投稿者: 司 宮二
(以下、旧「お知らせ」コーナーへの読者からの投稿をそのまま掲載します)
この7月8日、「出入国管理及び難民認定法(入管法)」「日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(出入国管理特例法)」「住民基本台帳法(住基法)」の改定案が可決されました。
その内容は、「在日外国人」のカテゴリーを
(1)「在日コリアン」など「特別永住者」(旧植民地出身者とその子孫)
⇒「特別永住者証明書」を交付
(2)短期滞在者や「特別永住者」を除く「中長期在留者」
⇒「在留カード」を交付
(3)「オーバーステイ」など「非正規滞在者」
⇒「在留カード」を交付しない
の3つに分けて管理するというものです。
問題なのは「中長期在留者」の場合、「在留カード」の常時携帯や居住地を変更した際の届出を怠れば刑事罰を科すということです。外国人を権利主体と認めず、管理する対象としているのです。また、当事者である外国人の意見を聴取するということも行なわれてきませんでした。
「特別永住者」に交付する「特別永住者証明書」や「中長期在留者」に交付する「在留カード」と住民基本台帳ネットワークとが繋がれて、法務省、警察、財務省のデータベースと共用されることも大きな問題です。
条文には書かれていませんが、高速道路のETCのように「入国審査を自動化することができる」、「入国審査場で並ばずに済む」という謳い文句で、日本人に対しても希望者の指紋の登録を可能にするという動きもあるようです。
しかしこれは個人情報がどのように、どこまで管理されるのかが明らかにされていないということです。国による際限のない個人情報の管理、すなわち個人情報の侵害ということではないのでしょうか?
更には、日本社会で貧困と格差が拡大している現状を反映して、日本の人間も含めて治安を管理する上での監視対象にしようとしているのではないでしょうか?
さらに「アクセンチュア」というバミューダに本社を置く米国系のコンサルティング会社に、その管理システムが「丸投げ」されているというのも不気味です。アメリカの軍事目的の通信傍受システム「エシュロン」の問題と併せて考えると、アメリカの国家情報戦略の一貫ではないかという疑いすら抱いてしまいます。
私たちは、国家による個人情報の管理(=侵害)や戦略なるものに絡め取られることを望んではいません。外国人を管理する対象とするのではなく、共に生きる仲間とする社会の実現をこそ願うものです。
下記の要領で「入管法問題を考える会(仮称)」の学習会を開催します。よろしく御参加下さい。
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入管法問題を考える会(仮称)学習会
■日時:2009年7月23日(木)午後6時30分より
■場所:ひろしま市民活動ネットワークHEART to HEART
(県民文化センター西隣、アニメイト向かいのビルの2階)
〒730-0051
広島市中区大手町1-5-31
TEL:082-299-5182
FAX:082-299-5181
■講師:益田浩司さん(行政書士)
■資料代:500円
■主催:入管法問題を考える会(仮称)
↓以下は入管法改悪問題の関連サイトです。
改正入管法が成立 在留カード交付、3年以内に施行(朝日新聞 2009年7月8日)
http://www.asahi.com/politics/update/0708/TKY200907080106.html
入国管理局のホームページより
最近の法改正 出入国管理及び難民認定法及び外国人登録法
http://www.immi-moj.go.jp/hourei/kaisei.html
知らなかったではすまされない!入管法改正案のすごい内容
http://www.jimbo.tv/videonews/000262.php
保坂展人のどこどこ日記
「改正入管法」に隠れている外国人総背番号制度(2009年05月12日)
http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/9ebd4165986591aa80933766e8ad3738
同
改定入管法・入管特例法が衆院法務委採決の危機(2009年05月25日)
http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/0dd350fa268996b80046eaf72849c681
築地書館ホームページより
大量監視社会誰が情報を司るのか 山本節子[著]
http://www.tsukiji-shokan.co.jp/mokuroku/ISBN978-4-8067-1361-6.html
情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)
顔写真・指紋データ収集法,運用システムも米国会社が独占!
http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/fa77f03ea29b10803df1b8ad1f86db24
『入管法の改定案に反対するキリスト教会共同声明』
http://www.ksyc.jp/gaikikyou/200905kyoukai-seimei.pdf
移住労働者と連帯する全国ネットワーク
「在留カードに異議あり!」NGO実行委員会による
入管法・入管特例法・住基法衆議院可決にたいする抗議声明(2009.6.22)
http://www.repacp.org/aacp/Statement.php?d=20090622
↓かつて「グローバリゼーションを問う広島ネットワーク」のグローバリゼーション講座でも取り上げたことがありました。
=第3回グローバリゼーション講座=
「移住労働者(外国人労働者)の現状と私たちの課題」
~足元の現実から学び多文化共生社会を~
http://www.geocities.jp/hg_net2003/ijuu-roudou.html
=第7回グローバリゼーション講座=
「外国籍住民に対する人権保障の現状」-多民族・多文化共生社会をめざして-
http://www.geocities.jp/hg_net2003/foreigner.html
=第9回グローバリゼーション講座=
広島県在住外国人の労働と生活
http://www.geocities.jp/hg_net2003/foreigner0703.html
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