三里塚芝山連合空港反対同盟大地共有委員会(Ⅱ)
http://blog.livedoor.jp/kyouyutisanri/archives/86672.html
成田国際空港株式会社(以下空港会社)は、本年10月、一坪共有地を強奪するために共有地6カ所と団結小屋の撤去・土地明け渡しを求める訴訟を共有者及び反対同盟を相手に起こしました。(詳細は裏面の資料参照)また、併せて共有運動の連絡先となっている団結小屋の撤去・土地明け渡しを求める裁判を反対同盟を相手に地主を原告として起こさせました。
空港会社は2008年12月と09年2月の二度にわたって全国の共有者約1000名に対して一坪共有地売り渡しを迫る手紙を送り付けました。しかし、それに応じる共有者は一部です(報道によれば売却してもよい、話をしてもよいと回答したのは約130名。実際に売却に応じた人数は不明)。大多数の共有者は断固拒否しました。
1991年から反対同盟と国・運輸省─空港公団(当時)の間で始まったシンポ・円卓会議の中で運輸省と公団は、これまでの農民の意志を無視し国家権力の暴力を使って推し進めた空港建設のやり方を謝罪し、反省して二度とそのような強権的な手段を用いないと約束しました。そして事業認定を取り下げ、強制収用ができななったのです。
しかし、その後も空港会社(公団)は農民の反対にもかかわらず一貫して空港の拡大を続けてきました。そして、今回も空港機能の整備と称して一坪共有地の売却を迫ってきたのです。これは司法権力を使って有無を言わさず土地を取り上げるという、強制収用と何ら変わらない強権的なやり方です。過去の「反省」や「謝罪」「約束」など完全に反故にしてしまったのです。
今回の裁判提訴の狙いは、一坪共有地の強奪にとどまりません。苛酷な環境や様々な政治的な圧力にも屈せず用地内に住み続け、農業を営む農民をさらに孤立化させ追い出そうとする攻撃の一環にほかなりません。空港会社は、用地内農民を追い出して滑走路をさらに延長しようと目論んでいます。森中小三郎社長は当初計画にもなかった平行(B)滑走路延長の野望を公言しています。
羽田空港の国際化、ハブ空港化論など、首都圏の国際空港としての独占的地位を脅かされつつある成田空港は、さらに空港の拡張をもって競争力をつけようと必死になっています。そのためには用地内農民の叩き出し、空港反対派の一掃は不可欠です。空港会社の飽くなき利潤追求のために農民の生活を破壊し、自らの土地から追い出すことを許してはなりません。40年余にわたって不屈に闘い続ける農民と、全国の三里塚に心を寄せる人々の連帯を再度築いていこうではありませんか。
今回「被告」として提訴された共有者は67名ですが、これは全ての共有者にかけられた攻撃です。反対同盟とすべての共有者が一体となって裁判闘争を闘って行かなければならないと考えます。
裁判にあたっては費用がかかります。当面、代理人弁護士の着手金として1人100万円(5件分2人を予定)。更に出廷費用、打合せ費用、文書作成など合計最低300万円は必要です。またニュースレターの作成・郵送費に一回約10万円かかります。是非、共有者の皆さんのカンパをお願いいたします。
1口 2000円 (余裕のある方は何口かをお願いします)
三里塚芝山連合空港反対同盟大地共有委員会(ΙΙ)
連絡先:〒289─1601 千葉県山武郡芝山町香山新田131─4
電話&FAX0479─78─0039
振替口座 00290─1─100426 大地共有委員会(ΙΙ)
大地共有委員会ブログ
http://blog.livedoor.jp/kyouyutisanri/archives/86672.html
三里塚・暫定滑走路に反対する連絡会の集会 加瀬勉さんの発言(09.10.18)
空港会社株式会社は、我々の一坪共有地金銭売渡の訴訟を起こした。これは司法の名にもとづく土地の強奪であり、憲法で保障された財産権の侵害である。空港公団を引き継いだ空港株式会社は政府持ち株百%である。政府は空港株式会社に訴訟と取り下げを命令せよ。
TOKYOメデフェス2009:成田空港プロジェクト分科会
柳川秀夫さん(反対同盟世話人)の発言(09..9.20)
1991年から政府とシンポジウムを開始し、どんな状況でも強制的手段はとらないことを約束させ、事業認定を法的に取り消した。ところが空港会社は、仮処分決定からお金による売却明け渡し申請を提訴した。これは形を変えた「強制代執行」だ。どうして約束を破るような事態になったのかを問いただしていきたい。
■資料
空港会社が提訴した一坪共有地(用地内8カ所の内6カ所)
【1】成田市木の根宇東台215
・地目・宅地 面積99173平方メートル
・地権者(被告)柳川秀夫 持ち分780分の1 評価額1307円 賠償額129246円
・経過 解放派団結小屋のあった土地の共有地の木内順さん分を反対同盟17名が再共有、柳川さん以外は会社(公団)に売却。
・訴状抜粋:本件土地は成田空港建設予定地内に所在し、すでに原告が所有権をしている隣接地と共に、空港建設には必要不可欠な土地である。……原告は、平成20年12月と平成21年2月の書面により2度にわたって、被告に対し共有持ち分の譲渡を申しいれたが、被告からは返信がなく、また被告は「一坪共有地の売却要請手紙に抗議し、共有地を断固堅持する」と表明しており、原告が求める分割方法「全面的価格賠償方式」に応じ、協議が調うことは困難である。……
本件土地は、成田空港の建設に反対する人々のいわゆる一坪共有地運動に提供されることによって初めて名義上の共有関係が発生した土地であって、本来の経済的用法にしたがってそれら共有者が使用収益をしていたものでない。……
原告が隣接地を買い進めた結果、隣接地の全てを原告が買収したため原告所有地に囲繞されたかたちとなっており、本件土地についても原告が大部分の持ち分を所有している。このように、本件土地は空港建設に必要不可欠の土地である所、反対運動の目的以外に何ら経済的な利用に供された事実はない。
【2】芝山町香山新田宇新山106─6
・地目・山林 面積241平方メートル
・地権者(被告)柳川秀夫 持ち分15分の3 評価額6115091円 賠償額7206507円
・経過 1966年10月、社会党国会議員小川国彦、反対同盟員ら15名の共有名義に移転登記、その後、熱田一さんに2名分を移転、さらに熱田さん持ち分を柳川さんに移転。柳川さん以外は全て空港会社(公団)に売却。
・訴状:【1】とほぼ同様。
【3】芝山町香山新田新山106─1
・地目・原野 面積575平方メートル
・地権者(被告)小川ルミ子
・経過 社会党国会議員小川三男さん、反対同盟(白桝部落21名)らが共有。相続した小川ルミ子さん以外は売却。小川さんは独自に裁判を闘う。
【4】芝山町香山新田宇新山106─4
・地目・原野 面積403平方メートル
・地権者(被告)元各団結小屋現闘17名 持ち分374分の1(1人分) 評価額1666円 賠償額55659円
・経過 1988年8月、熱田一さんの持ち分を当時の現闘22名(インター・戦旗共産同・プロ青同・労闘-労活評・労農合宿所)で再共有、現闘本部がある。
・訴状:【1】とほぼ同様。……本件土地は原告が隣接地を買い求めた結果、隣接地の全てを原告が買収したため現地所有地に囲繞された形となっており、本件土地についても会社が大部分の土地を所有している。しかも、本件土地は成田空港の供用区域の一部として立入が制限されている。また本件土地上には、空港反対派が設置した横堀現地闘争本部と称するいわゆる団結小屋が存在しているが、平成10年以降は使用されておらず、屋根と壁の一部が損壊しているなど廃屋同然となっている。
現在、同建物はその四方が鉄板で囲まれているが、これは同建物付近の誘導路を走行する航空機のジェットブラストによって同建物が損壊し、その一部が周囲に飛散する等、航空機の航行の安全に支障が生ずるおそれがあることから、原告が平成20年9月に設置したものである。このように、本件土地は空港建設に必要不可欠な土地であるところ、反対運動の目的以外に何ら経済的な利用に供された事実はない。
【5】芝山町香山新田宇子金堀台83─20
・地目・山林 面積363平方メートル
・地権者(被告)共有者47名 持ち分1080分の1 評価額2336円 賠償額30727円
・経過 横堀鉄塔の斜面。白桝部落の小川清之さんの持ち分を再共有
・訴状:【1】とほぼ同じ
【6】成田市東峰宇茶畑1─7
・地権者(被告)石井恒司 持ち分18分の1
・経過 石井武さんより相続 東峰団結小屋が建っている
●【7】【8】は今回提訴されなかった共有地
【7】成田市木の根西口
・地目 ため池 加瀬さん名義の土地の半分を全国の共有者約600名で共有。
【8】成田市東峰松翁
樋ケさんが住んでいる建物の土地。共有者約200名で再共有。
■労闘-労活評団結小屋に対する工作物撤去、土地明け渡し訴訟
・芝山町香山新田131-4
・横堀 空港用地外
・原告 地主(元横堀在住反対同盟員)
・被告 三里塚芝山連合空港反対同盟・代表世話人 柳川秀夫
訴状抜粋:(被告は)山崎宏(池田秀久)に委託してこれら工作物に常駐させて占有を継続させ、もって自ら本件工作物の間接占有を継続している。……上記の池田は、現在も空港建設に反対し、「一坪共有地」を守るため活動中の被告のメンバーであり、被告から委託されて本件工作物に常駐し、被告の連絡先となっている。
■共有地になっていない反対派名義の用地内の土地
【1】横堀鉄塔・小屋・案山子亭のある土地 地権者・加瀬勉
【2】木の根 ペンションの建っている土地 地権者・加瀬勉
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