出口は、きっとある……
90年代、南米アルゼンチンでは民営化の嵐が吹き荒れた。ラテンアメリカ有数の鉄道大国で、およそ6万人もの鉄道員たちが突然、職を失った事実を背景に、失業と厳しい現実の中で、自らの誇りを取り戻し、それぞれの出口を見つけようとする5人の鉄道員とその家族の姿を描く。
鉄道とともに栄えたアルゼンチンの小さな町。ある日、突然、路線廃止の決定が下される。最後まで労使交渉を続けた組合代表は自ら命を絶ち、会社を「自主退職」させられた人々はサンドイッチマンに、車持ち込みのタクシー運転手に、保険証がなくて子供の治療費も払えずスーパーの警備員にと、不安定な仕事にしかつけず、誇りや夢を失っていく。
一方、組合代表の息子は、父がなぜ自殺したのかを問いつつ、このどんづまりの鉄道員の運命を変える“光”を求めて仲間と行動を起こす。「出口はきっとある」ことを示すために。そして一つの「事件」に街の全員が立ち会うことになる。
(映画公式サイトより)
「人間」が壊されていく過程は日本の国鉄民営化の経緯と驚くほど似ています。貧困と失業しかもたらさなかった行き過ぎた民営化への反省の流れが世界的に徐々に顕在化しています。この映画が世界の映画祭で評価を得ているのもその現われでしょう。タイムリーな映画だと思います。
ロッテルダム映画祭 Hubert Bals Fund
2004 年 52 回 サンセバスチャン映画祭/ZABALTEGI 新人監督部門参加
24 回 フランス・アミアン映画祭/観客賞、審査員特別賞、SIGNIS 賞
2005 年 45 回 コロンビア・カルタヘナ映画祭/最優秀新人監督賞・批評家賞
13 回 ベルギーOpen Doek 映画祭/Delta Lloyd jongerenprijs
5 回 スペイン・パンプローナ映画祭/最優秀賞Reyno de Navarra
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