(投稿者:司宮二)
防衛省がネット工作員を育てて「国民の声」を偽り、自省の予算増額を宣伝させようという計画が暴露されたという記事です。
防衛省、芸能人らインフルエンサー100人に接触計画 予算増狙い
出典:朝日新聞デジタル(2021年9月17)より一部引用
https://www.asahi.com/articles/ASP9J5FV0P9HUTFK01J.html
防衛予算の大幅増額をめざし、防衛省がユーチューバーらに「厳しい安全保障環境」を説いて回る取り組みを計画している。今月、100人を想定して対象者の選定作業に着手。ネット上で影響力を持つ「インフルエンサー」らを味方につける狙いだが、省内には予算増ありきの世論喚起策に懸念の声も出ている。
同省関係者によると、今月、計画を示した文書が省内に示された。「防衛予算の大幅な増額を実現する」との目的に加え、有識者やインフルエンサーに「省全体を挙げて」説明するとの方針が明記されている。島田和久事務次官による指示ともうたわれているという。
働きかけの対象は「国民に影響を有する防衛・安全保障が専門ではない学者、有識者、メディア関係者」。100人程度をリストアップするため、省内に推薦を求めている。具体例として、国の財政や予算のあり方などを議論する財務相の諮問機関「財政制度等審議会」の学者や経済界幹部のほか、テレビのニュースや情報番組に出演する有識者や芸能人、ユーチューバーらを挙げている。
(…中略…)この「号令」には省内でも疑問の声が上がっている。ある幹部は「露骨すぎる。予算を増やす必要があるなら、省自ら国民に説明し、理解を求めるべきだ」と話している。
こういうのどっかで見たなと思ったら、まさに福島事故まで原子力村がやってたことそのまんまですね。フクシマ以降、フリーライターさんとかが「そういえば私にも接触がありました」という裏話を(ヨイショ記事執筆の要請に応じなかった人だけだが)語ったりしてました。
防衛省はまがりなりにも役所だから、今までこういうことは表沙汰になることはなかったわけですが(今でも裏では確実にやってると思いますけどね)、政府機関が堂々と自分で広報せずに、税金でネット工作員を育成することで「省益」を図るというのは明らかに問題。野党はちゃんと追及してほしいですね。政府の意見を正当に評価できず、国民が「一般人」を装った工作員にいつの間にか洗脳されてしまうなんてまっぴらですから。
記事を読むと、防衛省にも島田次官の無茶苦茶さに危惧を抱く、ごく普通の感性とプロ意識を持った人が多少はいたから、こんな裏工作がマスコミにばれたことをうかがわせます。とりあえず、ワイドショーやネットなど、どこかで防衛省へのヨイショ記事や投稿や動画を見かけたら、今回の事実を思い出しましょうね。
【参考】ワクチンデマの65%は、わずか12人が引き起こしている(FINDERS)
さて、この手の工作で原発の「安全神話」を作り出し、疑問の声を封殺してきた原子力村ですが、その嘘が暴かれて人々の目が覚めたのは、やっとフクシマで大きな犠牲を払ったあとでした。つまり間に合わなかったんです。では国防村の「防衛神話」が暴かれるのはいつでしょう。その時に多くの人命が失われていないことを祈ります。
<原子力村の特徴:(ウィキペディアより引用)>
・体質が閉鎖的である。
・言葉は丁寧だが、自分達の非は決して認めず、言い分だけを強調する。
・木で鼻をくくったような対応をする者がいる。
・都合の悪い問いにまともに答えようとしない。
・相手をやり込めた後「素人のくせに」と仲間内で嘲笑する者がいる。
・他部門からの干渉が一切無い専門分野であり「聖域」でもある。
・チェックする側の国の担当部門も巻き込んで、歪んだ仲間意識を育てている。
<関連記事>
・自衛隊のスパイ行為に賠償命令 市民活動の監視は人格権の侵害(旗旗)
・自衛官募集ポスターの劣化(不撤不散ブログ)
・2022年度防衛予算概算要求を斬る!分析会(杉原こうじブログ)
- 防衛省2021年度概算要求(杉原こうじブログより)
- 総額5兆4797億円。米軍再編・SACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)経費やF15戦闘機改修は金額を示さぬ「事項要求」で、総額はさらに膨らむ恐れ。
- 兵器ローンである「新規後年度負担」は2兆7963億円で過去最大を更新。
- F35A8機(779億円)、F35B4機(521億円)で前年度から倍増。F2に代わる次期戦闘機開発費も1047億円と倍増。電子戦機開発に185億円。
- 研究開発費は21年度当初比で1141億円増の3257億円に。
- 長射程化する12式地対艦誘導弾の艦艇・航空機への搭載に向け379億円。
- 「イージスシステム搭載艦」建造費の計上は断念も、ロッキード・マーチン製レーダーの「洋上仕様変更」費58億円を計上。
- 22年度末に石垣島に陸上自衛隊「石垣駐屯地」(仮)を開設し、約570人の警備部隊や地対艦ミサイル部隊などを置くための整備費に110億円。
- うるま市の勝連分屯地に地対艦ミサイルを配備、南西諸島4カ所の地対艦ミサイル部隊をまとめる「連隊本部」も置く。車両整備場などの整備費に21億円。
- 奄美大島の瀬戸内駐屯地と宮古島の保良訓練場、石垣島の火薬庫整備に計63億円。
<参考>
2022年度概算要求の概要
https://www.mod.go.jp/j/yosan/yosan_gaiyo/2022/yosan_20210831.pdf
各紙報道
https://www.tokyo-np.co.jp/article/128079
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik21/2021-09-01/2021090101_01_0.html
https://www.asahi.com/articles/ASP9124YFP80UTFK009.html
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1385342.html
最近はこのようなネットやYouTubeが悪用される記事とか事件が多くて嫌になりますね。こういうことが裏で行われているという、そのほんの一端がわかっただけでも本当によかったですが。おそらく防衛省だけではないでしょうし。
この下のコメント欄にネット工作の実例サンプルがいっぱい湧いて出てきたら嬉しいのですが。特にネトウヨさんはうちみたいに人権侵害やデマ拡散を防止するための承認式コメント欄は避けていくからどうでしょうか。
(追記)
司さん、あとから追記されたようですが、「男性オタク層」をあまりイジメないであげてください。私に刺さります(笑)。でもイメクラと言われて、確かに今までアニメや萌え系だと思ってた自衛隊ポスターが、もうブルセラ(死後)とか風俗関係にしか見えなくなってしまった(笑)。風俗の方には申し訳ない言い方ですが、もうすがすがしいまでに女性やファミリー層の目を意識していませんね。