高校無償化からの朝鮮学校排除の問題について

善意はわからんでもないけど四トロ掲示板三次会への投稿を加筆修正して掲載→原文こちら
投稿者:草加耕助 投稿日:2010年12月 6日(月)22時20分0秒

パルタさんへのお返事です。

パルタさんが善意であることはわかります。ですが、今回の「無償化除外」は、パルタさんが考えておられるような「教育方針」や「教育内容」が理由ではなく、北朝鮮の「拉致事件」と「砲撃事件」が理由だと説明されています。そして、無償化に反対するような一般的世論も、それが理由だと思っているのではないか。
私はこのような理由による無償化除外には反対です。「無償化賛成」というよりは「無償化除外反対」ということです。こういう「世論」を後押しするのは非常に危険だと思うからです。

第一に、憲法が保障する法の下の平等は外国人にも保障される人権です。他の外国人学校の生徒は無差別に無償化措置が行われるのに、朝鮮学校の生徒だけに不利益を課すのは差別です。他の外国人と朝鮮人で異なった扱いをすることを正当化するためには、議論の余地がないくらい強力で合理的な理由が必要です。その理由が「北朝鮮の対外政策」ということでいいのでしょうか?

たとえば私は日本人ですが、もし外国に住んで、「日本政府の政策」を理由として法的な不利益を課されたら、やはりそれは不当な差別だと感じると思うのです。日本人だからといって、日本政府の政策についての責任を個別にとりきれるものではありません。やはりそれは「たまたま日本人に生まれた」という、本人の責任ではないことを理由とした(人種・国籍による)差別です。

第二に、今のままの理由で無償化除外が行われた場合、在日朝鮮人のみならず国際世論、さらには北朝鮮民衆に、誤ったメッセージを送るのではないかと危惧しています。おそらく、朝鮮学校の子供たちは、自分たちが日本政府から、ひいては日本国民から、侮辱され、差別され、肩身の狭い思いをさせられていると感じているのではないでしょうか。国連の人種差別撤廃条約の審査において、無償化除外が人種差別であるという勧告を受けたのはその流れです。

本来、北朝鮮との「対決」は、朝鮮民衆と連帯してその人権を守る闘いであり、であるからこそ、日本一国にとどまらず、世界中の人々から(そして在日朝鮮・韓国民衆からも)支持されることが可能な普遍的な正義性を獲得できるのです。
思えばイラク戦争のブッシュ-ブレア-小泉でさえ、それがいくら欺瞞的だと言っても、一応は「フセインは敵だがイラクの民衆は敵ではなく友人だ」と繰り返し語っていました。それに比べても民主党政権はせめて「君たちを不当に扱ったり差別したりする目的ではないんだ」「金正日は敵だが朝鮮学校の生徒たちは大切な社会の一員だ」「決して民族教育の権利を否定しているのではない」くらいの、不安にかられ、自尊心を傷つけられた子供たちの気持ちを慮った一言が言えないのか。民主党だけではなく、朝鮮学校無償化に反対する論者は、そのことにふれるさいには必ずこのことを何度でもしつこいくらいに繰り返し言わないと、現在の日本の社会状況においては、非常に残酷な役割を果たすことになるでしょう。

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もし、パルタさんのような善意の人から、「無償化はしたいので、北朝鮮や総連と手を切ってくれ」と言われたら、30年前ならともかく、今の朝鮮学校の先生や生徒、父兄の多くは(口ではともかく)本心では「う~ん・・・」と唸ると思うのね。それができたら苦労はないよと心の中で思うでしょう。ですが、上に書いたような理由で無償化を拒否(差別)されるような現状で、どうして自分たちの本国政府と手を切ってまで、日本社会や日本人の良心を信じてそこに飛び込んでいけるでしょうか?今の日本政府の態度で、そんな「賭け」ができますか?逆の立場で考えれば簡単にわかるはずです。こういう善意の人は、往々にしてそういう「正しい要求」を立場の弱い在日朝鮮人にいとも気軽に突きつけがちですが、彼らが「よしわかった!あなた方を信じましょう!」と命がけで決断したときに、その決断を日本社会が全体で受け止め、それによって北朝鮮を追い詰めていけるような社会をつくる努力を、並行して行っているのでしょうか?むしろ現状は差別派のほうにこそ加担してしまっているようにさえ思えます。

こういう態度では、朝鮮学校の師弟や父兄を、むしろ北朝鮮や総連のほうに追いやっている、もっと言えば北朝鮮の延命に手を貸している結果になっていると言ったら、言いすぎでしょうか?

なお、パルタさんの投稿では、「私立学校や外国人学校の無償化反対」(=それは「高校無償化政策」そのものへの反対を意味します)という主張と、「朝鮮学校だけを差別する(特別に不利益を課す)ことの是非」という二つの論点がごちゃまぜになっています。だから非常にわかりにくい。この二つの論点はまったく別のものです。

第一の論点である高校無償化に賛成するなら、原則としては無条件に朝鮮学校の子供にもそれが適用されるべきだし、反対するなら、朝鮮学校の話題を出すべきではありません。無用な誤解を生むだけです。
第二の論点である朝鮮学校の子供を除外することの是非については、基本は法の下の平等に反するのでできませんが、除外することがむしろ(在日朝鮮人をも含めた)全体の人権に資する、かつ、他に変わりうる別の手段がないことが明白であるなどの根拠があるのかどうか、そして本人には何の責任もないのに、全体の利益のために特別な不利益を課された朝鮮学校の子供たちに対する代替措置をどうするかなどの話になると思います。

ある右翼の方は、高校無償化で子供たちや父兄が得られたであろう利益(金額)を、朝鮮学校ではなく、子供たち(家庭)に直接補助金として支給するという案を出しておられました。その場合は各家庭で使い道は自由ということになりますね。確かにそれなら北朝鮮やそれにつながる総連(の幹部連中)は怒るでしょうが、もう差別とは言えないし、北朝鮮の人権侵害政策に抗議対抗するという趣旨が、朝鮮学校への差別よりもよりはっきりと打ち出せるかもしれません。総じて、差別者はともかく、善意の人々みんなが納得する案があるのなら、私はそれでもかまわないと思います。学校側が難色を示しても、最低限、生徒や父兄が納得する案があるのなら、みんなで智恵を出しあうのはいいことだと思います。

ですが、実際には今から法を改正して、差別にならない別の案を考えるのも困難が予想されます。このまま北朝鮮の政策を理由に、在日の子供たちを犠牲にして巻き込むのは法的にも道義的にも許されないと思うのです。対抗措置は北朝鮮政府本体に対して(のみ)行うべきだと思うし、それは「人権」を掲げた国際世論の喚起によって、ただの「日本と北朝鮮の喧嘩」や「民族的な憎悪」ではない、人類普遍の課題として堂々と行われるべきだと思う。

むしろこの点で日本政府は、とりわけ国際世論への働きかけ(人権外交)において、充分な努力をしていると言えるでしょうか。この点を置いておいて、いわば不支持にあえぐ民主党政権の「点数稼ぎ」のために、歪んだナショナリズムを煽り、一番ターゲットにしやすい弱い立場の人々を標的にすることは、全世界に対しても誤ったメッセージをしか発しないのではないか、現に国連の「人種差別である」という勧告が出てしまったではないか。これは今後、北朝鮮の問題を世界に訴えていく上でも、大きな失点にしかなりません。善意の人々の釈然としない気持ちはよくわかるのですが、それを理解した上でなお、いったん高校無償化法案が通ってしまった以上、それが生きている期間はへたな差別待遇はしないほうがいいと思っているのですが、いかがでしょうか?

以下、「四トロ同窓会三次会掲示板」より転載

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とにかく、悪くない人を困らせるな
投稿者:かめさん 投稿日:2010年11月25日(木)22時10分35秒

私は、朝鮮学校の応援はするが、北朝鮮政府の応援はしない。
どこか外国の政府に追随はしないが、しかし、在日外国人の人権については、一歩も引かない。

 また、漁民が犠牲になった。しばしば、漁民は紛争に巻き込まれやすい位置にいる。工場やオフィスは引っ越せるが、魚場は引っ越せない。延坪島はワタリガニが獲れる。グチ(イシモチ)が獲れる。
 何も悪いことしてない漁民を虐めるな。困らせるな。

 このことを「理由」に菅内閣は、朝鮮高校への無償化適用を止めると言い出した。
この砲撃事件で、朝鮮高校がなにか悪いことしたか!? してない!
 何も悪いことしてない朝高生を虐めるな。困らせるな。

 ちなみに既に、31校の外国人学校が無償化の対象になっている。その中には中華学校もある。漁船衝突事件で日中関係が悪化しても、「中華学校を無償化適用から外せ」とは誰も言わなかった〔いや、私はそう言って欲しいわけではない〕。このダブルスタンダードは何だろうか。説明つかないではないか。中国は大国でカネ持ってるけど、朝鮮は違うから…とでも言うのか?
 法的にいえば、すでに朝鮮学校が申請し、政府が法と規程に従って審査すれば、無償化法適用となるのはほぼ確実です。法律と規程はそういう条文になっています。これを止めるということは菅内閣が、「申請を受理しない」あるいは申請を受けても審査しない、という法律無視をやるということになる。
おいおい、北朝鮮は法治国家でないかもしれないが、日本は法治国家だぞ。日本の文科省は法律無視やっていいのか? いいわけない! いま、文科省への緊急申し入れを準備中。

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>朝鮮学校の応援はする
投稿者:イレギュラーず 投稿日:2010年11月25日(木)23時40分29秒

そのとおりです、かめさん。

無償化によって生徒に支給する「金」が、総連に流れる…とかなんとか、これまでも「ためにする」ように云われてきたが、そんなことをすれば、だれも学校に行かなくなってしまうのが道理。

そして、未来の日朝のルートを閉ざす気か?

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>朝鮮学校の応援はする(その2)
投稿者:イレギュラーず 投稿日:2010年11月26日(金)20時04分14秒

高校無償化。政府は、朝鮮学校からの申請がないから「無償化は見送る」…と言い訳している。「日本の政経検定教科書を使え」と。その教科書に基づいて一生懸命の学習を強制される朝鮮学校生、検定教科書はあるけれど単位さえとれればいいと大方が思う「日学生」。

そもそもは、民族教育を日本の公教育から排除してきた結果ではないか?民族教育は「特殊」なものなのか?日本でも普通学校にある「特別支援学級」(学区からだけ生徒が通う訳ではない)を特別視していますよね。

故金井君たちが、54義務化で問うたことはそういうことだった、ですよね。

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するどい突っ込み、ありがとうございますRe:
投稿者:かめさん 投稿日:2010年11月28日(日)18時34分56秒

イレギュラーずさんへのお返事です。

こういうツッコミがあるからこそ、議論のし甲斐(書き込み甲斐)があるってーもんだw

問題を勝手に整理すると、次のような問題にぶち当たる。
1.日本に朝鮮学校がなぜあるのか? 朝鮮学校はどうしてできたのかという朝鮮学校の歴史
2.パブリック エデュケーションとは何か?(ふつう「公教育」と訳されていますが、私は「公衆教育」という訳語が適切だと思います。)
3.民族教育(差別に抗う民族解放教育)と、普遍的な人間教育との関係。←→ 民族解放と人間解放との関係

1.も2.も後日に回します。3.は難しいのでやめときます。
そこで、まずはイレギュラーずさんの突っ込みの「補強」をします。

 アメリカ合州国の公民権運動では、「白人専用の学校・黒人専用の学校というのはおかしい。規則で「専用」に決めてなくても実質は専用になっている学校もある。これはおかしいんだ。黒人の子も白人の子も同じ教室で机を並べていっしょに勉強するようにしよう」とされた。この統合教育の思想からすれば、「日本人の子は日本学校へ。朝鮮人の子は朝鮮学校へ。中国人の子は中華学校へ。アメリカ人の子はアメリカンスクールへ。ブラジル人の子は伯人学校へ。フィリピン人の子は、フィリピン人学校が無いのでどこにも行かずに自宅待機」というのはおかしい―と言うことになる。
 ですから、イレギュラーずさんの突っ込みは、もっともなんです。

偶然なんだか解らないですが、草加耕助さんが『旗旗』のブログで「 転載】イルムから―当たり前に本名が名乗れる社会を求めて 」をアップしてくださってます。

中学時代の想い出 『이름(イルム)』より―当たり前に本名が名乗れる社会を求めて


勝手ながら、これを議論の資料にさせてもらいましょう。日本の公立中学校に通った在日韓国人生徒と若き日の草加さんの体験談です。
 日本の学校で在学中からもっと言えば入学の時から本名を名乗って、民族差別によるいじめが無い――というよりも、差別があったときにそれを糾して解決していく――、日本の公立学校の中に居て、そこで自分や親や祖先からの「朝鮮民族であること」を愛し誇り育っていくという生き方を選択する在日コリアンの方もいます。(選択肢A)そういう外国人生徒ときちんと向き合おうという日本の教員中心の組織で「全国在日外国人教育研究協議会(全外教)」というのがあります。
http://www.zengaikyo.org/

一方で、外国人学校へ行くという生き方を選択する在日コリアンの方もいます。(選択肢B)

AとBと「どっちの選択が正しいか」と一概に言えるもんではないし、少なくとも私は「こっちが正しい」なんて言えません。それぞれの個人の生き方の選択(幼いうちは、保護者の選択)の問題だと私は思います。

 私は、選択肢Bの人だけではなくて、選択肢Aの人ともお付き合いしてきました。教員じゃありませんが、全外教の集会に参加してレポートしたこともあります。高校無償化の趣旨は、「家庭の状況にかかわらず、全ての意志ある高校生等が安心して勉学に打ち込める社会をつくるため、公立高校の授業料を無償化するとともに、高等学校等就学支援金を創設して、家庭の教育費負担を軽減する。」なのですから、選択肢Aの人も、選択肢Bの人も、高校等に進学するならみんなが平等に受けられるようにするべきだと思います。そのうえで、あとは個人の選択にまかせるよ、というのが私の立場です

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戦後間もない頃教師だった方の話
投稿者:イレギュラーず 投稿日:2010年11月29日(月)18時39分9秒

かめさん、ありがとうございます。

>アメリカ合州国の公民権運動では、「白人専用の学校・黒人専用の学校というのはおかしい。

日本の場合は、↑の逆で、朝鮮人を日本「市民」と認めなかったですね。日本国憲法においても、無理やり「国民」と「ピーピル」の和訳とするようねじ曲げた国家官僚の工作が効奏したことは踏まえておくべきです。要するに、戦後日本では朝鮮人は公民ではなかった。

ところで、表題のその方(私の地方の方です)は、日本人の子も朝鮮人の子も「対等」に日本の学校で教育するのが、民主主義になった日本の教育姿勢だと思って朝鮮人の子どもたちに接していたそうです。

しかし、随分経って、卒業した彼ら朝鮮人の元生徒から、その先生が自分たちによくしてくれたことは感謝しつつも、「不平等性」を指摘されたそうです。

要するに、「ありのまま朝鮮人としてある」ことを認める教育だったかどうか?というだったと語っていました。それは、日本の教育も逆照射するということでもありますね。

私も、選択Aでも選択Bでも、それこそ自由に選べたらいいと思いますが、それはバイキング・メニューのようには選べないことが問題だと思っています。いつでも、日本国家からの条件付きですね。(アイヌが学校を運営したら、どうなるんだろう)

戦後日本国家による主体的な「反省」なしの「日本国籍剥奪問題」、4.28阪神闘争に見られた「朝鮮学校閉鎖問題」など、いまもって解決していない課題が立ちはだかっているのですね。

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外国人学校に何故支援する?
投稿者:パルタ 投稿日:2010年11月29日(月)16時14分56秒

公立校だけ支援したらいいじゃないか。
何故中華学校や朝鮮学校まで支援する?
基本的に私立学校は支援対象から外すべきだ。
まして、独裁政権を正当化するような学校は支援出来ない。出来ません。
無償化して欲しければ、カリキュラムを変えてもらう。
君達は北朝鮮と日本、どちらで住みたいのか?
北朝鮮で住みたければ北朝鮮の教育を受ければいいが、
日本で住みたければ日本の教育と憲法を学んで頂く。
そもそも何故北朝鮮ではなく、日本で住みたいのか理由を明らかにして欲しい。
それは・・・何故だから?
朝鮮学校の父兄は何故北朝鮮ではなく日本に住みたいのか徹底的に議論して欲しい。
中華学校無償化は中国政府、朝鮮学校無償化は北朝鮮政府に言って欲しい。
今の北朝鮮の体制では飢餓に苦しむ貧困層への支援は不可能だ。
北朝鮮に外国人参政権があるか?私は北朝鮮の鎖国体制が諸悪の根源なのだと考えている。
市場原理主義も問題だが、あの国では経済の全てを役人が牛耳って飢餓が起きている。
朝鮮学校の父兄の方々は北朝鮮に住みたいですか?では、どうするべきでしょうか?
ガンは切除せねば治らない。

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どこに住むかと、体制を支持するかとは、たいてい無関係だ
投稿者:かめさん 投稿日:2010年12月 5日(日)21時21分9秒

> 君達は北朝鮮と日本、どちらで住みたいのか?

どこに住むかと、体制を支持するかとは、たいてい無関係だ.
日本に住んでいる人みんなが日本の体制を支持するわけではないのです。私は日本に住んでいるけど、日本の体制を支持していません。私は資本主義、日米安保に反対、天皇制に反対です。でも、なんで日本に住んでいるかと言うと、それはオギャーと生まれてみたらそこが日本だった、そこで育って今日に至るからです。
 在日一世が日本に住んでいるのは、日本の植民地支配の結果であり、戦後の日本政府とGHQが生まれ故郷に帰ることを手助けしなかったことの結果です。
 在日二世以降の人たちが日本に住んでいるのは、私と同じ理由です。つまり、オギャーと生まれてみたらそこが日本だったからです。
 北朝鮮に住んでいる人も同じです。赤ん坊は産まれて来る場所を自分で選べない。wikiによれば、北朝鮮の人口は23,906,000人だそうですが、この人たち全員が北朝鮮の体制を支持しているとはとても思えない。「支持しない」と公言する自由がないだけです。
 「日本に住むか、北朝鮮に住むか」と「日本の体制を支持するか、北朝鮮の体制を支持するか(もしくは、どちらも支持しないか)」とは、たいがいの場合、関係がないんです。
 もちろん、自分の政治信条に合わせて住む国を選んだりする人もごく少数いるでしょうが、極めて稀です。

 あ、私はね、「朝鮮人を差別すること」に反対してるだけであって、北朝鮮の体制を支持していません。まぁ、誤解されるんですけど。
いいじゃない、いろんな学校があっても。すでに無償化の対象にされた外国人学校は、これだけある。

エスコーラ・パラレロ各種学校 / 東京韓国学校中・高等部 / 東京中華学校 / ブリティッシュ・スクール・イン・トウキョウ昭和 / リセ・フランコ・ジャポネ・ド・東京柳北校 / 東京横浜独逸学園 / 横浜中華学院 / HIRO学園エスコーラブラジレイラプロフェソールカワセ / 伯人学校イーエーエス浜松 / 伯人学校イーエーエス豊田 / 伯人学校イーエーエス豊橋 / 伯人学校イーエーエス碧南 / 伯人学校イーエーエス鈴鹿 / ニッケン学園 / 北海道インターナショナルスクール / 東北インターナショナルスクール / アメリカン・スクール・イン・ジャパン / クリスチャン・アカデミー・イン・ジャパン / ケイ・インターナショナルスクール東京 / 聖心インターナショナルスクール / 清泉インターナショナル学園 / セント・メリーズ・インターナショナル・スクール / サンモールインターナショナルスクール / 横浜インターナショナルスクール / 名古屋国際学校 / 関西学院大阪インターナショナルスクール / カネディアン・アカデミイ / マリスト・ブラザーズ・インターナショナル・スクール / 広島インターナショナルスクール / 福岡インターナショナル・スクール / 沖縄クリスチャンスクールインターナショナル。

 これに朝鮮高校が加わることの何が問題なんだろう?
 砲撃? それって朝鮮高校の生徒や教員がやったのか? 違うでしょ。外交問題と教育保障の問題をごちゃ混ぜにしてはいけない。
 朝鮮学校を含む外国人学校は、日本社会の「パブリック エデュケーション(公教育)」の一部分です。

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かめさんに賛成
投稿者:セクトNo.7 投稿日:2010年12月 6日(月)07時54分49秒

想像力が欠如しているがゆえに
朝鮮学校=朝鮮総連=金正日としか見れない方がいるようで、昔から言われている「朝鮮人は朝鮮へ帰れ」としか見れないんでしょうね。
何ゆえ彼らが日本に居住しているのか歴史を勉強してないんでしょうね。

まあ、相手にするだけ時間の無駄かと。
それと北朝鮮の人口なんですが、この間の飢餓情況で500万人ほど餓死したとかの情報があります。ですから現在の人口は1700万人ほどかと推定されます。
直接飢餓対策の援助を渡せるなら賛同する人も少なくないと思いますけれど、中国赤十字を窓口にするとか方法ないものかな?

それはそうと今朝の8時から黄海で演習だそうです。北朝鮮は「『我が領海』に向けての砲撃には断固たる処置をとる」と声明を出してますが、北と南で主張する境界が食い違っているのが原因みたいですね。
どっかで聞いたことあると思ったら北方四島=北方領土、釣魚列島=尖閣列島、独島=竹島みんな同じですね。相手の言い分を認めないのなら北朝鮮の砲撃を否定するのは、論理的に困難な気がするのは私だけでしょうかね。
相手の言い分を聞いてあげて『折り合い』をつけるのが、大人の対応だと思うけれどどうせ国境なんてそのときの力関係で勝手に引いただけだもの。折り合いなのか殴りあいなのか、8時からの演習が何事もないことを祈るしかないな。

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500万人って!
投稿者:かめさん 投稿日:2010年12月 6日(月)18時16分39秒

500万人って、人口の2割超えてるじゃないですか!
あーあー、火薬にカネ使うてる余裕なんか無いはずなのに。

赤十字はいちおう「民間機関」なので、国交はなくても日本赤十字社と朝鮮赤十字会とはつながりがあるはずです。
阪神大震災(兵庫県南部地震)のとき、朝鮮赤十字会からも中華民国紅十字会からも、国交はなくとも慰問金を日本にいただいているようです。ですから、日本赤十字がその気になれば、中国紅十字(北京)に仲介してもらわなくても物資は送れるはずです。まぁ、「民間」いうても、日本赤十字の総裁は、皇后なんだそうですから、「うちは民間機関なんだから!」といって、日本政府と違う方針では動かないでしょうねぇ。

その朝鮮赤十字会が、腐敗していないかどうか? 送ったコメが庶民に渡らずに軍人が全部食ったとか、そういうことにならないのか?とか、そのあたりのことは何んとも・・・。

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Re: 外国人学校への無償化は基本反対
投稿者:パルタ 投稿日:2010年12月 6日(月)21時13分51秒

>  北朝鮮に住んでいる人も同じです。赤ん坊は産まれて来る場所を自分で選べない。wikiによれば、北朝鮮の人口は23,906,000人だそうですが、この人たち全員が北朝鮮の体制を支持しているとはとても思えない。「支持しない」と公言する自由がないだけです。

そうです。自由がないのです。今のままでは独裁体制が延命してしまいます。

>  「日本に住むか、北朝鮮に住むか」と「日本の体制を支持するか、北朝鮮の体制を支持するか(もしくは、どちらも支持しないか)」とは、たいがいの場合、関係がないんです。

朝鮮高校の父兄は北朝鮮の体制に人質に取られているようなものです。
良い国だとは思えないから住まないのです。帰還事業が中止になったのはそういう事情でしょう。

>  あ、私はね、「朝鮮人を差別すること」に反対してるだけであって、北朝鮮の体制を支持していません。まぁ、誤解されるんですけど。
> いいじゃない、いろんな学校があっても。すでに無償化の対象にされた外国人学校は、これだけある。

私は基本的に外国人学校と私立校の無償化には反対です。授業料が払えず卒業できない場合のみ、
朝鮮高校の生徒にも支援してあげるべきです。
基本無償化は本国政府がするべきではないでしょうか。
私立には原則無償化はしたくないな。払えるなら払って欲しい。
しかし、全国民に等しく質の良い教育を受けさせる為ならば朝鮮高校む含めて
全部無償化にすべきかも知れません。
しかし、朝鮮高校は朝鮮労働党の指揮下にあり、逆らえないのです。独裁政権は切らねばなりません。
デノミの責任者は処刑されました。金正日は責任を取りませんでした。
それどころか益々戦争挑発に動いています。圧力をかける必要がるのです。
日本の朝鮮学校は北朝鮮の指揮下にはないと示す必要があるのです。
朝鮮労働党と資金面でつながりのある団体をバッサリと断ち切らねばなりません。
金大中・ノムヒョン時代に太陽政策だけではダメだという事はわかりましたが、
シベリア収容所労働問題に着手すれば彼らにも打撃を与える事が出来ると思います。
ソ連崩壊後19年持ちこたえ、国境無き医師団が逃げ出す程、鎖国状態の国なので、
民主化であれ、緑化・環境支援であれ、農業・医療支援であれ、北朝鮮を変えるには
今までとは異なる綿密な作戦が必要だと思います。
朝鮮学校の教育方針は朝鮮労働党独立して欲しいです。

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13件のコメント

私は基本的に無償化反対なんですが、この問題は政治とは関係ないから無償化!!とか言っておきながら砲撃事件が起きたから無償化手続き停止!!というようなことをやってる今の政府の理屈がさっぱりわかりませんw

「三次会」まではチェックしておりませんので、このような議論が行われていたことは知りませんでした。
「朝鮮学校無償化」反対論について、例えば「拉致問題」や「北朝鮮国内の人権抑圧体制」に取り組む人たちの理由も分かります。(同じ題材で、村野瀬玲奈さんのブログで三浦さんとの意見交換がありました)多くの「外国人学校」が無償化対象とされているわけですが、その「教育内容」…特に「社会科」においてどのようなことが教えられているのか「朝鮮学校」ほどチェック・問題視された上で行われているのでしょうか?
「法の下の平等」や、基本的人権であるところの「教育を受ける権利」の平等と、「北朝鮮体制問題」は切り離して考えるべきだと、私も思います。
(HNよりGO@は取ることにいたしました、これからもよろしくお願いします)

RRさん>
だからやはり「民主党の点数稼ぎ」にすぎないと思うわけですよね。
イラク戦争前に、アメリカの大統領が、イラクを限定空爆するたんびに、支持率が少しあがったことを思い出しちゃいましたよ。それでこれがまた、「偶然にも」支持率が下がった時に空爆していたような記憶がある。
フセインも金正日も許せんやつであることは確かなんだけど、強国の都合や思惑で、関係ないそこの一般国民を巻き込んだらいかんだろうなと。逆に相手の国の民衆を味方につけることを追及すべきではないかと思うのです。
アメリカは未だにそれで相手国の民衆からの憎しみを受けて苦しんでいるわkで、そのせいで外交・軍事の選択の幅が大きく制限されてしまっている。

あるみさん>
三浦さんらの気持ちはわかるんです。
たとえばね、韓国が独裁政権だった時代、民団は独裁体制を支持して支えていたわけじゃないですか。その頃、左翼は決して韓国人全体を敵視しないどころか、「民衆レベルでの日韓連帯」を掲げていた。けれども、民団に対しては「独裁の手先」として蛇蝎のように批判してたわけですよ。もしこれが、北朝鮮の体制崩壊(民主化)のほうが早くて、韓国では今も独裁のために多くの労働者民衆が苦しんでいたと仮定したら・・・ひょっとして今頃「無償化反対」を言っているのは左翼のほうだったかもしれない。

まあ、左翼もそこまで愚かではなくて、最低限、韓国学校の無償化には反対しない、消極的な容認だったろうなと思ってはいるんですがね。でも、韓国にどれほど強烈な独裁政権が続いていたとしても、あるいは韓国学校で独裁体制を正当化する教科書が使われていたとしても、日本政府は韓国学校を無償化から排除するなんてことはなかったと思いますけど。

で、これは三浦さんらが「愚か」だと言っていると誤解されてはいかんので追記しますが、そういうことではなく、その無償化反対の論拠になっている、北朝鮮の国定教科書を使っているということと、総連が北朝鮮の独裁体制を支持しているということの二つは、なるほど立派に論拠になりうることだと思う。これは総連と民団、金正日と朴正煕を入れかえて考えてみれば、感覚的にも理解しうる。

けどねえ、小中高と朝鮮学校で育ってきた人の話を聞いても、誰も国定教科書に書かれていることなんて信じていませんよ。まあ、それはそれで、先生も生徒も公式の場では「言ってはいけない約束」なんですよね。あと、総連に関しても、今の北朝鮮を支持しているのはトップの幹部連中だけですよ。一般の人たちはむしろ味方になりうる人たちだし、味方にしないといけない人。まあ、これは「現実」はそうだということです。ですが「論理」としてはこの二つは理由として語ることはできる。でも、法の下の平等や法治主義を覆してまで朝鮮学校(実際には在日の子供たち)への差別を正当化しうる理由としては弱いなと思う。

だから、「北朝鮮や総連と手を切らない限り云々」というのは、論理としてはまったく正しい。でもこれを一般の朝鮮人に要求するのはかなり酷です。思い余って韓国人になった人もいますが、それは自分だけでは決められない部分もあるし、これは本人のアイデンティティに関する微妙な問題です。要するにこれは、北朝鮮の過酷な強弾圧下の中で、「金正日打倒闘争をしろ、さもないと爆弾で皆殺しだ」と要求しているのと同じ論理なのではないかと思えます。

また、やはり自分の民族や祖国を、他国の人から無神経に言われるのは誰でも気分悪い。大阪府の橋下さんなんか、「北と手を切れ、教科書を変えろ、さもないと議会で議決された補助金もださない」とか言うわけですけれど、これって、ものすごく敵意や悪意を感じるのですよね。独裁ではなく、われわれと自由の価値観を共にして生きようという、在日の人々への心のこもったメッセージがまるで感じられない。こうなるともう、ますます在日の人々を総連や北の側に追いやるだけだと思うのですよ。

朝鮮高校の無償化には僕も賛成です。無償化を先にしたうえで、おかしな教育方針には「建設的な批判」が加えられるべきです。
それにしても菅や仙谷など「元」リベラル派の政治家の堕落は目に余るし、姜尚中などの知識人や「アエラ」などの出版物もつまらないの一語です。小沢・亀井・平沼・鈴木宗夫など保守の政治家の方がずっと信用できるのに対し、なぜ左翼・リベラル派の政治家が駄目になったのか、簡単には答えられない、根の深い問題です。

私は『高校無償化』自体が反対なのですが、「皆が賛成する以上はしかたがない」と思っています。
(学生自身に教育の価値を理解してもらうほうが先だと思うのですけど・・・)

でも、やるからには、例外は設けるべきではありませんね。
例外があれば、それが別の問題を引き起こす場合がありますから。
ましてや、外交の問題を国内の教育に持ち込むなんざ論外です。
私が危惧していたのは、橋本知事のような『教育内容への介入』だったのですが、それ以下のことを国のトップが口走るとは思ってもいませんでした。

話は多少かわりますが、先日ニュースで公安からの情報流出事件についての特集をやっていました。
内容は、被害に遭ったムスリムの方々が訴訟を起こすといった内容でしたが、気になったのは公安のやり口です。
テロ対策と称してはいましたが、ムスリムはすべてを監視対象とするやり方は、戦時・戦前の防諜を彷彿とさせるものでした。
あんだけ手間ひまかけて、皆の生活を犠牲にしても情報がだだ漏れだったというのに、まるで成長していない・・・
「あれじゃ、(アルカイダの)テロがあっても防げんわ。」と思いながら見てました。

イスラム教というのがどんな宗教なのか理解していれば、そんな手間をかける必要はなかったはずですし、情報流出による被害者をつくることもなかったはずです。
なによりムスリムの方々の、周りに対する不信感を煽ってしまったことが一番痛い。
こういったことの積み重ねが、あっち側(反体制側)に追いやっていることに気づかないとは・・・・

在日朝鮮人に対する差別も根っこのところは同じで、ネガティブなところだけをまとめて『典型的な朝鮮人』という偶像をつくりあげ、それを『基準』として十把一絡げに取り扱う。
そりゃ怒るでしょうね。感情的な溝ができるのも当然のことです。
相手のことを理解していれば『基準』なんか必要無いはずなんですけどねぇ。

そんな無理解を『得点稼ぎ』の道具にしようとする現政権には、呆れて物も言えません。

外国人学校には公金を支出する必要はありませんし、すべきでない。本筋から言えば、公立校だけにすべきものです。

日本国憲法の89条には、
第89条 公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。

とあります。憲法9条の自衛隊よろしくほとんど無視されていますが、私学助成金も本当は憲法違反なんです。百歩譲って私学助成金は認めるとしても、外国人学校に公金をだす何の理由もない。

例えば米国でも外国人学校に税金など出しておりません。だから、日本人学校は高い。公立校なら外国人でもただです。米国で外国人教育に公金を出すのは、米国の政策にあう時だけで、例えば、図書館での無料の英語教室などには出します。日本語で教えている学校など米国の役にたたないので、公金など出しません。

今回の菅仙谷政権の動きは、朝鮮学校への公金支出を先送りすることで、左右からの批判をさけようという政治的な動きであるのは、間違いない。ただ、もともとインターナショナルスクールや外国人学校へ出す事自体が間違いなのだから、あっさり外国人学校への支出を全部やめてほしい。その点では、子供手当にも問題がある。国籍を限定して配ってほしい。

朝鮮人差別を未だに云々する人は、ほとんどすべての問題が国籍による利権の差であることを知るべきだと思う。日本が国民国家である以上、日本が日本国籍を持つ人を優遇するのはあたりまえです。そもそも、どの外国が日本人を優遇してくれるのか。そんな外国はどこにもありません。そういう国際社会の現実を見て、日本人の権利を守るために、明治維新によって日本人は共同で日本という国家を作っているのだから、その前提を踏まえない議論が空疎になるのは理の当然と言えます。

ちなみに、朝鮮学校には『民族的に』朝鮮人の人しか入ることができず、『民族的に』日本人の人には入学資格はありません。国籍は日本人であっても、朝鮮、韓国系なら良いということです。あからさまな人種差別ですが、単に彼等が現在の日本で権力を握っていないから問題になっていないだけです。こういう人種差別を行う団体に加勢するのは政治的に間違っているし、公金支出を支出など、もってのほか、日本の体現する全ての民主的人権的価値観に反します。

ちなみに、日本の公立学校には、そういう人種制限はありません。文明国では当たり前のことです。

buveryさん>

本当は、他の方へのレスを先に書かないといけないのですが、ちょっと興味をもったので先に書きます。天下御免さん、たけさん、ごめんなさい。

まず、無償化の対象を公立高校のみにすべきだという主張はべつにいいです。それだと、高校無償化という脈絡では、私立学校に通う子供や保護者への差別になりますから、単に「公立高校の授業料を無料にする」という政策になると思います。学校ごとに授業料が違うのは、同じものでもメーカーによって値段が違うのと同じことなので、差別には該当しないと思います。buveryさんが、そのほうがよりよい政策だと思うなら、それは自由ですし、エントリーの趣旨とは何の関係もない自分の意見の開陳ですから、私から本エントリのコメント欄で何も言うことはありません。

次に、高校無償化に反対する論拠に、憲法89条を持ち出してこられたのは、多少おもしろく感じました。私も法学部出身なので、89条の解釈において「私学助成金も本当は憲法違反」という極少数説があることは知っています。ただ、この解釈では、民間のボランティアやNGO、それのみならず、私立の介護・福祉施設などへの補助金や助成も違憲になってしまう可能性があり、妥当ではありません。共産主義社会が実現したのならともかく、現在の国家、社会において、教育・福祉・慈善などの社会的な事業については、むしろ在野や地域の人々の営む事業や取り組みに行政が適切に協力し、公的機関でしかできない分野との共同をすすめていくことが求められていると思います。しかるに公的な行政機関(お役所)の営む事業以外には、いっさい公金を使ってはいけないという解釈は、13条、25条、26条などとの整合性を考えても失当であると思います。

思うに憲法89条の立法趣旨は、公金が徒に浪費されるような「ばらまき」を危惧したものであり、いわば国家が教育・福祉・慈善などの分野において、これを在野と「協力・援助」するのではなく、「丸投げ」して後は知らない、結果として税金が濫費されうるという事態を禁止するところにあるものです。よって、たとえば行政が「歳末たすけあい運動」なんかに税金を、その具体的な使い道の監査もなしに寄付するような行為は89条違反の疑いがあります。しかしそれは日常的な監督や、まして行政機関が運営するものにしか公金を使ってはいけないという趣旨ではなく、税務やその他の特別法において、運営状態(とりわけ会計)の監査や公開、審査という方法があれば、89条の「公の支配」の条件には足りると解します。実際、そういった監査の結果、翌年からは補助を打ち切るなんてこともあるわけですから。つか、昔の教科書を見ずにうろ覚えで書きましたが、これが通説であると思います。

老婆心ながら、こういう極少数説を信奉するのは別に悪いことではないし、それはそれでいいのですが、それが特殊な考えてあることを隠して、いきなり「こうなのである」と自明の真理みたいに断言して終わらせてしまうのは、印象操作などというレベルを超えて、ほとんど嘘を書いているに等しいと思います。学部の試験だったら赤点がつくと思います。こういう少数説をとる場合は、まず、「一般的にはこう言われている」と通説的な考えを紹介し、「しかしこれは××という理由で妥当ではない」とそれを批判したあと、「ゆえに私は○○という考え方が正しいと思う」と自説を展開するべきです。そこまで書いてはじめて、読者としては正しい判断を下せると思います。私はこれが面倒なので、憲法についてはできるだけ通説を採用するようにしていることは内緒です(笑)。ところが、ネットではよくこういう「いきなり少数説真理教」みたいな言説をみかけます。まあ、「地球は丸くない」みたいな、「地球は丸い」という通説がほとんど常識として通用している分野なら、通説をはしょってもいい場合もあると思いますけどね。ところが、こういう法律解釈のような一般的でない分野でまで、「知ってる?真実はこうなんだよ」的な文章があふれているので、ネットは恐いんですよね。

なお、このエントリで論じている本件事例の場合、利益を得るのは学校ではなく、そこに通う生徒なのであって、たとえ生徒が払う授業料が無料になっても、学校が受け取る金額は以前と同じなのですから、その範囲内においては89条の解釈が問題になることはありません。よってここで89条そのものを持ち出してくることは、無償化政策に反対する論拠にはなりえても、そもそも無償化政策を所与の前提として、そこから拉致事件と砲撃事件を理由として朝鮮学校のみを除外することができるのかという、本件エントリの論点においては何らの根拠にもなりません。そのあたりが混乱していると思います。

次に、おそらくbuveryさんは、日本国籍者と納税者という概念をごっちゃにしてしまい、いわば、「定住外国人の地方参政権の是非」を論じるのと同じ言葉と気分でもって、それとはぜんぜんに位相が異なる「無償化からの朝鮮学校の排除の是非」を論じるという誤りをおかしておられると思います。私の勉強不足かもしれませんが、定住外国人に対し、自国民と同じ金額の税金を課して徴収しておきながら、行政サービスだけは受けさせないという国を知りません。少なくとも先進国では。もちろん、外国人にはなじまない権利行使の種類があるでしょうし、サービスを受けられるにしても、手続きで違いがあることも考えられます。しかしそういう合理的な区別をのぞいた分野では、行政サービスとの関連において、納税者は権利においても義務においても平等のはずです。とりわけ福祉・教育・医療などの分野においてはそうあるべきです。そこから排除するなら、外国人から税金をとってはいけません。実際、平等に扱っていない分野(国によるでしょうが健康保険や年金など)では、外国人に負担を求めることはできません。たとえば毎月の給料から年金の掛け金だけが天引きされるのに歳をとっても年金は受けられないという事態を(自分のこととして)考えてみれば、buveryさんのおっしゃっている論拠がいかにべらぼうなことかわかるでしょう。

最後の、朝鮮学校の入学資格については、それは朝鮮学校の方針であるので、私からどういう方式がいいとは言えません。一般論として、国連など現在の国際社会における主流的な考えでは、その国の国内に合法的に存在する少数民族(国籍は問わない)について、彼らが自民族の言葉と文字を使って、いわゆる民族教育を受けることは「権利」とされています。国家はこの権利を保障する「義務」があるということになります。中国のチベット人に対する政策が非難されているのも、こういう考えが根拠にあるからこそなんですね。buveryさんのあげられた入学資格についても、民族学校がなぜあるのか、その目的は何か、そういう観点から考えるべきだと思いますよ。それが「民主的人権的価値観に適合」するということなんです。まあ、ある民族が一人でもいたらその国の民族学校を建てないといけないのかとか、日本各地に公立の民族学校を何種類も建てないといかんのかという話になると、それはそれで誰も極端なことは言わないでしょうけどね。別に朝鮮人がということだけではなく、一般的な話としては、マイノリティの人々が自発的に作った民族学校を、日本社会みんなで応援してあげるのは良い政策ではないでしょうか。たとえその国とどんなに喧嘩して、場合によっては戦争していてさえもです。それこそ胸をはって「私は日本人だ」と世界の人々に言える国だと思いますよ。

もちろん「北朝鮮への制裁」みたいな安易な発想で、朝鮮学校の生徒や父母に、他の納税者とは違う「特別の不利益」を課すことには反対です。が、朝鮮学校のあり方、すなわち、国定教科書の内容とか、総連の幹部連中を通じた北朝鮮本国とのつながりとか、そのあたりは私もひっかかります。ですが、これはまた別の問題だと思います。もうすっかり民主党が自己保身のために、すごく差別的な理由で世論をミスリードしてしまった今日では、問題を長引かせずに法律を条文とおりに運用するしかないと思います。民主党のこういう態度をすっとばしたところで、つまり純理論的にこの問題を論じ、現実にどんな結果をもたらすかを考慮しない立論は当を得ないと思うんですよ。

だって、「北朝鮮への対抗措置」なら、他にやるべきこと、やらなくてはならないことが、いくらでも山のようにあると思うんですよ。三浦さんとかが取り組んでいる、北朝鮮難民(脱北者)への支援もその一つです。逆に言いますと、それを何もしてないからこそ、この問題をスケープゴートにしているだけなんですね。つまり、めんどうな「本丸」との対決はさけて、いじめやすいところをいじめる、取りやすいところからとる、それでカッコだけつけるという発想なんです。だから長引いてグダグダになる。そんな、生徒や父母の自尊心を傷つけるようなことばっかり言っている場合じゃない。それは逆効果だと思う。だって、しょうがないじゃないですか、こういう法律がこういう内容で決まってしまったんだから。この点についても、buveryさんは現行法の運用を論じている時に、将来の立法論をごちゃまぜにすることで、何かしら自己の論拠を正当化しておられるようですが、その論法ははなはだ不適切だと私は思います。それはちゃんとわけて論じてください。

この人種差別撤廃を目指す国連委員会 Committee on Eradication of Racial Discrimination = CERD の朝日の記事ですが、これは非常に問題があります。

知らない人が読むと、『(日本での利害関係がない)ガイジンさんにも朝鮮学校の無償化うんぬんの話が悪い噂になっているのかな』なんて思うのでしょうが、全然違います。これは、NGOがそういうロビー活動をして、それを真に受けた委員が、日本や日本人に対しての差別感情を発露しているのではないか、と見まごうばかりの『トンデモ勧告』を出すものだと私には見えます。

ちなみに、今年の正式な報告には、朝鮮学校の件に関しては
http://www.unog.ch/80256EDD006B9C2E/%28httpNewsBy
Year_en%29/985A88A2AEDA81C0C12576E4004E7284?OpenDocument

Other areas of concern included persistent discrimination suffered by the people of Okinawa; discriminatory effects on children’s education, including the differential treatment of schools for foreigners and descendants of Korean and Chinese persons residing in Japan with regard to public assistance, subsidies and tax exemptions;and cases of race and nationality-based refusals of the right of access to places and services intended for use by the general public, such as restaurants, family public bathhouses, stores and hotels.

(訳)本委員会が関心を寄せている別の分野には、沖縄の人々が延々と被っている差別、子供の教育に関する差別(公的援助、補助、税の免除に関して、日本に住む外国人、朝鮮人、中国人の学校の差別的取り扱いを含む)、公衆の利用に供されている場所(レストラン、家族風呂、商店やホテル)での人種や国籍を理由にした使用拒否の件、がある。

としか出ていません。沖縄の問題は、社会軍事経済の複雑な絡み合いですが、それが人種差別と何の関係があるのか。外国人学校へ日本人が行っても公費補助などなかったのに、それが何の人種差別なのか。人種差別と無関係な国内問題へイチャモンをつけるための口実にしかなっていません。

この家族風呂というのが、何の事か分からないかもしれませんが、これは小樽温泉のことです。昔に書いた事があるので、有道出人とかDavid Aldwinckleとか、一緒企画 Issho Kikaku、Tony Laszloとかで引いてみて下さい。自分でもめ事を起こしてCERDまで文句をつけにいった後、それを報道させる、マッチポンプであることが分かります。ちなみに、このトニー•ラズロは『ダーリンは外国人』の外国人です。

Similarly, the Committee reiterated its concern that discriminatory statements by public officials persisted and regretted the absence of administrative or legal action taken by the authorities in that regard.

(訳)同様に、本委員会は公人による差別的言辞が繰り返される事に関心を寄せていることを繰り返し、この件に関して政府から行政的もしくは法的措置がとられていない事を遺憾に思う。

これも、何の話か分からないかもしれませんが、石原慎太郎が『三国人』とか(残虐な)『中国人の民族的DNA』とかいったのが、人種差別であるという話です。私の記憶が正しければ、もう10年程前の話で、本当にしつこい。私の素朴な感情論でいけば、都知事は非常に下司なアジり方は不快であるとなります。しかし、私の感情などとは別に、不快な言論を政府が統制するというのは、全く別の危険な話です。しかも、それを外国経由でさせる。ただ、その都知事がエロ漫画はいかんなどのたまうのだから、しかもそれを議会が賛成したりするのだから、私はため息がでます。

都知事の話も、都知事を批判している朝日の記者が、ジュネーブまで行って、『ガイジンさん』の口を借りて、自分で書くのと同じ事を言わせているだけなので、ジャーナリズムとは名ばかりの、都知事の向こうをはったプロパガンダなだけです。そういうプロパガンダを情報弱者が鵜呑みにして、どんどんと訳の分からない事態になっていくわけです。

種明かしをすると、NGO側の文書を見ないとCERDが何を言いたいのか分からないのです。『日本政府 CERD 審査に向けた NGO レポート』で探すと、CERDの報告が、NGOの文書を丸呑みして、それをオブラートを巻いただけなのがわかります。

CERDは、日本に関して、百害あって一利無し。偏った意見を浅はかな人たちが判断し、内政干渉するために使われています。それをあたかも、公平な第三者の意見であるかのように報道する新聞は狂気の沙汰です。

ちなみに日本政府が、ICERD 4条aとbを言論の自由を理由に保留しているのは、真に正しい判断です。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/jinshu/top.html
のQ6を参照のこと。

アメリカの保守系のシンクタンクのヘリテージ財団でも私と似たような感想を持っています。
http://www.heritage.org/research/reports/2008/08/
the-inequities-of-the-un-committee-on-the-elimination-of-racial-discrimination

小樽温泉の話、これ私が2002年に書いたものですが、探すのが難しかったので、再掲します。一部編集。ちなみにこのデビトは現在日本人妻と離婚しています。これは日本の帰化制度の話でした。以下。

アルドウィンクル出人 こと、菅原有道出人(日本名)David Aldwinckle
(英語名)は、北海道の南幌に住む反日活動家です。在日外国人、特に米国人か
らはHokkaido Crusader (北海道十字軍)というあだ名をもらっています。配偶
者は日本人。彼の意見は非常に片寄ったものであることを心にとめておく必要が
あるでしょう。その彼でも日本に帰化した事実は、日本の帰化制度がいかに寛容
か、別の立場から見れば、いかに甘いか、を示すものです。彼くらい文句をたれ
ていても日本の法務当局は帰化させてくれるのが現実ですから驚きです。この
http://www.debito.orgには、山程文句が書き連ねてあるので、読みたい人は読めばよい
と思いますが、うんざりすると思います。

彼は、小樽の温泉、湯の花の『外国人お断り』温泉を相手取って民事訴訟を起こ
しています。オラフ・カートハウス、ケン・サザーランド、デビッド・アルド
ウィンクルの三人が原告、弁護士は伊藤秀子です。もともと、これはどういう話
か書いておきます。

小樽のいくつかの温泉では、ロシア船員の入浴客と、日本人客の間でトラブルが
あり、日本人の客足が遠ざかって経営が破たんしけたことがありました。それ
で、湯の花ではロシア人船員を排除しようとします。そもそも、小樽にはサハリ
ン引き揚げ組とか、ロシア抑留組がいて対ロシア感情はあまりよろしくないんで
す。ただ『ロシア人お断り』はまずいだろうというので、『外国人お断り』と看
板をかかげました。私に言わせると、どっちもイマイチ知恵のない方法だと思い
ますが、湯の花の経営者が経営している別の温泉が客足が遠のいて潰れてしまっ
たので、苦し紛れの方法だったのでしょう。(実際、似たような境遇にいたオス
パ(温泉の名前)は、会員制にして一見さんを一律に断るシステムにしていま
す。)

湯の花の『外国人お断り』を聞き付けたDavid Aldwinckleは、南幌からわざわざ
4時間かけて家族をつれてその問題の温泉に出向いて、『差別』されに行った上
で、入浴を拒否されると、これは『差別』だ!といって訴訟を起こしたのです。
もう一ついうと、わざわざそのために日本国籍を取得して、(人種差別撤廃条約
は国籍による差別を認めているので)『日本国籍なのに排除されたのは、人種の
違いによるもので、人種差別撤廃条約違反だ』という理屈をつけた上で訴えまし
た。

後半です。以下。

そもそも、この話、最初から変なところがありました。まず、小樽に温泉がある
なんて、普通の観光客は気がつかないはずだし(少なくとも私は気がつかなかっ
た)、もっと近い、札幌郊外に有名な温泉郷があるのに、なぜそんなところに
行ったのだろうか?というところです。実は、彼は、たまたまその小樽のオスパ
に行ったのではなくて、わざわざ『差別反対運動』をするために、その温泉に
行っているのです。で、その小樽に行く交通費はトニー・ラズロというハンガ
リー人(たしか)で、週刊金曜日とかジャパン・タイムズと仲の良い、自称
ジャーナリストの主催している一緒企画という、東京自由が丘の団体が費用を出
しているんですね。

http://groups.google.com/groups?selm=Pine.LNX.4.10.10102212021450.2916-100000%40asong.issho.org

その後、子供じみた脅迫状がDavid Aldwinckleに送られたことに対して、ケン・
サザーランドは以下のように、自分に送ってくれ、そしたらガンジーになれる
し、自分の細君と仲が悪いから、自分の細君を殺してくれたら有り難いなんて書
いています。

http://groups.google.com/groups?selm=200102071505.AAA04935%40ml.gol.com

私が唯一同情するのは、オラフ・カートハウス(ドイツ人)で、湯の花とトラブ
ルを起こしている最中に病気で御子息をなくされたのは気の毒なことでした。し
かし、彼の裁判における姿勢を容認することはできません。

ちなみに、諸般の事情から、おそらくDavid Aldwinckleは日本の国籍法に規定さ
れた外国籍の放棄(彼の場合、米国籍)を守っていないんじゃないかと私は疑っ
ていますが、その確証はありません。米国籍は大使館員の前で宣誓すれば離脱で
きることになっていますが、彼のウェブ・サイトには日本国籍取得は記載して
あっても、米国籍の離脱の話は載っていないんです。もし、彼が米国籍を放棄せ
ず、日本の国籍を取得しているとしたら、欺瞞以外の何ものでもないと私は感じ
ます。

さて、この小樽の湯の花の話は、結局、David Aldwinckleの主導で訴訟へ向かい
ます。まだ民事は結審してないはず(今年夏頃予定)ですが、ま、どんな判決が
でるのでしょうか。湯の花を訴える際、彼は、結局トニー・ラズロと仲たがいし
て、私から見ても『お前ら、そんなことでけんかすんなよ』と言いたくなるくら
い、醜悪なものでした。どっちが正義のヒーローか、競争しているんですね。
で、David Aldwinckleは一緒企画を離れて、Imatiaz ChaudryのUMJと、自分で
作ったCommunityという団体に移っています。

ちなみに、2002年に書いたもの(上記)では、デビトの米国籍離脱が怪しい云々ということでしたが、彼のサイト
http://www.debito.org/deamericanize.html
によると、2002年4月15日に、札幌の米国領事館にて米国籍離脱の手続きを行っていて、2000年9月21日に遡って、(日本国籍取得を理由とする)米国籍離脱を認められています。

ということは、小樽の湯の花温泉で『差別』を訴えた2000年10月31日には、デビトは有効な米国パスポートを持っていたということになります。

こういう形式論は私は好きではないけれど、論理でいえば、日本国籍だからといって外国籍でないとは限らない、ということです。米国籍離脱を申請する前は、一時的に二重国籍状態だったわけです。普通の日本人だと想定外なことでしょうね。

buveryさん>

コメント欄に並べておきたいという気持ちはわからないでもない(というか、むしろよくわかります)ですが、この長さになりますと、お互いにトラックバックにしたほうがよいと思います。

長いので、気を使ってわけていただいたんだろうなというのはわかるのですが、4連投しておられたのでちょっとうざい(笑
申し訳ないけど、2つにまとめさせていただきました。

当ブログではトラバもコメントも(左バーの新着案内を含めて)同列に並びますので、トラバだと目立たないということもありませんから。

一応、ひとつだけ補足しておきますと、現代の「人種差別」の概念では、人類学的な意味での人種や法的な国籍という意味だけではなく、特定の門地や血統などにもとづく人間集団に所属していることを理由とした差別はすべからく人種差別となります。ですから、日本で言えば部落差別、沖縄人差別なども人種差別と認定されることになります。
http://bund.jp/modules/wordpress/?p=5363
http://bund.jp/modules/wordpress/?p=5408

それから、入浴への差別というのは別に小樽温泉の一件だけではありません。つか、むしろこっちのほうが初見でしたね。どちらかと言えばアフリカ系の人に対するもののほうを多く聞きます。

なお、こういう私が初見に関するひとつひとつの事例をあげて、それを裁判で有罪がかせるような(要するに合理的な疑いがまったくさしはさめない程度)の証明を求め、それができなければ「差別は存在しない」みたいな飛躍したトンデモ結論に持ち込もうとする手口は、歴史修正主義者と何ら変わらないレベルのものですから、今後とも個別にお相手することはいっさいいたしませんのでご承知おきください。そういう裁判例的な個別手法ではなく、もっと疫学的な観点から鳥瞰的に見てください。

べつにbuveryさんも石原知事の明確な差別意識の吐露に不快感を示しておられるように、こういうあからさまな差別には誰でも反感を感じるでしょう。ですが私だって、別に差別が日本特有の現象だなんて言っていません。どこの国にでもあります。そうではなくて、「人種差別撤廃条約」というのは、そういう差別と、国家が制度的・法的に対決し、これを禁止する措置と、差別を緩和する政策を具体的にとるということを約束した条約なのです。で、問題は日本人がことさらに差別的かどうかではない。差別はどこの国にでもある。そうではなくて、日本政府がちゃんと条約に基づく特定の担当部署を決め、人的・予算的な担保をとり、その上で具体的な立法措置をもって、差別の禁止と緩和政策をおこなっているかどうかがポイントなのです。

最後に、buveryさんに強く強く強く勧告いたします。
先の自分の投稿に相手がちゃんと返答してくれているのに、それに同じ努力と礼儀をもって返答なり反論なりをすることもなく、何の脈絡もなく次から次へと新しい話題に逃げていくのは、それこそネトウヨや歴史修正主義者の卑劣な常套手段と何ら変わるところがない不誠実な態度です。実際、自分の考えと同じ特定の偏りをもった主張に染まっていない人のことを「情報弱者」などというネトウヨ用語まで無批判に使っておられる。まあ、正直、私も三里塚闘争への無知な批判を読んだりしますと、同じような感想を持つこともありますが、それでも自分と考えの違う人をこんな思い上がった表現で下劣なレッテル貼りはしませんよ。

buveryさんは議論ができる方なんだろうなと期待していた分、正直かなりがっかりさせられました。ちゃんと相手が一晩(こんなこと言いたくはないけど)睡眠時間を2時間に削ってまで返答しているのです。答えられないなら答えられないなりに、せめて「レスありがとうございました。もう少し考えさせてください」の一言くらいないものでしょうか?かなり怒っています。

まとめていただいてありがとうございました。
連投になるのは、分割しないとソフトか何かの問題で受け付けられないからです。なぜかは分かりません。

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