by 中野由紀子
4月5日、釜ヶ崎に大弾圧! 逮捕者5名、家宅捜査十数か所。
今回の弾圧は2007年来一貫して続く、釜ヶ崎の労働者をはじめとした下層労働者・貧困者に対する、選挙権という基本的人権の剥奪という差別攻撃であるということ。そしてそれへの反撃として昨年7月に闘われた抗議行動への報復弾圧であり、間近に迫る統一地方選の実施に向けた予防拘禁であることです。
釜パト活動日誌
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4月6日釜ヶ崎センター朝情宣ビラ
昨日(4月5日)、大阪府警は、昨年7月11日の参議院選挙のさい、萩之茶屋投票所において「公務執行妨害」があったという口実で、5名を逮捕し、十数か所を家宅捜査した。
逮捕されたのは、センターで毎週火曜日にマイクでしゃべっている南のおねえさん、医療連の大谷さん、最近までパレスチナや北アフリカに行っていたエキン、中国語通訳の野村さん、三角公園のSさんだ。他にも二人に逮捕状が出ているという。家宅捜査は、現在確認できるだけで13ヶ所以上だ。
公務執行妨害でパクルなら、なんでその直後にぱくらないのか?そもそも公務執行妨害というのは現行犯逮捕が原則である、それから9ヶ月もあとになってパクルというのはどういうことか?
萩之茶屋投票所での問題は、大阪市が引き起こしたものだ。釜ヶ崎解放会館などに置いていた釜の労働者二千数百名の住民票を前大阪市長の関が、突然、削除したことに始まる。大阪市選管は、釜ヶ崎の住民票を削除した労働者から選挙権まで奪い、投票所から排除しようとして混乱になったのである。
釜ヶ崎の家も持てない貧乏人には住民票がない、住民票がない人間には選挙権はない、「これは、国民主権をうたう日本国憲法に違反しているのではないか?」この当然の声を、大阪府警は暴力でおしつぶそうとしている。大阪府警は、貧乏人には選挙権もない社会を擁護しているのである。
東日本大震災、「オール日本」という掛け声がテレビから流れつづけている。しかし、わしら下請けの労働者には、放射能まみれの現場で働くことは求められても、一切物は言うな、ということなのか。
ソフトバンクの孫さんが100億円寄付したといってもてはやされている。しかし、総資産6500億円もっているのなら6499億円寄付してもまだ1億円も残るではないか。一郎が1億円寄付したとしても60億円で契約しているのならまだ59億円残っているのではないか。
しかし、原発で働いている約400名の下請け労働者は、ただ一つの命をかけて働いている。おれ達がこれから復旧の仕事に行くとしてもそうだ、ただ一つのかけがえのない命を差し出すのだ、孫さんの100億円よりも尊いはずだ。
だからこそ、今回の大阪府警の弾圧は絶対に許してはならない、これからどういう日本を作るのか?わしら、汗水流して、道路を作り、ビルを作り、学校を作り、病院を作り、この社会のすべての文化生活を作ってきた人間が、本当に物が言える社会を作らない限り、この日本の再生はない!
釜ヶ崎を排除した「オール日本」などありえないことを、思い知らせてやろう!新しい日本を作るのは俺たちだ!
4・5釜ヶ崎大弾圧救援会 06-6647-8278
笹沼弘志さん(静岡大学教授)の抗議メッセージ
まさにこれは住居喪失者の選挙権と人間の尊厳を守る闘いに対する予防弾圧に他ならないと思います。
大阪府警の横暴に断乎抗議します。
震災・津波そして原発事故という人災によって多くの人々が命を落とし、傷つき、住居喪失という苦難に曝されています。
死者行方不明者合わせて約3万人。避難民がなお20万。
2003年初めて行われた「ホームレス全国調査」では全国のホームレス(住居喪失者)数は約3万。それから10年近く経ち数は減少しつつありましたが、累計すれば20万ほどのホームレスの人々が存在してきたことになります。
それと同規模の数の人々が一気にホームレス状態、住居喪失者になりました。
住居喪失者の選挙権をいかにして保護するのか、まさに国家的に問われているのが現在です。
そのなかで、住居喪失者の選挙権擁護の闘いに先進的に取り組んできた大阪のなかまたちに対する弾圧は、人災・天災いずれによるかを問わず住居喪失に苦しむすべての人々に対する弾圧にほかなりません。
改めて大阪府警の暴挙に抗議するとともに、即時釈放を要求します。
野宿者のための静岡パトロール事務局長 笹沼弘志
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