10・10三里塚(成田)現地闘争報告(その2)ー現地の情勢など

 前回のエントリーの続きです。今回は集会の直前までを書くつもりでいましたが、先日から風邪をひいたのか熱があり、頭痛もするのですが、会社の都合で仕事を休めず、薬でごまかしながら出勤しております。それで申し訳ないのですが、今日もちょっと途中までの書きかけ原稿をそのままアップします。元気になって休みがとれてからと思いましたが、それでは間がすごくあいてしまいそうなのでご容赦ください。コメントいただいても当分は放置プレイになります・・・ってそれは元気な時でもそうか(笑

◆監視ヤグラからの光景

三里塚・監視ヤグラ(市東さん自宅)からの風景

 さて、監視ヤグラの上から見た光景を前回に引き続き掲載しますが、この写真にある県道を、公安私服刑事の車両や、機動隊の車両が頻繁に通ります。まあ、この日は翌日に全国集会が予定されていることがあって、大量に動員されているという事情もあるのでしょう。公安私服の車両などは、普段でもボーッとしている(笑)私なんぞは、そのまんま見過ごしてしまいますが、中核の学生さんは的確に指摘して私に教えてくださいました。また、写真左の変電所の敷地内から、あるいは県道のど真ん中に車を停車させるなどして、しきりと望遠鏡や双眼鏡でこちらを長時間のぞきこむ公安私服の姿が確認できました。中核の学生さんには「新しい顔が見えるんで気にしているんだね」と笑われました。中核の新人か、それとも幹部でも来ているのかとか思われたのでしょうか。実はこんなヘタレの一般人ですみません(笑)。

三里塚・県道付け替え工事現場(上)と機動隊宿舎入り口(下) やがて午前中のうちに、雨足も強まって、まさにどしゃ降りの状態になってきました。ところがこんなひどい雨の中でも、空港会社の工事現場でユンボが動いているのが見えます。うひー!工事の人かわいそうに。土木工事でこの大雨なら普通中止だろ。事故とかおこして怪我人が出てもしらないぞ。途中でヤグラからは見えない工事現場にも見回りにいきましたが、初老のガードマンがカッパを着て大雨の中でたちつくしていました。彼もまさかこんな天候で工事を強行するとは思わなかったろうな。

 右の写真の緑色のシートで覆われた向こう側で付け替え用のバイパスを造成しています。この緑の覆いは数日前に突然にかけられたものだそうで、それまでは普通の金網だったそうです。工事現場を見えないようにしているようです。まあ、隙間からのぞけば普通に見えますし、あんまり意味のない行為だと思われます。それでも工事の進捗具合がちゃんと見通せないのは多少イライラしますので、嫌がらせ程度の意味はあるのかな。

 その下にあります機動隊が立ち番をしている写真は、工事現場のすぐ隣にある、機動隊の宿舎と指令本部だそうです。実はこの機動隊諸君の宿舎も、第3の誘導路の敷地にかかっていて、空港の反対側に移転を余儀なくされているとか。反対運動とかすればいいのにね(笑)。まあ、機動隊の宿舎は土地から福利厚生まで、空港会社が丸抱えで面倒見ているという、警察機構の中ではきわめて特殊な「民間会社の用心棒」みたいな組織ですから、そのあたりは文句ないんでしょうけど。

◆現在の現地攻防は、県道封鎖・付け替え工事が焦点化している

地図(航空写真) さて、さきほどから「工事」を連発していますが、空港会社はいったい何をこんな無茶な突貫工事をしているのかと言いますと、暫定滑走路の3本目の誘導路建設にあたり、県道の付け替え(バイパス)工事をしているのですね。計画では誘導路は団結街道と県道を横切り、変電所のある場所を通って空港本体までつなげることになっています。これによって農道として使ってきた団結街道を押しつぶし、市東さんの自宅と畑の間は誘導路で完全に隔離されてしまいます。さらには市東さんの畑、自宅、それに現闘本部は空港の敷地内部に取り込まれて外部から切断され、市東さんは生活のすべてにわたって周囲を巨大な飛行機が行きかう騒音と危険な環境の中で生活させられることになります。

 空港会社は市東さんの農地などについては強奪して暴力で叩き出す腹のようです。そのために誘導路工事を口実に貴重な生活道路である団結街道を、法をも無視して一方的に閉鎖すると共に、工事とは何の関係もない市東さんの畑を、なんと市東さんの留守の日を狙ってフェンスで四方を封鎖してしまうという非人間的なだまし討ちまでやりました(トラクターが入る程度の小さな出入り口だけあけてある)。一方で、県道については、誘導路の下をトンネルにしてそこを通すという計画のようです。そのトンネル化工事の間、県道を封鎖することになるわけですが、その工事期間の間、車両を通すための仮設のバイパスを作る工事をしている段階なのです。

 空港会社の立場から見てさえ、まだまだその必要もないのに団結街道が閉鎖されてしまったため、市東さんは自宅と目と鼻の先に見えている自分の畑に行くために、この県道を大量の車が行きかう中でトラクターを転がし、日に何度も長時間をかけて往復しなけばいけないという非道な扱いを受けています。この上不必要な3本目の誘導路のために、その県道まで封鎖されて、さらに大回りを強いられるバイパス付け替えは看過できません。市東さんは空港会社が空港のフェンスの向こうで工事をすることは静観されてきました。それを「攻撃」するというよりも、もし県道の付け替え工事などで、この上まだ自分の「生活そのもの」を向こうのほうから理不尽きわまりない勝手な理由で攻撃してくるのであれば、その時には看過せず、断固として「防衛」するという決意を語っておられるということでした。

 三里塚闘争の原点を地で行く、それがゆえに市東さんや三里塚農民だけの問題にとどまらず、国家や「国策」のあり方を問う普遍性をもった市東さんの決意だと思います。この市東さんの決意を受け、これを孤立させてはいけないと、今、三里塚の現地では、県道の封鎖・付け替えの阻止が、大きな焦点となっているのです。

今日はとりあえずここまでとします。中途半端ですみません。ゴメンネ゚+.((人д`o)(o´д人))゚+.ゴメンネ

その3へ続く

ここまで読んでいただいてありがとうございます!

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