気になる記事を見つけました(文末に引用)。東京都が旗をふって日雇い労働者に預金を奨励した「山谷貯蓄組合」が、橋本政権の金融ビッグバンの煽りで解散に追い込まれたのが2年半前だった。
ところが、日雇労働者が「住民票がなくても預金できる」との謳い文句だったのに、解散した後に預金を受け取るためには、住民票などの身分証明が必要であり、払い戻しが遅々として進んでいないという話。それで「引き取らなかったら都の財源に充てる」って、それでは詐欺というもんですよ!
これ、日雇い・野宿労働者でも銀行預金を利用できるという点で、その後の運用や政策次第では、わりといい政策になったのかもしれない。思いつきで作って特段の役に立っているとは言いがたい「石原銀行」なんてどうでもいいから、こちらに知恵をしぼってほしかったなあ。
せめて都が接収した後は、全額を日雇い・野宿労働者の福祉のために還元してほしいし、都にはそうすべき道義上の責任があるでしょう。そう望みたいところですが、でも、石原さんだからどうなるかなあ…。
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山谷9500万円、主いずこ 貯蓄組合解散から2年半
朝日新聞記事引用 → 全文はこちら(リンク切れ)
日雇い労働者が集まる東京・山谷(さんや)で、1億円近い労働者の預金が宙に浮いている。銀行口座を開けない人から小金を預かっていた貯蓄組合が05年に解散。山谷を離れ連絡がとれなかったり、訳あって名乗り出られなかったりする預金者も多く、払い戻せないためだ。
…(中略)…同組合は、生活が不安定な日雇い労働者に貯蓄を勧めるため、都が呼びかけて66年に設立された。組合名義で銀行口座を開き、労働者から現金を預かって出し入れを代行。銀行取引に必要な印鑑や住民登録がなくてもドヤの住所で取引でき、91年には利用者が延べ約9200人、預金残高は5億円を超えた。
…(中略)…(しかし)金融機関が破綻した場合、預金を元本1000万円とその利息までしか保護しないペイオフが05年4月に全面解禁されると、労働者からの預かり金を組合の代表者名義で一括して預金していた組合口座も全額保証されなくなるため、ペイオフ全面解禁の直前に解散した。
…(中略)…センターによると、現在のドヤ宿泊者数は約4800人と、ピークの60年代前半の3分の1以下。転居や死亡のほか長期不況で求人が減り、収入が絶えて路上生活する人も増えた。借金の取り立てに追われ、姿を隠している人も少なくない、という。
…(中略)…払い戻し請求できるのは組合解散から10年後の15年3月末まで。払い戻せなかった預金は、解散時の取り決めで都の財源になる。
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