尖閣問題についての話題

休みがとれたら三里塚報告の続きを書いて、その後に尖閣における中国漁船拿捕事件について書こうと思っていました。でもなかなか休みが取れず、たまに取れた休みはぐったりして家で寝ているというヘタレな有様でして、来月以降までこの状態は解消されそうにありません。書くべきネタとしては今のところ4本くらいたまっているのですが……。

その間にコメント欄にて、尖閣問題についての話題が先行的に出ています。政治ネタとしては旬だったので、まあそれも当然でしょうか。そこでまだはっきりと固まらないまま、私もそれに対するレスとして、先行的に今考えている問題意識の羅列のようなことを書きました。今読み返してみますと、自分で自分の書いた文章に突っ込みを入れたくなる部分もあるし、微妙に考え方が変わっていく過程でもあるのですが、とりあえずそのへんには目をつぶって、今後の整理のために(コメント欄は全文検索に引っかからないため)ここに該当部分を集めておきます。

■投稿日時: 2010 年 9 月 27 日 1:20 AM
http://bund.jp/modules/wordpress/?p=6587&cpage=1#comment-60151

国家は民衆同士の反目を上手に利用する……(前略)それはさておき、言及されておられる事件については、まさしく菅政権にとっては、軍事力の増強維持と、安保体制(属米政治)の維持のための格好の宣伝に使われていますね。また、中国政府にとっても、やはり軍事力増強の口実に今後使われていくでしょうし、民衆の目を「外敵」に向かわせていくことで、国内の問題(人権・チベット・貧富の拡大)から目をそらせることに成功しています。まさに歪んだ共依存です。
 そしてまた、日中両国とも、こういう排外的なナショナリズムの扇動に、まんまと乗せられている人が大勢いる。おそらくにんまりしているのは米中の支配者のみ。日本の菅政権はおたおたしながらその尻馬に乗っているだけ。まさかアメリカは日本を守ってくれるとか本気で思ってるわけじゃないですよね。

 私は日米中は「矛盾的共存関係」と位置付けています。中国はもはや金融資本主義のトバ口にさしかかっており、こういう後発資本主義国は、その拡大を維持するために、旧来の世界的資本主義国ばかりが占有している資源・領土・勢力圏を、新しい力関係に基づいて再分配しなおすように要求するものなのです。戦前のドイツや日本がそうでした。結局これは最終的に世界的な戦争となって決着がはかられていった。しかしそれを可能とした経済的な要因は、植民地と宗主国による垂直的な分業体制と、ブロック的な経済貿易体制でした。政治的には「労働者国家」が裏切って、この植民地分捕り合戦にその一員として参加したことで可能となりました。

 ところが戦後の冷戦体制の中で、この関係は崩れていきます。すなわち、資本主義世界はアメリカ一国を中心として、水平的な経済・貿易体制になっている。これにより、もはや大国同士で資源・領土を分捕りあうような総力戦は事実上不可能になりました。日米中3国についてもその事情は同じです。とりわけ後発資本主義国である中国からの再分割要求は強く、その矛盾は決して解決され得ないものの、今後も矛盾的に共存していく以外に資本主義体制が生き残る道はない。そしてとりわけ米中という大国同士が作り上げる世界秩序に対抗する民衆の闘いや、オルタナティブに対しては、彼らはむしろ対立ではなく共同してこれを抹殺する体制をもっています。日本・沖縄を踏み台にした安保体制もその一つです。

 アメリカにせよ日本にせよ中国にせよ、およそ「国家」を信用するものには、最後には矛盾や犠牲の押し付けしか待ち受けてはいないでしょう。それはすでに戦前の歴史が証明していると思います。私たちはこれら強盗同士の分捕り合戦に対して、そのどこかを支持したり味方したりするのではなく、その全員に対して「おまえらいい加減にしろ!」と怒ることだと思っています。そこでのキーワードはやはり「人権」であろうし、とりわけ中国や北朝鮮などの体制を揺るがすものはそのような民衆の怒りでしかありません。「人権」をキーワードとせず、どこかの「国家」に味方するような態度は、中国や北朝鮮にとっては痛くも痒くもないし、むしろ歓迎でさえあるということです……(後略)

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■投稿日時: 2010 年 9 月 27 日 1:30 AM
http://bund.jp/modules/wordpress/?p=6587&cpage=1#comment-60153

2004年3月尖閣諸島に強行上陸した中国人活動家7人を逮捕する沖縄県警ああ、小泉さんはねえ・・・(苦笑)
後の総理がやったり言ったりしたら、マスコミから袋叩きにされたであろうことも、そのまんまスルーされることが多かったですね。実は失言も多かった人ですし。

鳩山さんが支持率の高かった時代に、「麻生が言ったら叩かれたような発言もスルーするマスゴミ」とかネトウヨさんは言ってましたけど、それは小泉さんの時代も同じだったんだよね。これは「世論操作」で「国民が騙されている」のではなく、政権の支持率や勢いが強かったということなんだと思う。叩いたほうが逆に反発をくらいかねないくらいの勢いが政権にあったということでしょう。つまり事実は逆。

小泉さんがやったらなんとなく「それくらいのこと」とか「妥当な線」に見えても、麻生さんや菅さんが同じことをしたら、今回のように叩かれまくるということが、今起きていることではないかな。

例の船長って、公妨以外に暴行とか傷害とか器物損壊とかついてましたっけ?
現場でもめた「公妨」だけで、かつ初犯なら、まあ処分保留で不起訴というのは、警察や検察の「相場」だろうと客観的には思います。それを本当に「国内法にしたがい粛々と」やってしまったもんで、大騒ぎになったわけです。ちなみに私の場合は公妨・凶準・暴行と3点ついていて、なおかつ初犯ではなく2回目の逮捕だったけど、それでも処分保留で不起訴だったよ(笑

逆にもし起訴するとすれば、それは国家同士のメンツや政治的な理由で起訴されたということになるでしょうね。だから右派の立場にたっても、二束三文の安い「強硬論」や「民主党叩き」をオウムみたいに繰り返していないで、菅政権に対する突っ込みどころはもっと別で根本的なところにすればとか、小泉政権時代からの日本の外交政策を俎上にのせて批判するとかすれば主張に深みが出るのにと、余計なお世話でしょうが思ってしまいます。

※草加注)2004年、沖縄県警が尖閣諸島に強行上陸した中国人活動家7人を逮捕したが、時の小泉首相が沖縄県警に命じて釈放・送還させた事件についての話題。この時、小泉さんは「日中関係に悪影響を与えないよう大局的な判断をするよう指示した」と、指揮権発動をあっさりと認めているが、マスコミや世論も大筋ではスルーした。今回の那覇地検の全く同趣旨の発言は、実はこの小泉時代の先例をふまえた判断だったと思う。詳しくはこちら

■投稿日時: 2010 年 10 月 25 日 12:48 AM
http://bund.jp/modules/wordpress/?p=6614&cpage=1#comment-60182

小泉さんと前原さん……(前略)そう思うと小泉さんって、政治家(パフォーマー)としては、本当にすごい人だったんだなと思います。小泉さんも実は冷酷で強引な人なのにね。小沢さんの暗さと小泉さんの明るさは、まさに好対照でしょうか。たとえるならば、まったく同じ「主家殺し」をやっているのに、悪役にされがちな家康と、ほとんど不問にされている秀吉みたいです。

 関係ないかもしれませんが、尖閣の船長だって、小泉さんなら逮捕したその日のうちに、曖昧なまま送還して終わらせたでしょうね。きっと中国もそう思っていたでしょうが、「粛々と」起訴やら処罰する態度を見せてしまうと、それは尖閣に対する日本の統治行為(司法権・警察権の行使)になってしまうから、中国としては国内世論向けにも引くことができない立場に追い込まれてしまった。きっと中国は民主党のお子様な対応に驚愕したと思う。

 日本の領土だという立場をとっているのだから、あとは「粛々と」やればいいなんて考えていたであろう前原さんの考えの浅さは、靖国参拝で国内向けにはナショナリストを演じつつ、決定的な対立になることを上手に避けた小泉さんの足元にもおよばない。まあ、その分、関係改善の宿題を後の人に押し付け、小泉さんが美味しいとこ取りでうまく逃げたあと、安倍さんがそのせいでグダグダになってしまうわけですが。

■投稿日時: 2010 年 10 月 26 日 9:25 PM
http://bund.jp/modules/wordpress/?p=6614&cpage=1#comment-60186

中国の反日デモで掲げられた横断幕に「不動産が高すぎる」や「多党制を導入せよ」など政府に対する不満を訴えるものがみられた 尖閣のことはちゃんと書かないとと思っています。今のところ、あくまでも国際法とか国際先例などを前提にする限りはという条件をつければですが、尖閣領有については8:2くらいで日本の主張に分があり、ガス田をめぐる大陸棚の境界線争いについては6:4で中国の主張に分があるという「印象」を得ています(まだ詳しく調べたわけではないので突っ込まないでね)。

 よって、「自国の主張を強硬に主張するような『ふり』をしつつ、最終的には『譲歩してやる』という態度で、共同開発という『ひきわけ』に持ち込む」という戦略が、ガス田開発では日本、尖閣では中国がとるべき上策であると思われます。で、理念ある外交よりも、駆け引きに長けているのが良い外交だという考えの人にとっては、国際法的に自国が不利であればあるほど「より強硬な態度をブラフとしてちらつかせておくべき」という考え方になるのかなと。

 そういう発想から見ると中国の反応は理にかなったものであるというか、普通にわかりやすい相手だなあと思いますね。同じ発想から考えれば、日本の戦略としては、こういう「強硬策」には正面から相手をせず、むしろ全部肩透かし食らわせてやるくらいの余裕で臨むべきなのに、おたおたしちゃってほんとにまあみっともないと思いますね。

 今のところこの問題で、一番なるほどなあと思ったのは内田樹さんのブログでの「日本は『負けしろ』が多いことが一番の強み」という見解です(→内田樹の研究室「外交について」)。いくら菅さんがこの問題や他の件でみっともない失敗をしようとも、そのことで北海道や四国が日本から分離して独立することはないし、日本全体が内乱状態になったり、テロが頻発するなんてことはない。時の政府が何回失敗しても、日本という国家自体はいつまでもダラダラ続くわけで、「失敗できる」ということは日本という国の大きなアドバンテージでもあると。

 ところが中国にはそういう余裕がない。尖閣で失敗し、日本に対して領土問題で融和的な「弱腰外交」とみなされれば、たちまち国家が分裂したり転覆したりしかねない。中国は絶対に失敗できないし、引くことができない。強硬路線以外の選択肢がない。だから実際には「余裕の日本、崖っぷちの中国」というわけです。これはまあ、その通りだなあと思いました。日本の「革命派」としては複雑な結論でしょうけれど(笑)。してみると中国を崖っぷちに追い詰めたのは民主党の対中外交だったという皮肉な(?)ことになりますね。

 ところで、日本国内で(中国政府を強く批判している人を含めて)中国人に対する感情的な反感や、大きな差別事件が顕在化しないことは、誰にとっても大きな救いだと思います。日本人はそのことを誇ってもいいと思う。「在特会」さんはまた何か秋葉原でアホなことしているそうですが、かつてのようなインパクトも消え失せ、いい加減冷たい目で見られていますしね。願わくば、一部のトンデモさんが、世界から日本人全体が非難されるような行動に出ないことを祈るばかりです。その場合は左右の垣根を超えた抗議デモをただちに組織すべきでしょうが。

草加 耕助

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当サイト『旗旗』の管理人。建設現場などで働いています。10代からの数年間左翼活動してましたが、現在は特に何ということもない普通のおっさん。今は休みの日に集会などにぶらり参加。そこで知り合った人たちと個人参加者の互助会的にジグザグ会、三里塚勝手連などを名乗りゆるく楽しく連帯中。よろしければご一緒にいかが?。個人としての目線を大切にしていきます。

コメント

    • jrl
    • 2010年 10月 27日

    無事ブログを移転できました。ありがとうございます。
    お礼が遅くなってしまい申し訳ありません。
    ところで、反中共デーに、東京ではデモに参加している人が通りかかった中国人観光客と揉めたり、福岡では右翼民族派の街宣車が中国人観光客の乗った観光バスを足止めした上で罵声を浴びせ、警察に制止されるという事態が起きています。維新政党新風の金友隆幸氏の組織した「排害社」が秋葉原で女性中国人観光客2人に集団で罵声を浴びせる動画も見ました。これら「トンデモさん」たちの行動をしょうもないと思うと同時に、右翼民族派の「在特会化」に深い憂慮を覚えます。

  1. jrlさん>

    自前のブログ開設おめでとうございます(o^∇^o)ノ

    ご指摘いただいたような事件については、ちょうどメールが回ってきましたので、新しいエントリにて言及しておきました。
    しかしこれのどこが「愛国」なんでしょうか?私にはさっぱりわかりません。単純に「日本の恥」「中国や北朝鮮と同列」「同じ穴のムジナ」としか思われません。これが愛国や右翼や民族派なら、私はやっぱり無理だわ。

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