こんな無茶苦茶が認められたらこの世は闇だ!
労働者なんてなんの権利もない虫けらも同然だ!
京品ホテルは1871年(明治4年)創業の老舗ホテル。従業員の経営努力などにより、年間1億円の黒字を出していた。なのにある日突然、経営者から全員の解雇を言い渡される。まさに寝耳に水だった。
実は経営者はバブル期にさまざまな事業に手を出し失敗、60億円もの借金を抱えていたのだ。そこにつけこんだリーマンブラザーズの子会社は、債権者たちから債務を半額で買い叩き、経営者に伝統と由緒のあるホテルを廃業して土地を転売せよという話をもちかけた。その見返りに借金清算の上に3億円の礼金まで払うという。典型的なハゲタカ商法だった。
もちろん従業員にはなんの責任もない。怒った従業員は組合を結成して経営者とリーマンに闘いを挑む。不当な解雇権の濫用に対抗して裁判で争うと共にホテルの自主的な営業を続けた。
このような自主営業は倒産争議などでよく見られる正当な組合活動として定着している。にもかかわらず東京地裁は経営者の訴えだけを一方的に認め、過去の事例を無視して定着した自主営業の権利を認めず、ついにこの日の強制執行となってしまった。
だが、おりからの金融不況でリーマン子会社は倒産、転売先だった会社も業績悪化で買い取り契約を破棄している。つまりこの強制執行は、従業員を寒空に放り出す以外にもはや何の意味もなくなっていた。
すでに「少しでも争議を支援したい」という周辺サラリーマンらの利用などで自主営業は順調だったが、強制執行当日も「人ごとではない」と感じた多くの支援労働者や組合員が駆けつけた。
「悔しい!これが日本の法律ですかっ?!日本の警察ですかっ?!正義ってなんですか!」血を吐くような従業員の叫びがすべての真実を物語って余りある。
そして今も解雇撤回と営業再開にむけた闘いは続いている。
<参考>
[報 道] 日経BP/ガイアの夜明け
[当事者] 京品ホテル労組ブログ/東京ユニオン/署名用紙
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