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菅政権の原発推進の動きに注目しよう

by 味岡 修

 いつもと変らず街路樹は日々紅葉を深めている。とりわけ、暮れなずむ闇の前の銀杏は綺麗だ。「金色のちひさき鳥のかたちして銀杏ちるなり」と口すさみたくなる。でも街はいつもの活気と言うか、師走だという忙しさの感がない。今日は日曜日ということもあるのかもしれないが、それにしてもという思いがする。経済を回すというけれど、人々の気分がこんなままでは、とてもとてもと思う。

 菅政権も口ではコロナ対策をいうが安倍政権と同様に無為無策であり、引き継がないでいいものを引き継いでいる。その菅が成長戦略としてうちだしているのは脱炭素社会であり、二酸化炭素温室効果ガスの2050年実現である。脱炭素社会はいいが、気候変動に対応していけるのは基本において「低成長経済」であって、成長戦略としてそれを構想するのは間違いである。

 脱炭素社会ということになれば、エネルギー問題が問われるのは必然であり、特に石炭火力の処置が問題になるが、菅は代替として再生エネルギーも一応口にするが、原子力を持ち出す。原子力は環境を汚さないクリーンなエネルギーというわけだ。福島第一原発事故以前の原発神話の一つへの戻りである。

 彼は福島事故を総括しようとしていないが、原発がクリーンなエネルギーだということについての疑念とこの間に展開された議論を踏まえていない。本当に人を馬鹿にした対応である。僕らは原発安全神話にそうやすやすと戻れないように、原発がクリーンなエネルギーだという神話にも戻れない。

 僕らは菅に言いたい。原発と環境汚染について福島第一原発事故以降の議論をどう考えているのだと。無知が栄えた試しはないというが、無知の上に築かれた神話をそのまま踏襲するのか。僕らはこうした原発事故の検証も、以前の神話に対する反省も踏まえない原発推進論を認めないし、座視はしない。コロナ禍で人々が悩み、内向きになっているのをみはらって、原発推進をすすめようとする愚策を許さない。動き出した原発推進に注目しよう。

味岡修(三上治)

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味岡 修(三上 治)souka
文筆家。1941年三重県生まれ。60年中央大学入学、安保闘争に参加。学生時代より吉本隆明氏宅に出入りし思想的影響を受ける。62年、社会主義学生同盟全国委員長。66年中央大学中退、第二次ブントに加わり、叛旗派のリーダーとなる。1975年叛旗派を辞め、執筆活動に転じる。現在は思想批評誌『流砂』の共同責任編集者(栗本慎一郎氏と)を務めながら、『九条改憲阻止の会』、『経産省前テントひろば』などの活動に関わる。