言ってきました。
「状況を説明してくれたらみんな出るから」-そう言うと、職員の1人が中に引っ込みました。
そしたら、機動隊がワサワサ。
その場にいた人がみんな、裁判所内で逮捕されたんです。
控え室にいた90歳のおじいちゃんたちも、市東さんも、逮捕されました。
井村代表も、私服刑事2人にサンドイッチされ、いったん逮捕されそうになりました。
トイレに行き、戻ったところで、ちょうど弁護団が来て、連れて行かれなかったのです。
何人かの人が、間一髪のところで弁護団に取り戻されました。
井村代表を逮捕しようとするなんて!(※井村さんはご高齢の女性です)
控え室で、ボスが戻ってくるのを待っていた弁護士事務所の職員までもが逮捕されました。
裁判所は、自ら、三権分立を投げ捨てたとしか言いようがありません。
(※印)は私の追記です。
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●「関実・三里塚」のブログより一部、抜粋。
今、東京地検前にいます。不当に逮捕された50人の皆さんはすでに地検に入り検察庁の取り調べに入っていると思われます。大半の人に勾留がつけられるかもしれないという報告が入りました。
20日の弾圧の様子を報告します。仮執行の停止を求める弁護団にたいして裁判長が2時間以上会おうとしないため、弁護士会館で待機していた私達は裁判所16階にある井上裁判長の属する高裁民事15部のまえに行きましが、そこにはすでに裁判所の職員やガードマン20人余りがスクラムを組み阻止線を作っていました。仕方なくその前の通路で三々五々に井上裁判長はでてこい、弁護士と話し合えなどと抗議を行っていたり、座り込んで休んでいたりしていました。そのうちに機動隊の部隊か、離れて配置につき、裁判所の職員が退去命令を何度か行い、どういう根拠からかなどとこちらも応酬。途中省略しますが、機動隊が突然、全員逮捕と叫んで襲いかかってきたのです。あとで弁護団にきくと弁護団の停止申し立てを却下する前に逮捕しないと大変な騒動になると全員逮捕という方針が出された模様で、逮捕騒ぎの最中に却下が強行された。その廊下では一人を3、4人が宙吊りにしてつぎつぎに逮捕し、さらに控え室におられた北原さんと山本先生を連行しさりました。最後に萩原さんと座り込んでいた人や車椅子の人、高齢者など13人も逮捕するとつれていかれようとしたのですが、ちょうど弁護士さんたちが裁判官との話し合いを終わってでてこられて合流しました。すると権力はしばらくして逮捕を退去に方針変更してきたのです。ここにも今回の大弾圧のいい加減さがあらわれています。おかげでこうやって報告できるのですが。
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●「農家便り」鈴木加代子さんのブログより一部、抜粋。
本当に逮捕される理由がない、弁護士連が裁判長からの返事待ちしていたのを待っていただけ。
90歳以上の高齢者が3人他も平均年齢高いぞという集団でぶつかる為にいた訳じゃない。
それを3倍以上の人数で押したのは、機動隊、公安、ガードマンの方
車椅子の障害者なども数名含む集団で、大半が日比谷公園で夕方からの裁判員制度反対の集会などに参加の為立ち去っていたし。
本当に異常な弾圧で、許す訳に行かない原発廃止などを含む国の政策に逆らう事も一言いう事もけして許されない戦時下のような状態になってきたようで、恐い。
だから、本気で戦うしかない。
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●「三里塚芝山連合空港反対同盟ブログ」より一部、抜粋。
5月20日、警視庁は、北原鉱治事務局長をはじめ反対同盟8人を含む数十名の仲間を逮捕するというとんでもない暴挙をおこないました。
本日の現闘本部裁判で、井上繁規裁判長は最高裁での確定を待たずに建物の破壊撤去を認める「仮執行宣言」つきの反動判決(控訴棄却)をおこないました。とんでもない判決に対して煮えたぎる怒りの声がわき上がる中、弁護団は仮執行に対する執行停止の申立を粘り強く闘いぬいていました。
この成り行きを見守っていた人々に対して、裁判所と警視庁が結託し、不当な逮捕、弾圧をおこなってきたのです。
「現闘本部の破壊撤去は許さない!」という反対同盟の不退転の決意と全国からの怒りの声の前に焦りにかられた権力の弾圧にほかなりません。
「公共」の名の下に、安全を無視して必要のない工事をおこなう成田空港建設の真の姿がここにあります。フクシマの怒りは成田の怒りです。
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●「銀座のマチ弁(弁護士遠藤きみのブログ)」から一部、抜粋。
荻原事務局次長からの説明のうち「仮執行の取り消しを申し入れるため、弁護士と一緒に裁判官へ面会を求めた」との部分は、正確には、判決言渡しの後、弁護士会館内での打合せが行われて、高裁の事件係の窓口で、上告状の提出と強制執行停止の申立書の提出をした後、高裁第15民事部に行って、代理人の弁護士さんたちが裁判長との面会を求め、その交渉が行われている間、反対同盟と支援者の皆さんは、廊下や控え室で待っていたということのようです。
上訴に伴う強制執行停止の申立てをした時点で、代理人が裁判官との面接を求めるというのは、ごく普通のことです(執行停止の決定を認める場合には、急ぎ供託の必要のある保証金の額も決めなければならないので、どの程度の額とするのが適当かの判断との関係で、裁判所としても、申立代理人との面会をしておく必要があります。)。
代理人が書記官室の窓口で、交渉していた間、その成行きがどうなるのか心配しながら、依頼者である反対同盟の皆さんや、支援の方々が、廊下や控え室で待っていたというのも、ごく普通のことで、裁判所が警視庁に連絡して大勢の警察官が来て、いきなり「不退去」の現行犯として50名全員を逮捕して、一人ずつ別の警察署に連行というのは、余りにもおかしな話です。
恐らく、こういう筋書きは、事前に計画されていたことで、反対同盟の皆さんと代理人の弁護士さん及び支援の皆さんは、空港会社、裁判所、警視庁が準備していた「罠」にアッサリ嵌ってしまったということなのでしょう。
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●「千恵子@詠む...」より一部、抜粋。
当日参加したひとの話では、傍聴希望者は140人いたとのこと。いまどきの中核派が平日の裁判所に、そんな大人数を集められるわけないじゃないの。
ツイッター情報では、「逮捕された50人の中には裁判所内の待合室で抗議行動が終わるのを待っていただけの人も。帰ろうとするのをエレベーターのところで邪魔して1時間半も拘束したあげくの逮捕。「不退去罪」というが、真逆」という発言もある。
少なくとも逮捕された50人全部が中核派じゃないだろうに。勝手に決めつけ=分断しないでよ。
わたしは中核派を支持するものではないが、嘘=デマゴギーは許せない。
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ではマスコミのかたよった報道の一部を。
●テレビ朝日5月21日
成田空港の用地に空港反対派が設けた小屋の撤去をめぐる裁判で、判決に抗議するために裁判所内に居座ったとして反対派の代表ら50人が現行犯逮捕されました。
警視庁によると、三里塚・芝山連合空港反対同盟の代表・北原鉱治容疑者(89)や中核派活動家ら50人は20日午後6時ごろ、東京高等裁判所の職員に建物から出るように警告されたにもかかわらず、居座った疑いが持たれています。東京高裁ではこの日、反対同盟が成田空港内に設けた小屋の撤去などを認める判決が出ていて、北原容疑者らは職員に対し、「裁判長に合わせろ」「不当判決だ」などと叫んでいたということです。
と、まあ、50人全員が中核派活動家だったみたいな報道です。これでは、見ていたわけではない人に真実は伝わらないわけです。中核が暴れたかー、ふ~ん、関わりたくないよねー。で終わっちゃう。
三里塚にはいろんな党派やノンセクトが集まるわけですが、昔はともかく、今現在は暴力などないのです。心にいろいろを持っていても、そこに集まったら、皆、ひとつの目的で精一杯やるだけです。自己満足で何かしたいのなら、もっと安全でおしゃれで目立つデモに行くと思いますよ。その方が楽しいもん。だから、党派がどうのヘルメットの色がどうのでなんでも決めてしまわずに、関心を持っていただけたらありがたいなと思います。
今こそ皆さんにお願いしたいこと。
三里塚に詳しくなくとも、真実を知っておいてほしいことと、党派に属さない「いわゆる普通の人々」が当然の権利で抗議したのに、あるいは待合室で待ってただけで逮捕される世の中になっているんだということを頭に置いてほしいということです。
大震災後からの日本じゅうで起きてる不当弾圧、不当逮捕は70日間で88名にも及ぶとのことです。なんにも悪いことしてないのにあっという間に連れていかれちゃって、10日以上も帰されず、心身ともに痛めつけられて、職場や住まいや大事な生活を破壊されるわけです。
会社勤めの人はやっと見つけた仕事であってもクビになったり、アパートを追い出されたりします。農民は畑の世話ができなくなるし、子供がいる人、自宅で病人や高齢者を介護してる人は誰に替わってもらうのでしょうか。そうやって苦しめるのが目的なんですからひどいものです。
明日はわが身だと思って、どうか皆さん、この大弾圧を今後も引き続き注視してくださいますようお願いします。そして、いろんなところで広めてください。また、この不景気に心苦しいのですが、残りの38名のための支援やカンパをお願いしたいのと、三里塚に関わっておられた大先輩方にも、今後の集会やデモに来ていただきまして、ぜひ、お知恵とお力をお貸しいただきたく重ねてお願い申し上げます。
◆カンパの口座が決まりました。
皆さま、ご無理のない程度にご協力をお願い申し上げます。
郵便振替 00130-0-562987
三里塚芝山連合空港反対同盟
※「520カンパ」と明記して下さい
最近はあちこちで普通にデモが行われていますし、福島原発以来、運動には無縁だった若者やお母さん方や年配の皆さん、子どもさんまでが自由に参加されるようになりました。いいことですよね。
しかし、弾圧の形もより卑怯なものへと変わってきています。これを機会に、新しくなった「救援ノート」をしっかりと読み、日ごろから話し合っておくことも大事かと思います。
あっちがそう来るなら、こっちも絶対に捕まらない!という心構えも必要かなと。「捕まらないで闘い続けること」が重要になってくるかと考えています。「弾圧による生活破壊」を簡単に考えてはいけないなとも思いました。
どんなに運が悪くてもあんなダサい服装のやつらにだけは絶対 捕まらないぜ!!と清志郎さんも歌っていますしね。
目をつけられたのか、大きなデモのある日には、決まって我が家の管轄の○○○警察署のかたがおいでになるらしく、「周りを巡回しましたが異常ありませんでした」とか書いたピーポくんのイラスト入りメモを、これみよがしにうちのポストに入れていく。「見てるからな」ってか。
とっても迷惑。
そんなに心配してくれなくていいよ。私なんかもう善良な市民ですから、自転車の右折もちゃんと一旦降りて、二段階で直角に曲がりますからねw
◆RC SUCCESSSION ブン・ブン・ブン
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