政府・空港会社は8月6日(土)の未明3時頃より夜陰に乗じてコソコソと集結し、早朝5時頃よりついに天神峰現闘本部の破壊に手を染めた。
現闘本部外壁の内側には正式に登記された木造建物が現存したのであり、反対同盟には底地を使う正当な権利がある。空港会社はこれを隠蔽するため、外壁を残したまま見えないように内部から破壊するという、極めて不自然で卑劣な証拠隠滅行為をおこなった。使用されていた重機のネームから、工事業者は(有)西森土木(新座市 東北2丁目34−2−2−808、社長・西森輝男)という解体業者だったようだ。
政府はこの、現在は使われていない現闘本部を破壊するために、封鎖攻撃にはじまって実に21年もの歳月を要さざるを得なかった。しかも全人民が思想信条に関係なく共に喪に服すべき広島慰霊の日を意識的に狙い、未明の闇討ちでようやく破壊したのである。
現闘本部は完成から45年間、三里塚空港の完成を阻み続けた。農民たちは政府を相手に20年以上もその破壊を阻止し続けた。その長い長い現闘本部の闘いの全体を見るとき、これを勝利と言わずになんと言おうか。
現闘本部はこの日、私たちの視界から消えた。「8月6日」にはまた新しい意味が付け加わった。 今はただ、みんなの思い出がいっぱい詰まったこの場所に、「ありがとう。そしてごくろうさま」と言おうではないか。生涯を賭けた闘いの、あらたな20年が、今日、またここから始まったのだから。
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