投稿者: 司 宮二
石垣港にPAC3 民間地、基地に一変
(琉球新報2012/4/8)
渡辺周防衛副大臣の視察に合わせ、地対空誘導弾パトリオット(PAC3)が配備されている石垣港の新港地区内の一部が7日、報道陣に公開された。PAC3発射機や化学防護車、野営用のテント、自衛隊車両がずらりと並び、普段は工事車両や砂利置き場以外何もない民間地が即席の「基地」に様変わりした。
北朝鮮の長距離弾道ミサイルとみられる「衛星」の打ち上げに備え、北の方角に向けられた発射機2基、隊員が宿泊するテントはおよそ100張り。そのそばには自衛隊車両やヘリが並ぶ。渡辺副大臣の訪問を受けた化学防護車の隊員はガスマスクを装備し、万全の体制で準備していることをアピールした。
「MP(ミリタリーポリス)」の腕章を付けた隊員が所々に配置され、周囲を警戒。迷彩服を着た隊員が隊列を組んで行進する姿も見られた。
石垣島にPAC3が搬入されたのは5日。その後、新港地区に向かう道路は警察によって封鎖され、一般の人が近づけないようになった。同日、新港地区の砂置き場で遊ぼうとしていた小学生の男児2人が知らずに自転車で警察の検問を越えようとして止められた。
「ミサイルが来ているのは知ってたけど、砂置き場まで行けなくなっているとは思わなかった」。男児は無邪気に答えたが、その時点で自衛隊員が銃を携行していることは地元関係者に知らされていなかった。
渡辺副大臣は「国を守るという観点から、ご協力、ご理解いただきたい」と強調するが、銃携行の詳細を明かさないなど一般市民へ十分な情報は公開されていない。
「自衛隊の施設外にこれほど大展開するのは初めて」(渡辺副大臣)だが、「衛星」への不安感からか、住民は「常駐部隊配備の地ならし」と感じていても、目立った抗議行動はなく「PAC3配置で安心感が出た」との声も聞かれる。
平和憲法を守る八重山連絡協議会の仲山忠亨(ちゅうきょう)会長は「市民に不安感があり、これまでと違って抗議行動はやりづらい」と吐露。「防衛省は北朝鮮の『衛星』発射を利用し、自衛隊基地配備の布石を打っているとしか考えられない。これほど大げさに展開する必要があるのかと思う」と危機感を募らせた。
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