すでに多くの方がブログで報告されておられますが、私も10・5三里塚現地闘争に参加してきました。
写真撮影用にすごいカッコしてますが、実際はもっと「穏健」なスタイルでの参加でした(笑。
主催は三里塚芝山連合空港反対同盟の北原派です。かつて熱田派系列に属し、中核派の理不尽きわまりない内ゲバ恫喝に呻吟した身としては、まさか北原派の集会に参加する日がくるとは思ってもいませんでした。
今回はアッテンボローさんが中心になってネット上で呼びかけられたもので、三里塚は初めてという「旗旗舎・東京」の中野由紀子さんも参加してくれました。みんな完全な勝手連としての個人参加です。最初は私とアッテンボローさんや中野さんら2,3人の予定でしたが、「一人では行きにくいが、みんなで行くなら私も行きたい」という方が多数名乗り出られて、ネットだけの呼びかけにもかかわらず予想外に多くの参加となりました。私も含めてほとんどが三里塚には20年ぶりとか30年ぶり、あるいは初めていくという人たちばかりでした。
ネットを回っていますと私たち以外にも、普段は三里塚集会に参加されておられないような方まで、しかも組織に属さずに個人として参加しておられる例が見られるように思います。実はこの集会直前の裁判で傍聴に来た反対同盟の農民が逮捕されるという事件があり、さらに大きく報道された中川大臣の「ゴネ得」という三里塚闘争への侮辱発言が、かつて三里塚にかかわったことのある人たちの怒りをよびおこしているようです。
実はこの集会に、写真の通り、管制塔カンパ運動のキャップをかぶっていきました。いっしょに参加される皆さんには事前にこのキャップをかぶっていくことは伝えてありました。これはまあわかる人間には「私は熱田派系の人間、もしくはそれとつながりがある者です」と宣言しているようなもんですから、中には「無用なトラブルを避けるたにはやめたほうがよいのではないか」「未だに『脱落派粉砕』なんて言っている党派もあるし、管制塔カンパについても批判していた党派も来る」という心配をしていただく方もおられました。
ですが私は「やはり管制塔キャップをかぶっていきたいと思います。これは北原派の人に向けてだけでなく、旧熱田派の人へのメッセージでもあると思っています」とお返事して、無理を言わせていただきました。ただし「無用な衝突」があるようなら、抵抗せずにその場ではずすという約束でした。実際には「管制塔キャップ」を知っている人は北原派にはあんまりいないということもあるのでしょうが、怪訝な顔でこちらをじっと見つめておられる方が数人おられただけで、特になんのトラブルもありませんでした。
集会直前に、参加を呼びかけておられた北原派反対同盟の農民である鈴木加代子さんのブログを読みました。私はそこに以下のようにコメントしました。
中川某の暴言にはらわたが煮えくり返ったこともあり、今度ばかりは万難を排してでも抗議の意思を表明したいと思いました。
私と同じように思った人も多いらしく、ネット上でも「今度だけは行きたい」という声を多く目にします。そういう意味では多くの人の背中を押したわけで、あの暴言も少しは役にたったというもんです。弾圧されればされるほど、民衆の怒りはかえって燃え上がるのだと思い知らせてやりたいです。
けど、もともと旧熱田派で闘っていた私が今さら行っても、一部の人から「何しに来た」とか言われないだろうか、農民の方から受け入れてもらえるだろうか、そもそも個人参加の人がデモで入れる場所はあるのだろうか、最後尾にトボトボ一人でついていくしかないのかなとか、いろいろ考えてしまいます。
でも、本当に今回だけはと本気で思います。どんな形になろうとも、精一杯、元気一杯で頑張りたいと思います。20年ぶりです。不安も大きいですが、なにとぞよろしくお願いします。
それに対して鈴木さんから以下のレスをいただきました。
反戦、反核、さまざまな差別と戦う仲間に三里塚は広く門を開きます。 反戦の前に、熱田派も北原派もなく意見の違いは乗り越えられると信じています。 文句は反対同盟農民が受けます。 返事遅れましたがぜひ参加してください。 お待ちしています。
さらに続くエントリーには「考えの違いで現地入りを控えてきた方達も、同じ反戦の仲間としてもう1度、この地へぜひ戻ってきてください。私達農民がお待ちしています」と書かれていました。
はっきり言って、闘争分裂時の内ゲバ恫喝について、中核派の方は、一番良心的な人でもせいぜい「インターへのテロが悪かったって話だろ」「まあやりすぎだったよな」程度にものすごく軽く考えておられるようにしか見えません。そういう認識自体が許せないと感じますし、そのあたりをすべて“水に流す”には罪が大きすぎるとも思います。
ただ、「三里塚闘争」を応援するのに、北原派とか熱田派とか中核派とか言っていたら、いつまでたっても話が進まないし、できることは何でもすればいいと思っています。そうでなければ結局は「脱落派粉砕こそが三里塚闘争勝利の道」という昔の中核派と同じ論理構造(その裏返し)になってしまいかねない。
私としては、別に特定の○○派を支持するのではない、三里塚闘争そのものに支持・連帯するという気持ちで、その第一歩としてもう一度現地に足を運ぶ決心をしました。個人共闘ですので思いはそれぞれとは言え、一緒に参加された方々もみんな同じ素朴な思いだったと思います。この決心は軽いものではないと自分では思っていますが、北原派や旧熱田派として自己を位置づけておられる方が、それをどう受けとめられるかはわかりません。
ですから別に私は北原派支持に「乗り換えた」のではありません。私の気持ちは当時と変わっていないし、これからも別に○○派にこだわらず、旧熱田派の運動も含めて(相手が拒否しない限りは)つながれる人々とつながっていきたいと思います。
今回、そういう決意をもって私は夜行バスに飛び乗りました。そうは言ってもバスの中ではやはり不安感もあり眠れませんでしたが、鈴木さんのコメントには救われた思いで、わりかし気持ちよくこだわりを持たずに参加することができたのでした。
(次回につづく)
TBありがとうございます。今日の京都の集会は天気も良く、集会・デモ日和りでした。
革共同の過去・現在のあり方、所業については、これからも議論や意見表明がなされてくると思いますし、またなされなければならない、こういった動向に注目していきたいと思います。