投稿者: 司 宮二
大きな自治権限をもつフランスの地域圏選挙で、サルコジ大統領が不信任を突きつけられた。左派連合はその受け皿として大勝し、とりわけ左派内部では新興勢力であるヨーロッパ・エコロジーが躍進した。
一方、そのあおりで今まで右翼サルコジ政権に吸収されていた極右票が戻り、極右政党も支持を回復。何よりも投票率が過去最低水準となった。すでに穏健保守と化した社会党主流派だけが浮かれているようだが、左派連合内部はガラスの結束である。どうにも「憂鬱なる勝利」であることは間違いないようだ。
サルコジ陣営惨敗、右翼政党に勢い 仏地域選第2回投票
http://www.asahi.com/international/update/0322/TKY201003220230.html
フランス地域圏議会選挙(比例代表制)の第2回投票が21日に行われ、右派与党の民衆運動連合(UMP)が社会党を軸とする左派連合に惨敗した。右翼政党・国民戦線は、UMPへの支持を取り込む形で勢力を拡大。失業対策を怠ったサルコジ政権への異議申し立てとみられ、政府は経済政策の練り直しを迫られる。
…投票率は50%以下と地域圏議会選では最低水準にとどまった。これが固定票の多い国民戦線の追い風となり、候補を立てた12地域圏の平均推定得票率で17%を超えた。
…一方、左派連合にとっては04年の前回選挙を上回る地滑り的勝利だった。社会党のオブリ党首は21日、「前例のない勝利」と歓迎。…ただ今回の圧勝は、07年の大統領選以降、党内対立で求心力を失った社会党の復権というよりも、緑の党を軸として結党したばかりのヨーロッパ・エコロジーに支えられたとの見方が強い。…第1回投票では12%を上回る得票で社会党、UMPに次ぐ政治勢力に躍進。…左派連合は今後、次期大統領選に向けて結束を維持できるかどうかが問われる。
…地域圏は複数の県で構成され、鉄道網をはじめインフラ整備や、医療や教育など身近な行政の一部権限を持つ。議会の議員任期は6年で、現職の閣僚や国会議員も原則として兼務できる。
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