私的ミニサウンドデモ＠911-919　システム、セットリスト、及びその説明

　これから9・11の「原発いらない千葉総行動」と、9・19明治公園の「脱原発６万人集会」の参加報告を書こうとしているわけですが、その前に、両方の集会に持ち込んだ、手押し宣伝カー旗旗５号こと、通称「原発いらない号」について独立して書いておきます。説明すると長くなるので、本文でふれるのは面倒だし、さらりと流して書いてしまうには、あまりにも苦労した思い入れがありすぎるので。

　「さっさと集会について書け！」とか真面目な方からは怒られそうですし、こういうことをやりはじめたのは、もうかれこれ５年も前からになります（⇒参照１、参照２など）ので、「まだやってたのか！」とか呆れられそうですが・・・。まあ、こういう、世間一般的な定石の常に斜め下をいくのが、旗旗の他とは違う持ち味ということで、とりあえず許してやってください（強引）。

　今回、9・11-9・19に初登場させた５号は、もはや当初の「手押し宣伝カー」というコンセプトを離れ、「どこでもサウンドデモシステム」と化していました。５年間におよぶ試行錯誤と、コツコツとヤフオクで長年にわたって安く買い集めた機材により、個人（一人）での手押しシステムとしては、ようやっと、ほぼ満足のいく音量と音質に達したと思います。音源の出側であるウォークマンと受側のアンプの音量を共に最大にすれば、まあ「爆音」と言えるレベルになります。これ以上はリヤカーや車両の世界だと思うし、そりゃあ、お金をかければなんぼでもいいもんはあるんでしょうが、手で持って電車やタクシーで運べる、かつ貧乏人でも買える比較的安価なものとしては、もうこのあたりが限界かなと思っています。

◎システム（写真参照）：

　・充電式アンプ CRATE TX50DBJ-BK（出力５０W）
　・宣伝カー（販売車）用スピーカー15W×２ ・同30Wアンプ ・バイク用１２Vバッテリ
　・ポータブルミキサーAT-PMX５P
　・ウォークマンNW-E052　・ボーカルマイク１本
　・カート付背負子「かいだんのぼるくん」
　※以上８点セットで総重量約１５Kgくらい？

　当日の会場を含めて興味を持っていただいたいろんな方に、システム構成や価格についてのご質問をいただきました。値段についてですが、上に書いたシステムの全部を新品でそろえるとしたら、だいたい12～13万円くらいかかるはずです。ですが、私のものはヤフオクでそろえた中古ばかりですし、予算上限を決めてそれを超えたら落札を見送ったりしていましたので、３年がかりで４万円くらい使っています（ウォークマン、および購入後の修理費を除く）。私の場合は試行錯誤しながらでしたので、実際には３年もかけなくても、根気よくやれば数ヶ月でそろうと思います。

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　試行錯誤で失敗ばかりの中から作り上げていった５号（マイナーチェンジも含めると10号以上になると思う）ですが、もし今からやり直すとすれば、頭にくっついている販売カー（焼き芋とかちり紙交換車など）用のスピーカーシステムはいらないと思います。写真には写っていませんが、これを動かすために別のアンプとバッテリーが必要だし、必須というわけではないけどミキサーもいるので、配線が煩瑣で重量も格段に重くなります。

　サウンドデモということで考えるなら、本体（？）の CRATE TX50 だけでいいと思う。もちろん見た目の面白さは半減するし、音量もそれだけ小さくなるけれど、50人くらいの規模ならこれでも充分。何より本体にウォークマンとボーカルマイクを挿すだけで完成という手軽さがいい。値段は新品で実売価格５万円台後半。内臓バッテリーに寿命があり、交換に１万５千円かかるため、ヤフオクでは「バッテリー交換済み」等の表示のあるもので３万くらい、「バッテリー未確認」のものは１万５千円くらいが落札の相場です。

「未確認」の場合は一種の賭けになりますが、私はそれを知らずに１万５千円で落札しました。思ったほどの音量も出ず、３０分くらいですぐにヘタれてしまうのでがっかりしつつも１年くらい使っていました。上記の情報を知ってからも、お金がなくてなかなか踏み切れなかったのですが、思い切って楽器店に修理に出したところ、音量も音質もバッテリーの持ち時間もばっちりで、まるで見違えるような別物になって帰ってきました。

　 TX50 は本来ストリートや小規模なコンサートなどで、エレキギターやリズムボックス、ボーカルをつないで演奏するためのものです。私みたいにこういうアンプの知識がまったく無い人がサウンドデモに使うには、まず、どこに何を挿したらいいかということすらわからないと思います。私は街で見かけたストリートミュージシャンの方の使い方を見たり、尋ねたりして、やっとわかったような次第ですが、同じようなことを考えている方のために、そのあたりのノウハウ（というほどのもんでもないが）も、今後、整理して公開していきたいと思います。

◎使用日：

　・９１１反原発千葉総行動　・９１9明治公園脱原発６万人集会

　サウンドカーの無い通常の市民デモなどにおいて、「どこでもサウンドデモ」を実現することを目的として開発しましたが、年齢層の広い普通の市民デモでは、やはり高齢の参加者も多いことに配慮して、クラブやテクノをガンガンかけることは控えました（高齢者にはただの雑音にしか聞こえないようです）。そこでメッセージがわかりやすい日本語の曲を中心に選曲。歌詞の無い曲や演奏部分で、コールやアジ、スローガンなどをマイクでかぶせるという形にしようと思いました。「こういうのもいいね」とか、「若い人は頑張っているねえ」という反応を期待（笑

◎当日のセットリスト：

　・ずっとウソだったんだぜ remix mashup *1
　　……最初はわかりやすいところからという意図で。
　　　　試聴：

　・サマータイムブルース – タイマーズ版
　　……比較的高齢の方やサウンドデモに免疫の無い人からも受けがいい曲です。
　　　　RC版の「電力は余ってる」もいいけど、タイマーズ版の「あいつらじゃ守れない、卑怯者には守れない」
　　　　の歌詞が、より今日的というか、ほとんど予言していたようにさえ思えて震えがきます。
　　　　試聴：

　・ライディーン（メリノ・オリジナル・クラブ・ミックス） – DJ YOSHINORI
　　……６万人集会呼びかけ人の坂本龍一さんに敬意を表して選曲。
　　　　この曲がかかったところでアジったりコールをいれると盛り上がります。
　　　　試聴：

　・NO MORE – 浪花男（ナニワマン）
　　……市東さんの会のYさんに教えてもらった。レゲエ。
　　　　3,40代くらいの方から抜群に受けがよく、曲名などをよく尋ねられた
　　　　試聴：　

　・言うこと聞くよな奴らじゃないぞ – ECD
　　……サウンドデモの古典。おじさんが歌詞を聞いて笑っていた
　　　　試聴：　

　・Love Me Tender 2011 – Bambooloose
　　……セミプロバンドのBamboolooseさんによるコピー。YouTubeから。
　　　　バンドのRYOさんより「一人でも多くの方の、考えるきっかけにな­ってくれればいい。それが全てですので、
　　　　流してくださり感謝しま­す」とのメッセージをいただきました。
　　　　Bamboolooseのチャンネル・RYOさんのチャンネル・RYOさんのTwitter
　　　　試聴：

　・終わりの始まり – 浪花男（ナニワマン）
　　……NO MOREに同じく。若い人からおじさんまで汎用なのがいい。
　　　　試聴：　

　・ずっとウソだったんだぜ House remix 3 – DJ YUI
　　……「ナウなヤングにバカ受け」状態。是非聞いてみて。周辺の人たちと合唱になって大盛り上がりだった。
　　　　SoundCloud 版ではフルバージョンが聞けます。YouTube 版は途中まで。
　　　　試聴：　

　・チェルノブイリ – ブルーハーツ
　　……古い歌・・・のはずなんですが。
　　　　試聴：　

　・死の商人 – 浪花男（ナニワマン）
　　……「NO MORE」「終わりの始まり」に同じく。
　　　　試聴：　

　・誰にも見えない、匂いもない 2011 – ランキンタクシー & ダブアイヌバンド
　　……これも今や定番。おじさんから曲名を尋ねられた。
　　　　試聴：

　・ダッ！ダッ！脱・原発の歌（セリフ入りVer） – 制服向上委員会
　　……これまた定番になったが、YouTubuからＰＶ版ではなくあえてセリフ入りのものを。
　　　　20代の若い人はセリフを唱和したりして盛り上がったが、高齢の方はイマイチ反応が薄い。
　　　　ところでよく「感動した」とか「応援する」という声を聞くけど、だったらCDを買おうよと思う。
　　　　残念ながら言葉だけじゃ…たりねえ！インディーズ系のアイドルなのでプレス枚数も少ない。
　　　　とりあえずアマゾンと事務所直販は売り切れみたい。タワレコに急げ！
　　　　試聴：　

　・Love Me Tender – RCサクセション
　　……デモの解散地点間近でしんみりしようという趣旨
　　　　試聴：　

　・上を向いて歩こう – 忌野清志郎
　　……最後に盛り上がろうということで。間奏が非常に長いライブ版なので、
　　　　そこでガンガンとアジったり、コールを叫びながら解散地になだれ込もうと目論む。
　　　　試聴：　

　さて、実際にやってみての反応はどうだったか。おじさんやおばさんが中心の普通の市民デモにサウンドデモのテイストを持ち込んで、若い人たちと一緒に盛り上がろうという「異文化交流」は目論み通り成功したのだろうか。その結果は集会報告の本文にて。

*1 マッシュアップ(mashup)とは2つ以上の曲から片方はボーカルトラック、もう片方は伴奏トラックを取り出してそれらをもともとあった曲のようにミックスし重ねて一つにした音楽の手法である。バスタードポップ(bastard pop)、ブートレグ(bootleg)とも言う。

最後まで読んでくれてありがとう！