投稿者: 司 宮二
アイヌ民族党が発足
(読売新聞地方版2012年1月22日)
アイヌ民族初の政治団体「アイヌ民族党」が21日、江別市で結党大会を開き、発足した。代表には、アイヌ民族初の国会議員で2006年に亡くなった萱野茂・元参院議員の次男、志朗さん(53)が選ばれた。所属する国会議員はまだいないが、来夏の参院選比例選で10人の候補者を擁立する方針。
この日の結党大会には、約100人が参加し、萱野代表が「アイヌ民族は先住民族として権利がたくさんある。それを訴えていくためにやる決意だ」とあいさつした。基本政策として、サケや鯨の捕獲権回復や、アイヌ民族の歴史・文化教育の充実などを掲げている。事務所は、平取町二風谷に置いた。
06年の道調査では、道内のアイヌ民族は約2万4000人。同党は規約で入会資格を「目的に賛同する18歳以上の個人」とした。アイヌ民族以外でも参加できるようにして、幅広い支持者を得るためだ。
現在、アイヌ民族の議員は、平取町など地方議会にはいるが、萱野茂氏が参院議員を引退した1998年以降、国会議員がいない。07年の参院選道選挙区には、新党大地副代表だった多原香里氏が出馬。民主党などの支援で60万票余りを獲得したが、次点だった。
この日の結党大会では会場から「日本経済をどうするかとか、民族問題以外の政策も掲げないと支持を得られない」との声もあった。アイヌ民族以外の支持を得られる政策立案や、選挙資金のメドが立っていないなど課題もあるが、萱野代表は大会後、「自前の組織で戦い、1議席は獲得したい」と意気込みを語った。
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アイヌ民族党 来夏参院選 議席目指す
(朝日新聞地方版2012年01月22日)
(前略) 既存政党との協力について現時点で白紙としたが、積極的に政党にアプローチはしないという。1998年の参院選に社民党から立候補経験もある萱野代表は「我々の土俵でちゃんと戦う。自分たちの組織をつくって候補者を擁立することが大切だ」と強調した。
結党大会には、ニュージーランドの先住民族の政党「マオリ党」の現職国会議員テ・ウルロア・フラベル氏(56)も出席し、「世界の先住民族も、みなさんが国政や地方政治に挑む姿勢を誇りに思う。力をつけ、政治的な影響力を発揮することを楽しみにしている」と祝福した。
平取町から来たアイヌ民族の男性(77)は「元々、北海道は我々のものだった。少しでも我々の声を国会に通して欲しい。平等になるよう、お互いに協力し合っていきたい」。江別市の女性(68)は「うれしく思う。実際に和人と比べて教育なども劣っている。一人でも多く国政に出て欲しいので、アイヌ民族だけではなく、和人も一緒に協力して頂きたい」と話した。
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★コシャマイン記—–鶴田知也(1936年 第3回芥川賞受賞作品 全文公開)
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