連続二週の台風、ちょっと心配した裁判も無事終り秋の陣へ

投稿者:味岡 修(三上 治)
言論の自由・検閲。秘密保護法

by 味岡 修

テント日誌10月14日(火)
経産省前テントひろば1130日 商業用原発停止391日

 連続二週の台風、それにしても今年はよく来るね。テレビはむかしと同じ調子の報道スタイルであるが、実際は台風もかなり変わってきているのだと思える。僕らが子供ころの台風はまだ牧歌的なとこともあった。高校三年のときの伊勢湾台風は別であるが…

 子供ごころに農作物の被害は心配したけど、台風が弱まったとき、あるいは去った後に紅葉の始まったばかりの濡れた落ち葉を踏みしめ山道を歩くのは風情があった。台風(野分け)というイメージにすっぽりとはまっていたというのだろうか。

 だが、最近の台風はこの枠組みを壊した異常さが目について仕方がない。集中的な降雨には情緒も風情もない。季節の構造というか、自然の循環に大きな異変か、きしみが生じているのだろうか。

 経産省前テントもさることながら、久見崎海岸のテントは気になってしかたがない。どうやら、現地の面々は二つの台風とも凌いでくれたらしい。海亀が砂浜に上がってくる季節が待ち通しいが、今年はもう台風はいいよと言いたい。

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 台風だけでなく、二週連続での右翼の襲撃もあった。こちらは多くの方から心配をいただいた。心配して駆けつけてくれ人も多く、またメールもいただいたがあらためて感謝をしたい。この襲撃に対して中には警察に被害届を出した方がいいという配慮=意見(?)までいただいてもいる。その気持ちは分かるつもりだが、僕の立場を記しておきたい。

経産省前テント広場がネトウヨから襲撃
ネトウヨに破壊されたテント

 テントは『非暴力・不服従』の立場で展開することを基本としており、人体の被害に関わらない限りは自己防衛的な対応もしないことにしている。自己防衛というのは境界を引きにくいこともあるが、彼らの襲撃目的にもよる。彼らの目的は自己宣伝もあるが、ここでの対立を際立たせ、それによって警察沙汰にすることだ。

 これは特にザイトク系とみられる面々の場合であるが、彼らは自分たちを「被害者」にみせかけて僕らを訴えようとする。以前にこちらが近づくだけで被害者届が出せる場面が作れないか構えていた(そういう写真もとろうとしていた)。そして、少し押し問答になっただけで彼らは被害届けを出して、警察の調べでこちらはいくらか面倒なことになりそうになった(彼らのとても卑屈な対応にびっくりもしたが狙いも分かった)。

 今回は逆にこちらが被害届をだすということだが、この結果として同じようなことになっていくのは避けたいと思う。それで被害届けを出さなかっただけだ。別に左翼的立場で、警察と関わりたくないと思って被害届をださないということではない。現段階では彼らの襲撃目的の土俵には乗らないことを考えているだけである。

 今後のことは分からないが、僕らは自己防衛の範囲も限定して対応しようとしているのである。愉快なことでないのは確かだが、今は、右翼というか、こうした面々の動きが活溌になってきた背景を見て行きたい。再稼動の動きが本格化することで色々の事が起こるのだと思う。これは今後いろいろと出てくると思う。

 ただ、僕らは「非暴力・不服従」の立場を貫いて対応して行くだけだが、暴力行為への対応ということは今後もでてくるかも知れない。過剰にも過少にならず、ゆったりと対応したい。

 14日は台風の襲撃と朝早くからということで心配されたテント裁判があった。幸いなことに台風は明け方には通過していて裁判にはいつもより少なかったが多くの人が参加して頂いた。これについては傍聴記も含めた報告をしていきたい。裁判が重要な段階を迎えているので関連のするものを続けて掲載していく予定である。(三上治)

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味岡 修(三上 治)souka
文筆家。1941年三重県生まれ。60年中央大学入学、安保闘争に参加。学生時代より吉本隆明氏宅に出入りし思想的影響を受ける。62年、社会主義学生同盟全国委員長。66年中央大学中退、第二次ブントに加わり、叛旗派のリーダーとなる。1975年叛旗派を辞め、執筆活動に転じる。現在は思想批評誌『流砂』の共同責任編集者(栗本慎一郎氏と)を務めながら、『九条改憲阻止の会』、『経産省前テントひろば』などの活動に関わる。