投稿者: 司 宮二
市民運動監視は「人格権の侵害」自衛隊に賠償命令
市民運動への参加などを自衛隊に監視されて精神的苦痛を受けたとして、東北6県の107人が監視活動の差し止めと約1億円の損害賠償を国に求めた訴訟の判決で、仙台地裁(畑一郎裁判長)は26日、「人格権を侵害した」として、5人に対して計30万円を賠償するよう国に命じた。ただ、監視活動の差し止め請求については却下した。
原告側は、自衛隊のイラク派遣が問題になった2004年、仙台市の男性写真家が市民団体の代表として反対デモを主催した模様を陸上自衛隊情報保全隊に監視されたことなどについて、精神的苦痛を受けたと主張していた。
自衛隊が監視していた経緯は、共産党が07年6月、自衛隊の内部文書を公表したことで明らかになり、防衛省も情報収集していたことを認めた。これを受け、同年10月、活動内容を内部文書に記載されていた4人が提訴。09年までに103人が原告に加わっていた。
自衛隊の国民監視は違法 仙台地裁判決 国に賠償命令
イラクへの自衛隊派兵に反対する集会参加などの活動を自衛隊情報保全隊に監視されたとして107人の市民が監視行為の差し止めを求めた訴訟の判決が26日、仙台地方裁判所でありました。畑一郎裁判長は、「違法な情報収集」だと認め、原告のうち5人に対して「人格権侵害」を認定し、1人5万~10万円、計30万円の賠償を国に命じました。監視活動の差し止め請求は却下しました。情報保全隊による監視活動をめぐる判決は全国で初めてです。
訴訟で被告の国側は、自衛隊が作成したとする内部文書への認否を明らかにしてきませんでしたが、畑裁判長は「真の原本が存在し、かつ、これらが情報保全隊によって作成されたことが認められる」と明確に認定しました。
判決は「自己の個人情報をコントロールするという法的保護に値する利益、すなわち人格権が侵害された」と指摘。その上で5人の原告について、陸自情報保全隊が「氏名、職業に加え、所属政党など思想信条に直結する個人情報を収集している」として、情報収集は違法と断じました。
一方、監視活動の差し止めについては、「対象を具体的に特定していない」と述べ、却下しました。
訴訟で市民側は、情報保全隊が自衛隊のイラク派兵に反対する集会やデモの参加者を撮影するなど、違法に情報を収集したと主張。日常的に監視活動が行われ、表現の自由やプライバシー権が侵害されたと訴えていました。
情報保全隊による国民監視の実態は、2007年6月、日本共産党の志位和夫委員長が同隊の内部文書を公表。違憲・違法な活動を告発して明らかになりました。
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