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懐古的資料

北西風が党を鍛える 戦旗派83年下期総括

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四、八四年階級攻防の基軸性としての反戦反核闘争-トマホーク極東配備阻止の闘い

 さて秋期総反撃および八三年階級攻防での政治組織的総括点を明確にしたうえで、次に八四年の激闘に突入するにあたっての情勢の特徴、八四年政治過程でわが同盟に問われる闘争的方向などにつき問題を整理しておきたい。

 まず八四年政治・闘争過程をめぐる情勢の特質の第一にあげられることは、世界信用恐慌直前的危機の進行という事態である。レーガン経済再生計画の挫折をサプライサイド・エコノミックスの実質的放棄による経済政策の手直しによりのりきらんとし、七九年第二次石油危機後の世界経済過程での後退局面の弥縫を策してきた米帝を中心とした反革命宗主国(=帝国主義サミット体制保持諸国)が現在直面し、石油危機以上に深刻な、構造化された資本主義体制存続のウィークポイントとして矛盾を抱え込んでいる最大の問題点が、このブラジル、メキシコ、韓国、イスラエル、フィリピン、アルゼンチンなどに蔓延する債務不履行(=デフォルト)、支払停止(=モラトリアム)問題である。これは以下のような経済的メカニズムにおいて形成されたものである。

 すなわち一九七九年イラン革命の勃発と石油戦略の発動をつうじ石油輸入代金は大幅に値上がりし、帝国主義各国は資源・エネルギー危機に陥り、経済活動は停滞、大幅な世界経済の縮小が見られたのであった。
 この帝国主義各国の資源エネルキー危機にもとづく生産活動の停滞は、当然国内投資活動を低迷させ、帝国主義国内にはそれまでの産業活動において循環していた膨大な資本が滞留することになった。これ等の余剰資金は生産活動の低迷により、より低い利潤・利子しか生み出さない国内投資の道から、より高い利潤・利子を生み出す発展途上国などへの貸付けに回されることになり、OECD各国から民間銀行を媒介にした発展途上国への資金の流出が、七九年以降急増することになったのである。
 しかも帝国主義各国は、OPEC各国が石油価格上昇の輸出黒字を、オイルダラーとしてOECD諸国に預金したことをも活用し、それを非産油開発途上国に貸与し、なおかつ貸与した資本をファイナンス代償とすることによって石油輸入代金の高騰分を上乗せした工業製品を、これら非産油開発途上国に輸出するという方策をとったのである。

 ゆえに第二次石油危機後の世界経済の矛盾は、必然的に非産油開発途上国が集約的に抱え込む構造が作り出され、これ等諸国ではアメリカ民間銀行群からの借入金の利子払いのためにヨーロッパ民間銀行群からの借入れを増やす、或いは政府借款援助を借入金の元利払いのために回す等という債務の雪ダルマ式増大=ローン地獄が生み出されることになった。
 借入金の元利払いが輸出額に対して有する比率をデッド・サービス比率というが、これが100%をこえる国がその結果急増し、一九八二年においてアルゼンチン179%、メキシコ112%、エクアドル122%、ブラジル122%、チリ116%(フィリピン91%)(韓国53%)にまで至ったのである。
 これら諸国では輸出によって得る輸出代金よりも、債権国に対する支払い額の方が大きくなってしまったのであり、貿易においては当然輸人代金をも支払うわけであるから、実際上支払い可能額に対する元利払いの比率はデッド・サービス比率の十数倍も巨大なものとなっているのである。つまりこれら諸国にあっては経常収支赤字(=基本的に入超)が常態化されているので、借入金の元利を払う基本資金は国内的には生み出されなくなっており、結局支払い不能という国家的危機に陥る以外ないのである。
 これらの構造において生み出された債務残高は、一九八三年開発途上国の総計で六二六〇億ドル以上、国別的にはブラジル949億ドル、メキシコ910億ドル、アルゼンチン418億ドル、韓国407億ドル、フイリピン225億ドル、イスラエル210億ドル、インドネシア262億ドルなどに達している。

 ちなみにOECD各国の対外債権総額は1兆5420億ドルが八一年末で存在するわけだが、これは対帝、対「労働者国家」、対EC諸国などすべてを含めてのものである。
 だが例えはブラジルが949億ドルの返済義務に対し、支払い停止=モラトリアムを宣言した場合、日本の債権銀行団だけでもおよそ80億ドルのこげつきを抱え込むことになるのである。東京銀行、長期信用銀行、その他主要銀行は必然的に倒産してしまう。となれば、国内信用不安は増大し、同様の危険のある国からの貸付資金の引き上げ、それに対するモラトリアム宣言など、世界経済そのものが大混乱、金融恐慌が未曽有の規模で発生するのは眼にみえているといわねばならない。
 特に世界最大の金融王国アメリカ帝国主義が最大の打撃をこうむり、それに連動してOECD各国とも総破産をとげる構造、まさしく債務不服行=債権取りたて不能にもとづく世界信用恐慌の危機が、今や構造化されたものとなっているのである。

 こうした開発途上国を中心にしたデフォルト、モラトリアムの危機に対し、IMF-GATT体制は根底的な動揺局面を今むかえている。なおかつレーガンと米帝支配階級が途上国救済に全く冷淡であることから、IMFの増資開題をめぐる帝国主義と開発途上国との確執がまきおこされている。

 第二にこれについていえば、八三年二月のIMF暫定委員会で途上国への貸付急増に対する弥縫としてのIMF資金の47%増資が決定されたのであるが(611億SDR→900億SDRへ)、アメリカ議会はこの第八次増資案への出資法(ドル換算で84億ドル分)に賛同せず、十一月十八日まで審議が難航しつづけたのである。十一月十八日それはようやく可決され、同三十日IMF第八次増資案は発効することになったが、同時に融資限度額は八四年にあってはこれまでの出資額に対する年間150%から102%へ削減されることになった。というのはIMFの途上国などに対する融資残高が八三年七月末で407億SDR(約423億ドル)もあり、それに対しIMFの融資可能資金量は300億SDR、借入金を含めても470億SDRにすぎないという融資限界への接近が今やさし追っているからである。

 米帝などの主張は加盟各国の出資金の範囲をこえる現行の増枠融資制度自体の撤廃であり、事実八三年十月にはいったん資金不足を理由に、開発途上国への新規貸付けの凍結措置がとられたのである。しかしIMFの融資中止は民間銀行の当該国に対する貸付けの中止、資金の引き上げを引き起こすため、金融不安が一挙的に広がった。これを回避するためにやむなく再融資を開始するということになったにすぎない。

 これらのジグザグをつうじていえることは、米帝などはIMFが開発途上国の救済機関化することを阻止し、OPECおよびOECDなどの相互融資機関化するので構わないという観念に今やたっており、これに対し600億ドル以上の債務を抱える開発途上国は猛反発、しかもIMF再融資が凍結された場合には全世界における金融恐慌、未曾有の信用恐慌の爆発は必至という、全く逃げ場のない資本主義体制の骨幹的危機が現在進行しているということである。
 戦後IMFーGATT体制が作り上げた帝国主義間水平分業の拡大と新植民地主義にもとづく第三世界支配が、構造的に形成した南北矛盾、解決不可能な資本主義世界体制の破局性として、われわれはこれを受けとめていかねばならない。

 かくの如き矛盾の拡大、それに基づく第三世界、開発途上国の自立志向と米帝からの離反の促進に対し、反革命宗主元締めとしての米帝レーガンのとる対応策が、中米・中東への覇権主義的な反革命介入、日帝を代理人とするアジア支配、EC帝国主義を動員してのアフリカ革命運動の圧殺、そして人民解放気運の黒幕と米帝支配者が勝手にみなすソ連脅威論の帝国主義内部での一大プロバガンダなのである。
 米帝支配階級とレーガンは、このような資本主義世界体制保持の破局性に対し、人民の解放の気運を「力による圧殺」でのりきらんとし、日帝中曽根政権はその茶坊主としてソ連との「力の対抗」を追求しよとしてソ連脅威論に同調しつつ、核軍拡路線をひた走る、それが現下の基調をなす動きであるのだ。

 第三にここで忘れてはならないことは.にもかかわらずレーガンは、実はそのイデオロギー主義丸出しの反共宣伝ほどには資本主義世界体制全体の保特に自己の使命をおいているわけではなく、むしろ即自的ブルジョアジーとして、米帝一国の利害を追求する傾向に不断におち込んでおり、それがEC各国などとの軋轢の拡大として表出しているという事実である。

 例えば七八年カーター政権が人権侵害などを理由として発動し、七九年ソ連軍のアフガニスタン侵攻に対し一層強化されたソ連への石油・天然ガスパイプライン敷設機械の禁輸措置などについては、八二年西シベリア・ヤンブルグ~ヨーロッパ間天然ガスパイプライン敷設をめぐりEC諸国と利害が対立し、EC諸国が米帝の決定に対し全く従わなかったことなどをも背景とし、八三年八月二十日、米帝はあっさりこの禁輸措置を解除しているのである。それは米帝が禁輸措置をとり続けている間に、EC諸国が代行してソ連への輸出をはかるのでは米帝の利害をそこなうといった、全く手前勝手な理由にもとづいており、このデタラメ性に対しEC諸国はレーガン主義への猛反発を強めている。

 なおかつ八〇年一月、ソ連軍のアフガニスタン侵攻への報復措置としてとった対ソ制裁であるはずの米帝のソ連に対する「対ソ穀物禁輸措置」にいたっては、八三年七月二十八日レーガン政権はこれを解除し、これまで以上の八三年十月以降むこう五年間、毎年最低900万トン(300万トン増)、最高1200万トン(400万トン増)もの長期穀物輸出協定を再締結している。これにもともと穀物輸出国である米帝が過剰在庫を対ソ禁輸措置以来大量に抱え込み、米帝内農民が輸出拡大を強固に要求したという国内的背景と、米帝の禁輸の間にソ連がアルゼンチンなどに輸入先を切りかえ、米帝の市場シェアが大幅に落ち込むことへの「解決策」として打ち出されたものである。

 だがこれは余りにも手前勝手なレーガンのアメリカ覇権主義として、世界第二の食料輸出国であるオランダ、同第三位のフランスの反発を作り出し、それ以上にモノカルチヤ経済の骨幹をおびやかされるアルゼンチン、対ソ輸出のための穀物生産を拡大してきたカナダなどの反米気運を拡大させているのである。つまり現下の反戦反核決起の底流にながれるアメリカ帝国主義の露骨な覇権主義への人民の反発、これをわれわれは見なければならない。

 レーガンの覇権政策に見られることは、結局、現代世界の二大超大国であるフメリカ帝国主義とソ連スターリン主義の矛盾的共存にもとづく世界支配の保持であり、本質的には米帝世界戦略に限定され、受動的、対抗的にしか対応策をとれないソ連スターリン主義の脆弱性、帝国主義に対する被規定性を利用しての、帝国主義世界支配の延命の構図なのだ。

 日帝中曽根政権はかくの如き米・ソ両大国による世界支配のギマン性を百も承知で、「NATOへの戦域核ミサイル配備を断行するべきだ」等と、ヨーロッパ反戦反核数百万決起に真向から敵対する反共イデオロギー発言を繰り返しているのであり、そこにあるものはソ連脅威論のイデオロギー的流布をつうじての国内革命運動や反戦・反核決起の鎮圧、日本帝国主義ブルジョア支配者共の矮小な帝国主義的延命策であることを、われわれはあばきたてていかねばならない。

 ヨーロッパ、アメリカ、日本におけるパーシングⅡ・トマホークやSS20配備阻止の未曽有の全人民的高揚こそ、かかる米・ソ支配勢力のヤルタ体制的支配保持、矛盾的人民抑圧構造を打破する最精鋭の闘いである。この闘いは中米・中東・アフリカでの第三世界人民の解放闘争と固く連結しており、帝国主義国内反戦・反核闘争を反帝・反侵略闘争にまで高めあげていく革命勢力が存在するならば、一九八〇年代における世界革命の実現の可能性を色濃く刻印するものである。
 ゆえに米帝レーガンおよひ日帝中曽根ファシスト政権はこの闘いの鎮圧に躍起となっており、NATOのみならず極東への戦域核ミサイル配備を強行し、もってソ連スターリン主義に対する革命制動を強化し、人民解放闘争の勃発を封じ込めんと画策しているのである。

 これらから次に、八四年階級闘争の進展において最大の政治課題となる戦域核ミサイル極東配備、わけても日本配備阻止へむけての情勢の基本動向と現状を明らかにしでおこう。

 ここで第一に確認されるべきことは、レーガン・中曽・全斗煥などの日米韓反革命支配者共は、一九七五年ベトナム革命勝利後の極東アジアにおける人民解放闘争の高揚が直接に帝国主義アジア支配の権益をおびやかし、ましてや一九七九年イラン革命勃発後の中東支配の挫折、資源・エネルギー危機の拡大により経済危機もが構造化されるに及んで、韓国、フィリピンなどの反帝反独裁闘争が大爆発しつつあることの「元凶」として、ソ連スターリン主義の存在をクローアップさせ、鄧小平の中国をも巻き込んでこれへの対抗を画策する、もって没落する帝国主義のアジア支配を確保するといった対応策をこの間一貫してとってきたということである。

 その場合、軍事・外交政策としては極東アジアの軍事上のヘゲモニーを掌握し続け、ソ連極東艦隊の南下の道を封じ込めつづけることを最大の眼目とし、それに見合った三国軍事同盟の構築を、チーム・スピリットやリムパック戦争体制の確立においておしはかることを緊要の課題としてきたのである。これを遂行するための方便として繰広げられるものが誇大なソ連軍事力の脅威宣伝、アフガニスタン侵攻やポーランド「連帯」抑圧への反共イデオロギー流布なのであるが、そこで目指されているものは実際には国内革命運動の圧殺であり、又核軍備強化への国民的コンセンサスの形成であることは今や明白であろう。

 これに対しソ連スターリン主義は自国支配体制の保持と存続(=スターリニストソ連の愛国的防衛)を課題とし、帝国主義の軍事的脅威がソ連スターリン主義の存続に脅威を与えることへの受動的対応、防衛的対処として軍拡をおし進め、帝国主義の「反革命軍事干渉を打ち破る」主観的意識性においてアフガニスタンに進駐し、ポーランド人民解放闘争の鎮圧にやっきとなるといった、矛盾的対応策をとり続けているのである。

 この帝国主義のソ連封じ込めと革命制動のための軍備拡張が、それに対抗しての「革命」とソ連防衛を目的としたソ連スターリン主義の軍拡を作りあげるといった関係性において、現下のはてしない米・ソ両大国の核軍拡競争は繰り広げられているのであり、その対抗性の極東アジアでの表出としてあるものが、SS20と巡航ミサイルの極東配備、戦域核ミサイル極東配備をめぐる確執であることが、おさえられねばならない点てある。
 いわばこれは現代過渡期世界の世界史的特質、没落し死滅しつつある帝国主義を、世界革命を放棄し、一国社会主義建設を自己目的化したスターリン主義が打ち破れず、逆に帝国主義に規定され受動的な位置に追うい込まれ、革命運動の平和共存的形態においてのみ延命を模索する姿の矛盾的表現としてつかまれるべきものである。

 このような米・ソ世界支配の矛盾性を唯一革命的に止揚できるのは、第三世界人民の武装解放闘争をもっての進撃および帝国主義国内、「労働者国家」内部からの米・ソ核配備阻止、帝国主義の侵略反革命と革命運動のスーターリン主義的歪曲を克服する方向性をもった反戦反核決起→人民解放・世界革命のうねりをおいてほかにない。
 ゆえにソ連のSS20の108基極東配備を口実として進められる三沢、佐世保へのトマホーク発射基地建設の策動、あるいは今後十年間にトマホーク4000発を調達し、主要艦船計154隻に配備する計画、ニュージャージーの横須賀・佐世保母港化、八三年四月以降のB52型機への巡航ミサイル搭載、グアム島配備などに反対し、これをうち破る闘いは、安保ー日韓体制打倒の戦略的総路線のうちに位置づけられ、反帝・反侵略闘争に高めあげる目的意識性に基き闘いぬかれるべきものである。

 そこで第二にこれらの戦域核ミサイル極東配備の現状などにつき明らかにしておくならば、既に事態は以下の如く進展しているのである。

 まずソ連スターリン主義は現在SS20を合計351基配備し、うち243基がヨーロッパ、108基がアジアに向けられているわけであるが、このSS20を100基以上追加配備することが可能な発射基地を、シベリア南部バイカル湖の東西に十ヵ所以上建設中ということである。
 これは中曽根、レーガンによる日米同盟強化、NATO・極東へのパーシングⅡ・トマホーク配備強行の策動に対しとられているものであるが、NATOに加盟しているトルコをも射程内におさめているといわれている。

 アメリカ帝国主義はこれらのソ連によるSS20極東配備備を宣伝しつつ、八三年四月末、一機につき十二基の巡航ミサイルを搭載できるG型機をグアム島に派遣し、これを十月までに1個中隊12機、計15中隊180機に増強させたのである。戦艦ニュージャージーの巡航ミサイル32基と合計すると、実に212基が既に実戦配備されていることになるのだ。
 さらに艦船からの地上攻撃型トマホーク(TLAMINと呼ばれるもの)を八四年六月よりスタージョン型原潜、ロサンゼルス型原潜などの水上艦に搭載し、太平洋・大西洋両艦隊に実戦配備するとされている。この結果日本に寄港する米艦船のうち80隻がトマホーク発射艦となるのであり、文字通り日本はアメリカ帝国主義の極東不沈空母の役割を担うことになるのである。

 なおかつ八三年九月三十日米国防総省国防核兵器局が発表した「構想」によると、日本海、地中海、バルト海などの海峡封鎖用のミサイル配備は日本とトルコが極めて効果的であり、八三年欧州配備された戦域核ミサイル移動式地上発射装置と発射管制センターを使って、ニュージャージーなどに搭載される艦対艦用トマホーク(TASMとよばれるもの)を転用使用する計画が最も「安上がりである」とされている。この候補地が佐世保と三沢であり、イギリス、西ドイツなどと同じく日本もまたレーガンの限定核戦争の舞台にされ、アメリカ帝国主義の生き残りの餌食とされる運命にあることを、われわれは知らねばならない。

 レーガンはこれにとどまらず「核軍拡にストップをかけ核廃絶を実現するには、核兵器そのものを無用のものにする必要がある」という《重核武装絶対優位》の立場を強調し、八四年十月~八五年九月までだけでも26億ドル、五年間で270億ドルを投じてレーザー光線兵器など宇宙兵器の開発に着手することを、八三年十一月三十日国家安全保障会議で取り決めている。そのために発射されたミサイルを瞬時に破壊する未来兵器の開発などをテーマとしたプロジェクトチームが既に発足しており、八三年九月には空中発射レーザー砲撃で無人機を撃墜する実験に成功したと発表しているのだ。となればソ連スターリン主義も対応して、それに対抗しうる兵器の開発に着手することは火を見るよりも明らかであり、宇宙にまで拡大された核軍拡競争がはてしなく広がっている現実をわれわれは知らなければならない。

 既に米・ソは7300発と8300発のICBM、568基と980基の潜水艦核ミサイル(=SLBM)、272機と143機の戦略爆撃破を保有しているのだ。それに加えての戦域核ミサイル、巡航ミサイルの配備が現在問題になっているのであり、さらに宇宙兵器まで開発するなどという人類破滅策動を絶対許してはならないのである。
 政争屋レーガンこそ人類を滅亡に導く張本人である。プロレタリア革命運動の世界的規模での勝利と、そこでの核廃絶、あらゆる核兵器の廃絶の道のみが、この戦争屋の誇大妄想的シナリオを無用のものとできる唯一の道である。そのためにも八四年六月に予定されるトマホークの極東配備、日本母港化は絶対に粉砕されなければならない重要課題である。

 八三年十二月の総選挙で250の議席しか自民は得られず、ロン・ヤスの血盟など日本人民は誰も望んではいないことは全く歴然とした。
 人民の大義にもとづく革命運動の戦略的領導を実現する力を、われわれが一歩でも高めあげていくならば、ヨーロツパ数百万人民決起を上回る日本における圧倒的な反戦反核決起のうねりを作りあげていくことは、全く可能である。八二年五・二三、40万人民決起、十・二四大阪50万人民決起は幻なのではない。既成左翼、社共の闘争放棄と、全人民的政治闘争の戦略的領導の欠落が、日本人民を眠りこませているだけなのだ。

 この役割りを担いうる革命勢力は、いまやわが戦旗・共産同をおいて他にはない。ゆえに死力をつくし全人民的な反戦反核決起のうねりを作り上げていくことが、プロレタリア日本革命への接近に他ならないこと、これをすべての同志諸君に訴える。レーガンNO! トマホークNO! の叫びは、たんに市民主義的な大衆運動課題一般なのではない。それは人類の未来をかけたプロレタリア革命勝利へ向けての雄叫びであり、革命的左翼を自認する者に避けて通ることのできない課題性、戦略的重要性を有した闘いである。ゆえに八四年階級攻防最大の環を三里塚二期決戦勝利とこの反戦反核闘争の戦略的領導にさだめ闘いぬくこと、これをここで確認しておきたい。

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