by 中野由紀子
先日、全国労働者集会(キモインコ付)に参加されたチェ・ソーカがおみやげを買ってきてくれました。ピンクのかっこいい団結Tシャツとチョン・テイルのバッヂ。「動労千葉」 って入ってるけど、かっこいいから着るしっ!
しかし、はて……。
「チョン・テイル」って誰ですか?
チェ・ソーカは叫んだ。
ソ「きみーーー!!チョン・テイルを知らないのか!?(愕然)」
ユ「知らない。韓流のアイドルですか?」
ひいいいいいいい…..というソーカの悲鳴とともに小一時間のチョン・テイル講義が始まったのだった。う、うっとおしい。
でも聞いてから胸がいっぱいになっちゃったよ……。
引用 ーーー
『故全泰壱(チョン・テイル)は大邱の貧しい家庭の長男として生まれた青年。17歳でソウル平和市場の縫製工場に就職。そこで働いている女性労働者の多くは劣悪な労働環境と低賃金で働かされていた。そのあげくに肺炎を患ったことを理由に解雇された幼い女性工員をかばったことで、彼自身まで解雇された。これをきっかけに独学で労働法を勉強し、当事の軍事独裁政権下で孤独で勇気ある労働運動を開始する。
裁断士として仕事をする傍ら、同僚と共に勉強会を重ね、 工場における労働実態や労働環境についても調査。さらにそれに基づいて労働庁に陳情したり、雇用者に協議を重ねるなど、平和的な運動をすすめたが、独裁政権や雇用者は耳をかさず、全く改善の兆しは見られなかった。
そこで1970年11月、このような状況に抗議するための集会を計画し、実行に移そうとした矢先、今度は警察・機動隊によって強制解散させられそうになった。万策つきた全泰壱はついにその場で全身にガソリンをかぶって抗議自殺を図る。「労働者だって人間だ」「労働法を守れ」「僕の死を無駄にするな」と叫びながら火だるまで数十メートルを歩いた。すぐに病院に搬送されたが、その日の夜にわずか22歳の若さで息を引き取った。
全泰壱の焼身自殺をきっかけに、労働者の悲惨な実態が世界に報道されるようになったことで、それまで「奇跡の経済成長」がもてはやされていた朴正熙独裁政権の暗部が明らかとなり、激しい弾圧で停滞を余儀なくされていた労働運動が活発となった。また、学生や知識人の目を労働問題に向けさせ、1970年代~80年代の民主化運動における労働者と学生及び知識人の連帯を生み出し、これらが韓国民主化実現の原動力となった。
独裁政権時代には全泰壱の伝記なども禁書扱いだったが、民主化実現後の2005年、焼身自殺から35年目、清渓川復元事業に伴い清渓6~7街を「全泰壱通り」と命名し、彼の彫像と銅板が敷かれた橋が建設された。そして、同年9月30日、息子の死後に遺志をついで労働運動にとびこんだ母親の李小仙も参加して、彫像の除幕式が行われた。 全泰壱の死を賭けた思いは、ついにここに実を結んだのである。』
ーーー ブログ旗旗:今日はチョン・テイルさんの40回目の命日です‐
知らなかったよ。
ごめんよ、チョン・テイル。
これからはどこに行くにもバッヂをつけていくよ!
君といつも一緒さ。今の世の中を見守ってください。
ーーー
11月27日には大阪経済法科大学麻布台セミナーハウスで「チョン・テイル焼身闘争40年ー韓国の労働者はいま」という催しがあります。
(以下、「旗旗」反戦カレンダーより)
今は美しい散策路となった清渓川や、不夜城のようにファッションビルが立ち並ぶ東大門市場。40年前の11月、ここで1人の青年が焼身自殺をしました。
チョン・テイル(全泰壱)です。17歳で東大門の平和市場で零細な縫製工場労働者となり、その劣悪な労働条件や環境に対して、独学で労働法を学び、待遇改善を訴える運動を組織するのですが…。「俺たちは機械じゃない!」と叫びながらガソリンをかぶったチョン・テイルの命をかけた抗議が、その後の韓国労働運動に多大な影響を与えています。
今回のKAJA講座では、チョン・テイルと当時から現在までの韓国労働運動について映像を一部使って学び、韓国や中国に進出している日本企業との関わりも含め、現地での労働問題の一端に触れる機会にしたいと思います。
●テーマ「チョン・テイル焼身闘争40年ー韓国の労働者はいま」
◆第1部「映像から見る韓国の労働問題」約1時間
映像『美しい青年 チョン・テイル』から読み取る韓国の労働運動
解説:イ・ヨンチェさん(恵泉女学園大学)
映像『私たちは風の中に立つー韓国・東一紡績労組 1972-2006ー』から読み取る韓国の女性労働運動
解説:大江孝子さん(KAJA会員)
◆第2部「韓国と中国における日本企業の現状」約1時間
韓国における日系企業の労働争議
韓国JT精密(旧韓国シチズン精密)労組日本遠征闘争団
解説:安田幸弘さん(闘争支援団)
中国における日系企業の労働争議
解説:中島恵さん(KAJA会員、ジャーナリスト)
◆ 日時 11月27日(土)午後2時~5時(開場1時30分)
◆資料代:500円
◆場所:大阪経済法科大学麻布台セミナーハウス 第2会議室(2F)
〒106-0041 東京都港区麻布台1-11-5 東京麻布台セミナーハウス
(TEL:03-5545-7789 FAX:03-5545-7788)
http://www.keiho-u.ac.jp/research/asia-pacific/access.html
地下鉄日比谷線神谷町駅1番出口を出て左へ、吉野家・オランダヒルズ森タワーを過ぎて約5分
参加希望の方は申し込みをお願いします。
groupkaja@yahoo.co.jp
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