by ジグザグ会/岩山昇太
戦争法案阻止のたたかいが国会前で嵐のように盛り上がった数日後、1週間弱ですが、辺野古のたたかいに参加してきました。簡単に報告します!
9月22日
朝6時、ゲート前テントに集合。打ち合わせ後、工事車両搬入阻止行動へ。
この間、右翼集団によるテント破壊、それに送迎者を運転していた仲間の不当逮捕と、現場は緊迫していた。そんな今朝、またしても仲間が不当逮捕された!それも、「平和の海 国際交流キャンプin沖縄」で韓国、台湾など東アジアの反戦平和運動をたたかう海外の仲間の一人だ。身重のお連れ合いが、機動隊に取り囲まれたのを見て救い出そうとしたという。私は別のゲートを見張っていたのだが、かけつけるとすでに名護署に移送されたとのこと。
2時半、名護警察署に移動。アジアの仲間たちとともに、「フリー・マイ・フレンド!仲間を返せ」と抗議行動を展開した。糸数慶子議員らも応援にかけつけた。
夜7時には、大浦湾を臨む「瀬嵩の浜」で開かれていた「満月祭り」に参加。地元青年会のエイサー踊りのあと、韓国の仲間がプンムル(農楽)を披露してくれた。逮捕された仲間のことを案じつつ、ちゃっかりオリオンビールを呑んでしまった。
9月23日
6時からのゲート前行動に少し参加。
7時から辺野古の浜近くの「テント2」に集合。カヌーチーム「辺野古ぶるー」に参加するのも3ヶ月ぶり。16艇が出艇したが、これとは別にカヌー教室にも4人ほどが参加。私も4月に来たとき初心者だったので、まずカヌー教室で練習させてもらったことを思い出す。辺野古崎を通り船に曳航してもらい、大浦湾へ。和船がフロートの点検作業をしているのを監視。「工事をやめて」と近寄ると、慌てて引き上げて行った。台風対策の作業か。
時折、沖縄防衛局の船が来て「臨時制限区域に侵入している」と警告してきたり、「これは普天間の代替施設だ」と論争を吹っかけてきた。防衛局に雇われているマリン・セキュリティだ。ある女性の仲間は「普天間は住民から奪って作られた。返還するのが当たり前で、どうして沖縄が代わりの基地を提供しなければならないのよ?」と応答。
平島で昼食をとり、休憩。海は美しいが、対岸に否応無くキャンプシュワブが見えて興ざめとなる。午後は、フロート点検以外の作業はなさそうだと判断し、撤収。
名護警察署に行き、仲間に10日間の拘留延長が付いたことを知る。みな怒り心頭だ。送迎車を運転していて逮捕された仲間も拘留延長されているし、政府と県の「話し合い」決裂後、明らかに弾圧がエスカレートしている。警察署前で抗議行動を続けた。
9月24日
朝7時、「テント2」でカヌーチームのミーティング。今日は12艇で出艇。辺野古崎に移動し、監視行動を行う。相変わらず、キャンプシュワブ内で警備員が「立ち入り禁止区域です!」とやかましい。時折、軍警も様子を見に来る。
10時ごろ、天候不順により撤収することになった。台風が近づいており、ボーリング調査をおこなう作業台船も、入ってくる気配はなかった。
午後、名護警察署へ。逮捕された方のお連れ合いが自らマイクを握ってアピールした。異国で夫が逮捕されたわけで、さぞや心労が絶えないはずだ。弁護士とともに面会に行くご家族を激励しながら、県警への抗議行動を続ける。
夕方、ゲート前テントに戻り、ミーティングに参加した。
9月25日
6時、ゲート前でミーティング。韓国と台湾の仲間が辺野古を去るにあたって挨拶した。韓国の仲間は、済州島の小さな村・ガンジョン(江汀)で進行している海軍基地建設に反対して活動している。辺野古と同様、美しい海を埋め立て、米軍にも提供されるだろう基地建設と体を張って対峙しているとのこと。
そして車両搬入阻止行動の開始。工事用ゲート前でシットイン。体の力を抜いて仰向けに寝た。しかし4人の機動隊に両手両足を掴まれて、排除されてしまった。メインゲート前に移動。沖縄の人々は、米軍車両に対しても「マリーンズ・アウト・オブ・オキナワ!」と抗議をしている。連綿と続く民衆の米軍への抵抗の姿を見た気がした。
休憩していた9時過ぎのこと。作業員を乗せた14台の車両に入られてしまった。いつもは7時から8時代にやってくる。裏をかかれた形である。
10時、名護警察署へ。「普天間基地・野嵩ゲート前でゴスペルを歌う会」が『ウイーシャル・オーバーカム』などを歌って当該を激励。ちなみに、署内には、テントを襲撃した右翼構成員3人も収監中とのこと。かれらを「激励」に来る仲間はいないようだ。
午後、名護市西海岸の羽地内海へ行き、2隻の作業台船が停泊しているのを確認した。
9月26日
6時、ゲート前でミーティング。工事用ゲート前で座り込みを開始。
いつも歌で現場を励ましているYさんが、「安保、廃棄!沖縄、返せ!」と音頭を取りつつ、『沖縄 いまこそ立ち上がろう』等の歌をみんなで歌う。この歌は、『美しき5月のパリ』の替え歌で、いま病気療養中の山城博治さんが作詞したものだ。
「沖縄の未来は 沖縄が開く
戦さ世を拒み 平和に生きるため
今こそ立ち上がろう 今こそ奮い立とう」。
歌『座り込め ここへ』と並んで、辺野古の現場に最もふさわしい歌だ。「今日こそ作業車両を止める」と決意した。
ある参加者は、「翁長知事の埋め立て承認取り消しが迫っている。そうなれば工事そのものが完全に違法となる。しかし我々が有利になればなるほど、弾圧は厳しくなる。覚悟をもって臨もう」。
工事車両が来る、との連絡が入る。情報を聞きつけ、工事用ゲートに向け、メインゲート前にいた人々も応援に駆け付けようとする。ところが、いちはやく乱闘服を着た機動隊が、歩道のみならず車道も含めて封鎖してしまった。そして、工事用ゲート前に座り込んでいた人々を次々と排除し、工事車両を通した。
このとき、座り込みをしていた年配の参加者が、機動隊に排除される過程で意識を失った。しかし機動隊は、「規制線」の外の車道に彼を放置した。信じがたい対応だ。幸い、看護士の仲間がいたので、彼を歩道に慎重に運び、救急車を呼んで病院まで搬送してもらうことができた。
10時半、名護警察署へ。「仲間を帰せ」と抗議活動。「朝露」など韓国の民衆歌が歌われた。
ゲート前に戻ると、台風対策でテントを骨組だけ残して撤収する作業が始まっていた。屋根を外し、荷物をトラックに積み込む。そして深夜、不審な動きがないか交代で警戒する。
9月27日
テントが撤収され、今後の激闘も予想されることから、丸一日、ゲート前行動は休み。海上行動も同様。私もここで辺野古から引き上げることにした。
翁長知事の埋め立て承認取消がいよいよ迫っている。政府はそれでも、ボーリング調査や本体工事を強引に進めてくることは必至だ。そのことはこの間、あいつぐ不当逮捕・弾圧体制にも表れている。これに対し、沖縄の人々は文字通り「島ぐるみ」で埋め立てを阻止する決意を固めている。この沖縄のたたかいに連帯し、全国で「辺野古新基地建設絶対反対!戦争のできる国を目指す安倍政権を倒そう!」の声を上げよう!(岩山昇太)
(月刊『コモンズ』88号への投稿より)
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