by jrlアニメ
さて遅くなりましたが先月までのアニメをレビューいたします。
リコリス・リコイル
今期のオリジナルアニメです。社会に危害を加えようとする存在を陰で抹殺する組織「DA」において対象を殺さないで闘う2人の物語です。
DAを構成する要員「リコリス」は戸籍の存在しない孤児により構成されるチャウシェスク政権下の秘密警察のような組織で、たとえ彼女らが殺されてもかかわった事件は事故として処理されます。仲間が死んで悲しむ描写なども終盤までなく、消耗品としての扱いが徹底されています。
ストーリーはやや粗がありますが命を救われた意味を不殺に見出し、パートナーのたきなをはじめ周りを変えていく展開は過去のアニメにありがちな設定やストーリーの粗さを差し引いても面白かったです(むしろをシリアスになりすぎないにしているという印象です)。
最終話の結末は見てすぐだとやや違和感を感じましたが、自分の命を救った恩人の業をすべて背負って生きるという意味でよいのではないかと思えました。虚構の平和に投げいれられた真島という石が生み出した波紋は消えず、疑問を持った人々は止められません。もしかしたら続編が作られるかもしれません。
シャドーハウス 2nd season
昨年放映されていたアニメの2期目です。生き人形とシャドーの関係が明らかになり、館の謎も深まっていきます。
人間を生き人形として洗脳し、搾取する館に抗おうとするエミリコとケイトの闘いはこれからです。
彼女、お借りします 2nd season
同じく昨年放映されていたアニメの2期目です。少年誌のラブコメということで温和な展開になっていますが、和也のセリフだけみるとキャストにのめり込むダメ男のため、描き方によってはかなりハードで荒んだ展開にもなりえそうです。それが逆にそそられました。
昨年のレビューでも「闇金ウシジマくん」のフーゾクくんとの共通点について触れましたが、佐野も和也もダメ人間ですが多少方向性は違うように見受けられます。
佐野は何も積み重ねないまま中年になり、自己肯定感が薄い一方でプライドは高い男です。そのためその場限りの自己肯定のために嬢に依存しています。一方和也は若さゆえに自己を見いだせない20歳前後の大学生で、夢を懸命に追いかける一ノ瀬さんにほだされています。
佐野は終始自分のこと、目先のことしか考えられないクズさとどうしようもなさが際立つダメ人間ですが、和也はところどころまじめで他人にやさしいのでダメさが際立つダメ人間です。両方とも現実にいそうな妙なリアリティを持っています。
水原さんと和也の関係は容易にウシジマくんの瑞樹と佐野の関係に転化しそうです。和也は自己を見いだせないままだらだら過ごし、水原さんが自分の夢にしがみつくようになって両方とも三十路近くになったらウシジマくんの世界になります。そのころには七海さんか更科さんか和也による刃傷沙汰が起きていそうです。
少年誌の漫画なのできっとそんな展開にはならないでしょうが。
賭ケグルイ双
「賭ケグルイ」の早乙女芽亜里を主人公にしたスピンオフ作品です。
徹頭徹尾ギャンブル狂の夢子に対して、のし上がるという目的を持っている芽亜里は変人だらけの学園の中である意味正気を保っています。仲間を信用し、ともに戦うその姿は最初に夢子と戦った時からは想像できません。続編を期待しています。
邪神ちゃんドロップキックX
2020年に放映されていたアニメの3期目です。制作資金をクラウドファンディングとふるさと納税で集めて制作したとのことで、邪神ちゃん一行が北海道に行ったり長崎に行ったりと旅番組と見まがうような内容です。
資金調達手法の是非はさておき、それがまた作品を混沌としたものにしています。私はこの作品に正気など期待していません。
なお4期目の制作資金を現在クラウドファンディングで募集しているとのことです。
はたらく魔王さま!!
9年前に放映されたアニメの続編です。9年前に書いた感想を見てみるとだいぶ辛辣なことを書いていましたが、今観るとラノベアニメとしてはそこまでひどくはありません。しかし9年の歳月は長く、どうして今2期目を制作しようとしたのかはよくわかりませんでした。
今月からは「SPY×FAMILY」「ポプテピピック」などを観ていく予定です。
(jrlアニメ)
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