とりわけ「証拠不充分」という灰色処分のまま、「私はやってない」と繰り返しながら他界された被害者のおばあさまには、本当になんと言っていいかわかりません。こんな残酷なことがあるか!と思います。
流山のパート社員殺人:特命捜査班の初成果 県警幹部、誤認逮捕に後悔の念
(毎日新聞 2012年1月19日 地方版)
…(前略)「本日、真犯人を逮捕しました。当時誤って逮捕された方々および関係者の皆様に心からおわび申し上げます」--。宮内博文捜査1課長と横田正夫流山署長は会見の冒頭で約5秒間頭を下げた。逮捕会見としては極めて異例の展開だった。
捜査本部は当時、田島さんがパジャマ姿で争った形跡がなかったことなどから顔見知りの犯行とみて捜査。田島さんと同居の祖母(当時80歳)から「自供が得られた」として、祖母と当時20代だった姉夫婦の計3人を殺人容疑で逮捕した。だが、3人はその後「十分な証拠がない」として不起訴になった。…(中略)…
田島さんの祖母は事件解決を知らされぬまま、10年に亡くなった。県警は姉夫婦や田島さんの親族に逮捕を報告し謝罪。「捜査結果などを説明し一定の理解は得られた」という。
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2週間信用されず「じゃ逮捕して」そして犯人に
(読売新聞 2012年1月19日)
…(前略)義兄によると、家族は早期解決のため捜査に協力。田島さんと同居していた当時80歳の祖母は足が悪かったが、県警は「面倒みますよ」と連れて行き、事情聴取を重ねたという。そこで「自白」が生まれ、「私たちへの取り調べが厳しくなった」。
深夜に及ぶ任意聴取が約2週間続き、祖母が自白したと捜査員に言われた。「狭い部屋で『やったんだろう』と言われ続けると、本当にやった気になってくる。『やった』と言ったほうが楽になれるとさえ思った」。信用されず、「じゃ逮捕してくれ」と投げやりに言ったら、犯行を認めたと受け取られて捜査員が慌ただしく動き、その日のうちに殺人容疑で逮捕されたという。
逮捕後の聴取で、知らないことは説明できず、怒る捜査員に「現場に行ってないのだから説明のしようがない」と正直に言うと、「じゃあ、何で『やった』と言ったんだ」とどなられた。その後、弁護士がついて祖母は否認に転じ、3人は釈放され、不起訴となった。「真実がやっとわかったという安堵(あんど)もあるが、警察への不信は今もある」
田島さんの母(66)も「いつか汚名はそそがれると信じて生きてきた。ストーリーをでっちあげ、家族を誤認逮捕した警察は許せない」。祖母はすでに他界したが、生前「私はやってない」と繰り返していたという。
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「理解は得られた」なんてまるで「迷惑かけたが解決した」とでも言わんばかりの発想でいるうちは、千葉県警は同じことを何度でも繰り返すでしょうね。一生背負っていけ!常に思い出せ!後世に伝え続けろ!ということです。今回逮捕された「真犯人」についても、一審の結果を見るまで、もはや千葉県警の言うことは信用できません。これは他人事ではありません。明日、いえ今日にもあなたの身におこることかもしれません。それは普段の行いとかそういう問題ではなく、単に確率の問題にすぎないのです。
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