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四、八三年春夏大攻勢の圧倒的貫徹により克ちとるべき主体的課題
われわれが八三年春夏大攻勢の大高揚を通じかちとるべきものは、政治組織的課題としては、
(1)ポーランド、中南米、アフリカ、韓国などでの階級情勢の高揚、ヨーロッパ・アメリカにおける反戦反核闘争の大爆発に呼応するものとして、中曽根ファシスト政権の改憲・軍拡・核武装化攻撃と真っ向から対決しきり、これを打倒する日本における階級闘争の高揚を原則的につくりあげていくこと。
(2)わけても八・八パイブライン供用開始による三里塚二期着工攻撃の切迫性をふまえ、8月戦艦ニュージャージーの横須賀寄港、戦域核ミサイル・トマホークの第七艦隊配備を実力で阻止すべくありとあらゆる闘争形態をもって闘いぬくこと、もって日本階級闘争の反帝反侵略闘争としてのうねりを大衆的実力闘争の高揚としてつくりあげていくこと。
(3)全国住民闘争なかんづく三里塚闘争のエコロジー的変質に対してこれを批判しきる立場にたち、第二の光州蜂起をめざす安保-日韓体制打倒潮流としての旗幟を鮮明にし、三里塚二期決戦勝利の闘争陣形をつくりあげていくこと。
などに収斂されるものである。
そこではとくに一月の訪韓・訪米、四月の東南アジアASEAN諸国歴訪をつうじ、安保-日韓軍事同盟の強化を、NATOと同等のものとして作りあげようとし、「戦後史の転換をはかり」「タブーに挑戦する」ことを宣言した右翼ファシスト中曽根内閣の露骨な戦争遂行能力構築の策謀に対し、既成左翼・社共が全くの闘争放棄の立場に立ち、何らの大衆的反撃を加えることもできないことを鋭く突き出さなければならず、そのために全国住民闘争なり草の根運動などが高揚の芽をもちつつ方向性を失って分散化し、政治的展望を喪失していることを暴露しきることが必要である。
同時にそれは60年代後半から70年代初期にかけ、日本帝国主義の軍事外交路線との対決を環としてベトナム反戦闘争を主軸に前進を続けた革命的左翼の闘いが、第二次ブントの崩壊、全国学園闘争の中教審-大学管理法案を通じての解体局面後、主流派となった革共同両派のセクト主義にもとづく内ゲバ戦争への突入によって後退を重ね、70年代~80年代の今日までを通じプロレタリア日本革命の正義性、大義性さえも喪失させるような混迷をもたらしつづけている問題としても批判されねばならない。これを内的に克服する方向性をもった独自の政治潮流の登場としてわれわれ自らを日本階級戦線に刻印しきることこそが必要なのである。
だがそのためにはわれわれには闘う日本人民の信頼をあおぐにたる党的展開力、党的戦闘力の蓄積が焦眉の課題であり、これを作りあげていく闘いとしての位置を83年春夏大攻勢はもたなければならないのである。
それは現実的、実体的には
(1)全人民的政治闘争の戦略的領導を保持しうる党的動員力の形成、戦略的中核部隊の拡大を課題とするのであり、
(2)その力を背景にしつつ日帝国家権力の警備公安警察体制、破防法型治安弾圧体制の確立と正面きって闘いぬける闘争遂行能力の蓄積が必要である。
まさにゲリラ.パルチザン戦闘の遂行はそのような戦闘力の党的確立へむけてのわれわれの実践であり、重大な決意をもって臨むべき勝利にむかっての試練であることが確認されねばならない。
さらにわれわれが党的展開力を真に高めあげ、構造化されたものとするためには、
(3)共闘関係の従来の枠にとらわれない拡大とその領導が必要であり、統一戦線問題の重視とそのための専門家の養成はいまや必須の党的課題と言わねばならない。
3・27闘争をめぐる中核派との攻防の過程においても、三里塚現地におけるわれわれの政治展開が背骨性をもち、独自の政治主張と主体的かかわりにもとづいたものであったなら、現地の自然発生性に拝跪した結果としての中核派との「党派戦争」事態に至るまでの必然性は全くなかったといえるのである。それは中核派の非をなじるだけでこと足りることではなくわれわれ自身の不充分性、弱さの露呈でもあることを認めないわけにはいかない。
少くとも3・27を前後する『戦旗』紙面での主張、つまり党的意志統一と三里塚現地の現場的状況に空白がうみ出された点を切開しない限り、ということはそれを埋める組織指導と政治の不在から問題を解きあかしていかない限り、「どうしてあんなことになったのか」を構造的に対象化することはできないのである。ここでわれわれがなすべきことはあれやこれやの解釈であってはならない。もっと実体的な主客の動きの分析が必要なのであり、そこでの主体的かかわりのリアリティーの把握にこそ、今後の克服の一切のカギはひそんでいるといわねばならない。
なおかつ83年春夏大攻勢の過程を通じて把みとるべきこととしては、
(4)圧倒的な党的動員なり政治展開を支える柱となる機関紙誌発行体制の充実の問題もあげられる。つまりイデオロギー的豊富化や政治理論としての正当性が党派闘争のつよまりにつれ今後ますます必要となるわけであるが、そのためにはイデオロギー的普遍性をもった理論家、ライターの養成が集中的になされていかなければならないのである。
もはやここまで党勢が発展し、プロフェッショナルな政治組織力が党的展開の保持のためそれ自身としても必要とされる現在にあっては、手工業的なごまかしとか、個性一般の在り方で全党を領導し闘いを組織することは全くできない。そもそも革命党が言語を媒介として、意思の伝達をもって機能する組織体である以上、マルクス主義革命理論の主体化とそのつきつめの能力、その発現を通じての党的指導の貫徹は必要不可欠な条件である。
しかしわれわれはそうした理論家の養成に未だ成功しきってはいない。それは若年層であろうと経験が乏しかろうと、より少い年月でその力を蓄積した主体としてイデオロギー的対象化能力を有するものを党的に引き上げていかざるをえない客観性の下に、現在われわれがおかれていることを意味するのであり、それを通じての機関紙誌発行体制の充実、内容的豊富化が、圧倒的な動員的飛躍のためのカギをなすものである。これを具体化しなげればならないのである。
ゆえにつきつめていえぱ、5・22を皮切りとし8月闘争までも展望する春夏大攻勢こそは、文字通りわれわれ戦旗・共産同が本格的な革命党・革命勢力として独自の力を発揮し、党的に確立していくための「党のための闘い」としても措定されねぱならないのであり、この過程を通じることによっていくつかの党的ビューローを組織的に確立しきり、しかもこれを実体的に支える主体を養成しぬくことが問われているのである。
三~五月の試練を主体化し、試練をかいくぐった蓄積において、次の前進をつかみとることが今やわれわれに問われているのであり、風がやんだから又元に戻れというのでは断じてないのである。この十年間で最大の外的危機として八三年春を受けとめ、試練をのりきった地平にたつ主体としての次の一歩を印すこと、それが春夏大攻勢の戦略的位置である。そのためにはいくつかの党的ヘゲモニーの移行は必然的なものと考えざるをえず、当然組織的配置転換もなされねぱならない。
それはある意味では年功序列的に形成されてきたともいえるわれわれのこの十年間の党建設の在り方を、ここにおいて近代化する試み、現在の党勢と実情に応じた切り替えとして党の指導性を一新する闘いとして打ち抜かれねばならず、この位置から春夏大攻勢を峻烈な問題意識のもとすべての同志諸君が闘いぬくことを求めるものである。われわれが第二次ブント的空洞化におちいることなく将来も勝ち進むために、全党全軍の同志諸君がこれに協力し、尽力することを要請したい。
まさしく中曽根ファシスト政権の成立以来日帝の軍備拡張、侵略反革命政策の強化は、まさに列島の「不沈空母化」として急ピッチで進められているが、防衛庁の兵器などの正面装備調達費だけをとってみても、八二年度調達実績で1兆1270億円にもたっしているのである。81年度が7500億円であったこととの関連でも、3700億円、実に50%の増大ぶりなのだ。これは一機100億円を上回るP3C対潜哨戒機、F15迎撃戦闘機の大量調達のためだが、これがさらに83年度では1兆5000億円まで増大される予定なのだ。
四海峡封鎖やシーレーン一千カイリ防衛の実現において、日米韓軍事一体化が進められている時、そのホコ先は闘うアジア人民にむけられるわけであり、侵略反革命戦争を自国帝国主義打倒の内乱に転化する戦路の構築、その政治展望の具体化が今われわれに求められているのである。
問われていることは現代帝国主義分析の正しさとか、政治主張の正当性一般にあるのではない。それを一歩突っ込んだ地平において日本労働者階級人民を具体的な反帝反侵略闘争に組織化し、前衛党として闘いを領導しきる実践力をつくりあげることがわれわれの課題なのである。アダチ分派問題後十年の歳月を経、ようやくそれを己の主体的任務として課すべき地平にまでわれわれは辿りついたのである。ここまで前進をとげた以上、われわれの存在を無視黙殺して日本階級闘争の推移を考えることなど誰にもできないし、第四インターやアダチグループが反戦旗包囲網の形成を矮小な形で追求しても、そんなものは絶対に成功しはしない。もはやわれわれが内的な崩壊をとげぬかぎり、革命党と革命勢力としてのわれわれを圧殺することは絶対に不可能であり、レーニン主義的な前衛党は常にそのような位置にたつものとしてのみ成立する。この地平をガッチリとふまえぬき、新たな飛躍にむかっての党的長征として、全身全霊をかけて83年春夏大攻勢の大勝利をかちとろうではないか。
すべての同志・友人諸君!闘う主体としての已の根底的飛躍、革命的共産主義者としての自已形成の貫徹をかけ、乾坤一擲の決意をもって春夏大攻勢の大爆発にむけ突っ走れ!これまでの訓練、自已強化の闘いが本当に主体化されたものであったのかどうかをこの試練に已をさらしきることによって検証せよ!われとわが身に流れる革命的共産主義者としての全思想性、全精神をこの闘いの勝利に傾注しぬき、明日を闘いとろう!
「内戦の時期には、プロレタリアートの党の理想はたたかう党である。これは絶対に争う余地がない」
という「パルチザン戦争」におけるレーニンの引用をもって結語とする。
(1983年6月)
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