by ジグザグ会/S・K(高校生)
2013年になっていくつかの運動に顔を出した学生の立場から、去年の総括と今年の抱負を寄稿する。
私は一応受験生であり、運動ばかりではいけないということで数を絞ったが、その結果、なかなか普通では近寄りがたいような所にばかり顔を出したと言える。そこで最も私を驚かせたのは、権力の弾圧の激しさと、それに対する世間の無関心であった。
通常のデモの場では、警官や公安を敵視する風潮はなく、特別暴れたりしない限りは手を出されないのだと思っていた。しかし、三里塚では私服による監視と尾行が常態化しており、市東さんの家に出入りする車を威圧するように真後ろから付けてくる。10・13では、デモ開始直後から数十人の隊列を凄まじい数で取り囲み、楯まで持ち出してきたのを実際に体験した。
特定秘密保護法に関しての、石破の「デモはテロ」発言を待つまでもなく、弾圧と不当な逮捕は現在進行形で行われているのであるが、この事実が、以前の私も知らなかったように、知られていなさすぎるのではないか。警察は仕事をやっているだけなのだから、と彼らを擁護する意見もあるが、機動隊は在特会のデモをカウンターから厳重に守っているのに、8・15反「靖国」行動においては右翼のカウンターを真剣に止めていないことからも、警察が恣意的に「仕事」の対象とやり方を選んでいるのは明らかである。
そもそも、我々の怒りの表現であるデモにおいて、警官に誘導されながらしか歩けないということに疑問を覚える。ジグザグデモをやろうという主張は、現状では実現するのは非常に難しいが、デモを怒りの抗議運動とするために絶対に正しいだろう。
また、東京では学生や20代の若者が中心となった活動の界隈が小規模ながら存在するのだが、そこに対する弾圧も激しくなっている。東池袋にある「共同運営実験スペースりべるたん」は、自主生存・異文化交流・文化発信の理念を掲げるシェアハウスで、活動家も多く集まっているのだが、昨年8月には公安警察の家宅捜索が入り、居住者の青年が一人逮捕されている。「組織対策犯罪法」容疑とのことだが、彼自身は活動とは距離を取っており、明らかな不当逮捕である。
法政大学では2006年から学生運動に対して激しい弾圧が加えられており、「特定の過激派を排除する」という名目で学内の政治運動そのものを潰そうとしており、学祭での全面禁酒(キャンパス内での飲酒だけでなく、アルコールの入った者の入構そのものを禁止)など、学生の自由も大きく侵害されている。正門の前の公園で飲み会をしているだけで警察が来るほどだ。
以上、昨年私が体験したか身近に起きた弾圧について書いてきたが、私が見た中でも若い学生活動家たちのパワーは凄まじく、間違いなく弾圧を跳ね返して闘い続けられることを確信させられた。私も彼らの一員として闘うことを今年の抱負として、拙文を締めくくりたい。
(月刊『コモンズ』第67号への投稿より)
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