沖縄は本土よりも25年も長く米軍に占領支配されて戦後復興が遅れたため、今でも経済はよくありません。全国でも貧困率が最も高く平均所得も低い県です。しかし、その沖縄に今、「アジアの風」が吹き、多くの観光客が押し寄せています。
昨年は717万人の観光客が沖縄を訪れました。ハワイの800万人を上回るのも遠いことではありません。
米軍基地からの収入は72年の返還前には沖縄経済全体の約15%でしたが、いまでは5%程度に過ぎません。ところが観光収入は沖縄経済で倍の10%を占めています。翁長県知事は「米軍基地は沖縄経済発展の阻害要因」ときっばりと述べ、県知事選挙に当選しました。翁長知事のあとを継いで、基地建設反対を公約に掲げた玉城デニーさんは40万票近くの高得票で知事に当選しました。もはや米軍基地は危険で迷惑であるだけでなく、沖縄経済の発展にとって邪魔ものなのです。
そのため、今までは平和を求めて基地に反対する人々と、経済的理由で基地にたよる人々とに分かれていた沖縄は、今では大部分の人々が基地に反対するようになりました。なのにその沖縄の自立的な発展を踏みにじり、貴重な観光資源でもある美しい珊湖の海を破壊することは断じて許せません。
沖縄はアジアに最も近く、石垣島は台湾のすぐそばです。中国や大陸と近いということは、戦争になれば最も危険である反面、私たちが平和外交を求めれば、最も友好親善の役割を発揮し経済も発展できる地でもあります。今や沖縄はアジアを結ぶ平和のかけはしとして平和外交を進めることを望んでいます。私たちは戦争のない平和な日本を沖縄とともに築いてゆくことができます。
琉球王国時代、沖縄は日本や中国とも交易が盛んで、日本に支配されるまでは独立国家としての独自のアジア外交を続けてきた歴史があります。
また沖縄からは19世紀末ごろから、多くの国々への移民がありました。ハワイ、ペルー、ブラジル、ボリビア、アルゼンチン、メキシコ、フイリピンなど。それは日本の支配下で貧困が広がったからでもありますが、移民先での苦労も量り知れないものがありました。その苦労もあって、今では世界中に多くの沖縄移民が根づき、1990年からはそれらの人々が沖縄に集まって5年ごとに「世界ウチナーンチュ大会」を開催するほどになっています。
世界ウチナーンチュ大会(出典:沖縄タイムス)
2018年、大韓民国(韓国)と朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)が、その年の冬季オリンピックに合同チームを作って一緒に出場しました。応援団も南北合同の応援団が結成され、これまで敵対関係の続いてきた朝鮮半島に「南北統一」への希望が芽生えました。これは平和なアジアを建設するまたとないチヤンスでした。
平昌冬季五輪・南北統一選手団
この機運は、アメリ力や中国にも大きな影響を及ぼし、永く断絶していた米朝会談や南北会談を成功させました。これまで敵対関係にあったアジアに平和の機運が訪れました。もちろん今後も紆余曲折の困難な道が予想されますが、歴史上から言っても、地理的位置からも、 沖縄県こそがこの平和の機運を高める可能性を持っています。
日本とアメリ力は日米安保=日米軍事同盟を通じて永らく中国・朝鮮への敵対関係を続けてきました。それによって米軍基地が日本と沖縄に置かれてきました。しかしアジアに平和が訪れれば、そのような軍事同盟は必要なくなり、米軍基地もいらなくなります。沖縄の進む道は、その可能性を示しています。
私たちは沖縄の願いに応えなくてはなりません。決して沖縄を孤立させることなく、アジアの平和を実現しましょう。日本と沖縄から全ての米軍基地を撤去し、平和な日本と沖縄を建設してゆきましよう。私たちが、そしてあなたが、沖縄の声に応える気持ちを持つならば、それは可能です!
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