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自由と権利(反弾圧)

2008.07.05 大阪府警西成署の暴力を許さない!緊急集会報告

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 もう1ヶ月以上前のことになってしまいますが、去る2008年7月5日、大阪の釜ヶ崎で開催された「大阪府警西成署の暴力を許さない!逮捕した仲間をかえせ!7・5緊急集会」に参加してきました。西成署による暴行事件については、こちらの記事に経過が書いてあるので詳しくはそちらをみてください。

 ともあれ、そろそろ載せる機会を失ってしまいそうですので、簡単な報告だけでもしておきたいと思います。

ただ人として抗議の表明をしたかった

 とにかく今回の大阪府警の滅茶苦茶な暴力事件には腹が立って仕方がなく、何もできない自分が歯がゆくて、せめてこの集会にだけは何とか参加して抗議の意思を表明したいと思い、前の日の深夜に高速バスに飛び乗り、ひと晩かけて、大阪まで行ってきました。大阪に着いたその日の夜にまた高速バスに乗って日帰り、そのまま出勤というかなりの強行スケジュールでした。

 大阪に着いたのは早朝の8時ぐらい。3時からの集会にはまだまだ時間があったんですけど、一人で久しぶりに釜ヶ崎の中をブラブラと歩いていると、職安センターの前で今日の集会のビラを巻いておられた主催者のお一人をお見かけし、声をかけて少しだけ手伝わせていただきました。他にも釜ヶ崎の労働者の方が何人かいて、紹介していただき、パンと飲み物をいただきながら少しお話する機会がもてました。

 その後、集会まで自由行動ということで解散になり、とりあえず会場の釜ヶ崎三角公園に行きました。公園内ではちょうど地区の労働者の皆さんによる当事者のボランティア活動として、労働者への炊き出しが行われており、この日は枝豆を配っておられました。冷凍枝豆の袋をそのまんま茹でて配っておられます。通りかかった私も「一つ持って行き!」と労働者の方にすすめていただきました。ただ、あんまりとお腹が空いてなかったので、できるだけ小さい袋をとろうと捜していますと、奥で枝豆を茹でていた炊事係のおっちゃんから「選んでたらあかん!」と怒られてシュンとしてしまいました(笑

 カンカン照りの炎天下の中、ベンチに座って枝豆を食べながらあたりを見ていますと、公園で寝泊りしているらしい人が10年くらい前に来た時と比べてもすごく増えているように感じました。また、あたりを歩いてる労働者が高齢化しているのが、ちょっと見ただけでもよくわかりました。

西成署は暴行事件の反省を表明すべき

 そのうちやっと集会の時間が近づき、人も集まりはじめました。集会に先立って名古屋の笹日労の方によるウクレレでのパフォーマンスがあり、司会の方の挨拶に続いて「6・13救援会」の方より、抗議行動への弾圧状況の説明がありました。

 とにかく、逮捕者の数さえわからない、弁護士が正式に問い合わせても西成署はいっさい状況を教えようとせず、弁護活動の妨害をしている現実が報告されました。かなりの抗議行動の末にやっと状況が判明し、今一生懸命救援活動をしているということですが、どうも逮捕者は全員、片っ端から起訴されるのではないか、かなり長期の救援を覚悟しないといけないという見通しが報告されました。

 西成署は自分たちの暴行事件がきっかけで、大規模な抗議行動が展開されたにもかかわらず、日常茶飯事のように繰り返されてきた暴行を反省するどころか、その責任をすべて労働者に押し付けようとしているという印象をもちます。暴行を受けた労働者の相談に乗り、暴行事件発覚のきっかけになった労組幹部を令状逮捕し、これを「暴動の黒幕」などと呼んで、責任転嫁の印象操作をなそうとさえしています。

詳細な事実報告と各地からも連帯

 続いて「暴動」のきっかけになった。暴行事件の相談に乗っていた釜ヶ崎合同労組の方より、西成署による暴行事件の非常に詳細な報告がなされました。とにかく、マスコミを含め、いろいろなデマや無責任な噂が流されてます。そのことを踏まえ、できるだけ客観的に時系列に沿った。大変に丁寧な事実報告がなされました。

 その後、各地の人々による連帯挨拶にうつりました。まず、釜ヶ崎の当事者団体である特就労組、キリスト教協友会の仲間からの挨拶があり、続いて東京から駆け付けた。渋谷のじれんの仲間からの挨拶。それに続いて釜ヶ崎パトロールの会からの挨拶がありました。釜パトの仲間からは、今の北海道で開かれているサミットにも、仲間が抗議行動に参加していること、ネットカフェ難民で住むところのない若い人たちが、違法な建設日雇い労働現場にむちゃくちゃな労働条件で次々と放り込まれているといういう状況があるという報告をしてくれました。

 続いて笹日労の仲間からの発言、連帯労組からの挨拶がありました。この日も連帯労組の方は大勢参加されておられ、代表して門真市議でもある戸田ひさよしさんによる。元気な発言がありました。続いて、関西合同労組、北大阪合同労組の仲間からの発言があり、最後に集会決議・西成署への抗議声明(このエントリ末尾に転載)を採択してデモ行進にうつりました。

西成署に抗議デモ

 デモ行進では釜ヶ崎の労働者の人たちを先頭に、西成署の前を通るコースを怒りを込めそして元気に歩きました。西成署の前ではしばし立ち止まって、抗議のシュプレヒコールを叩きつけてきました。この日はちょうどサミット初日でもあり、西成署も手薄だったのかもしれません。あまりにもひどすぎるような弾圧はなかった印象です。

 労働者たちのデモ隊は地区内に抗議の声を響かせて職安センター前までデモを貫徹し、最後に「多くの人々が私たち釜の労働者に連帯して駆けつけてくれた」ということが確認され、今後も被弾圧者の奪還、暴行の謝罪を求めて闘うことを確認して解散しました。

 私はその後、深夜に夜行バスが出るまで、三角公園にある街頭テレビの前で、労働者の方々と時間を過ごしました。
 街頭テレビは夜の11時で消されるのですが、その直前に北海道のG8サミット抗議デモの様子を報じるニュースが流れました。映像でみる限りは、およそ「混乱」などおこりようのないユルい(平和的な)デモのように見えましたが、ニュースの最後に「4人が逮捕された」などと言っていて、びっくりしました。テレビの前の労働者たちも「へぇー」という顔を見合わせておられました。

 その時には「また機動隊の挑発のせいで小競り合いになったのかな」くらいに軽く(?)考えていたのですが、実際には北海道に押しかけた大阪府警が、デモ隊に襲いかかって車を破壊し、その様子を撮影したマスコミ(カメラマン)まで証拠隠滅的に逮捕して映像が当日のニュースに流れないようにするなど、想像を絶する大変な弾圧が行われていたことをあとで知りました。大阪府警めちゃくちゃや!\(◎o◎)/!

集会決議・抗義声明

 2008年6月13日から6月17日まで、釜ヶ崎で日雇労働者は西成署を糾弾する闘いに起ち上がった。結果的に暴動という形態で起ち上がった日雇労働者らによる闘いに対し、大阪府警・西成署は、大量の機動隊と高圧放水車により、徹底的に力で封じ込めようとした。この結果、機動隊の隊列の中に引きずり込まれて、リンチを加えられた労働者や、高圧放水車の放水により、肋骨を骨折したり放水を右目に受け、手術を受けなければならないほどの重症を負った労働者も現れた。

 そして、大阪府警・西成署は18人の労働者を「公務執行妨害」の容疑等で現行犯逮捕し、釜ヶ崎地域合同労働組合(釜合労)の稲垣浩委員長も、6月18日に、「道路交通法違反」の容疑で令状逮挿された。さらに現段階(=2008年6月27日現在)では、すでに4人の労働者が起訴されるに至っている。私たちは、大阪府警・西成署によるこの弾圧を許さない。そして同時に暴動という形態で起ち上がった日雇労働者らを支持する。

 今回の日雇労働者らによる西成署を糾弾する開いは、労働者Aさんの訴えが発端となった。2008年6月12日の夕方、Aさんが飲食店での出来事から西成署に連れて行かれ、そこで警察官によって暴行を受けたというのだ。

 翌日の2008年6月13日、Aさんから相談を受けた釜合労は西成署前での抗議行動を行った。釜合労が抗義行動を行うと、続々と日雇労働者らが西成署前に集まり、抗議行動に合流。そして労働者は、暴動という形態で西成署を糾弾する闘いに起ち上がったのだ。この労働者の闘いに対し、西成署は「(Aさんへの)暴行の事実はない」というコメントを発表したのみで、後は、大量の機動隊と高圧放水車までをも動員し労働者の闘いを圧殺しようとしたのだ。

 多くのマスコミもまた、警察の発表を鵜呑みにして、あたかも釜合労が、今回の労働者の闘いを扇動したかのような報道を続けているし、現場に駆けつけた若者らを「騒動に便乗する若者」と報じ、労働者と若者を分断しようとしている。しかしながら、西成署による労働者への暴行は、釜ヶ崎において決して「突出」したことではない。

 2004年12月の西成署内における労働者への暴行事件(この時の抗議行動でも後日稲垣浩さんが逮捕された)、釜ヶ崎内15ヶ所に設置された西成署と直結する監視カメラの存在、西成署内で労働者を指す「450(汚れ)」という隠語、シノギ(路上強盗)にあって西成者に駆け込んでも「お前が悪い」と追い返す警察官……。こういった日々警察から受ける侮蔑と蔑視、さらには、ゼネコンを頂点に手配師・人夫出し業者を末端とする重層的下請構造の最下層で、資本の意のままに使い捨てられる労働力として存在させられている現実の中で、西成署前に集まった労働者らはAさんへの暴力事件を「我が事」と受け止め、自らの意思で、資本=支配権力の象徴とでも言うべき西成署を糾弾する闘いに起ち上がったのだ。

 又、「騒動に便乗する若者」とあるが、若者たちが労働者と共に、連日に渡って、西成署糾弾の闘いを続けたのは、若者たちが、今、置かれている状況も、例えば派遣労働に象徴されるように、その本質において釜ヶ崎日雇労働者と同じものである事を、敏感に感じ取ったからではなかろうか。

 私たちは警察による弾圧を許さない。暴動という形態も含めて、西成署を糾弾する闘いに起ち上がったすべての人々を支持する。大阪府警・西成署は暴行を加えたすべての労働者に謝罪し、1人1人にきちんと補償を行え!警察・検察・裁判所は、逮捕し起訴した仲間をすぐに釈放せよ!

《皆さんへのお願い》

 弁護士費用など、何かと必要になります。たいへん恐縮ですが、みなさまのご支援におすがりするほかない状況です。カンパへのご協力をどうかよろしくお願いします。

6・13救援会
【連絡先】大阪市西成区太子2-1-2 釜ヶ崎医療連絡会議気付
TEL/FAX O6-6647-8278
E-Mail:iryouren@air.ocn.ne.jp

【カンバ振込先】郵便振替口座 00990-8-302431(加入者名:釜ヶ崎炊き出しの会)
※)通信欄に「6・13救援カンパ」と明記して下さい。