機関紙活動マニュアル

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機関紙活動の意義と任務

一、全国政治新聞の意義

1)宣伝・煽動・組織者

戦旗・共産同機関紙『戦旗』

 「新聞は集団的宣伝者および集団的煽動者であるだけでなく、また集団的組織者である」というレーニンの言葉を待つまでもなく、全国政治新聞とその発行から配布に至る一連の機関紙活動は、それじたい宣伝・煽動・組織化の出発点であり基本である。

 この全国政治新聞の持つ意義をレーニンは、『何をなすべきか』において次のように論じている。(以下ことわりのない限り「」内はレーニンからの引用。原典で傍点がふられている箇所は下線とする)

 「労働者にたいする政治的抑圧を説明するだけではたりない(労働者に彼らの利害が雇い主の利害と対立することを説明するだけではたりなかったのと同じように)。さらにこの抑圧の一つひとつの具体的な現われをとらえて煽動することが必要なのだ(われわれが経済的抑圧の具体的現われをとらえて煽動しはじめたのと同じように)。
 ところでこの抑圧は、種々さまざまな社会階級にのしかかっており、職業的、一般市民的、家庭的、宗教的、学問的等々の、生活と活動の種々さまざまな分野に現われているのだから、専制の全面的な政治暴露を組織する仕事を取りあげないかぎり、われわれは労働者の政治的意識を発展させるという自分の任務を果たしえないであろうことは明らか

 「政治的煽動の必要な拡大がなされるための基本的条件の一つは、全面的な政治暴露を組織することである。このような暴露による以外には、大衆の政治意識と革命的積極性をそだてることはできない
 「われわれが『住民のすべての階級のなかにはいっていく』というのは、理論家としても、組織者としてもそうしなければならない

 「今日のように社会民主主義的任務が低められているときは『生きた政治活動』はもっぱら生きた政治的煽動から始めるほかはなく、そして生きた政治煽動はひんぱんに発行され、規則正しく配布される全国的新聞なしには不可能」なのであると。

 すなわち経済主義者のように、ブルジョアジーとのたたかいを、雇い主とのたたかいというせまい領域におとしこめて、プロレタリーアートの意識を低めるのではなく、抑圧された全階級・階層のブルジョアジーの抑圧に対する不満と憤激の一つ一つをとりだし、ブルジョア権力の政治的打倒へと高め上げることが、プロレタリアートとその前衛の任務であり、そのためには、全人民的な政治暴露と煽動をとおして、もっとも首尾一貫したマルクス主義的見地から全人民に訴えかけ、人民の革命的積極性をつくりあげることが共産主義者とその党の任務としてあるということである。そしてこの基本的な任務を実現しぬくためには、全国政治新聞の定期的で系統的な発行は絶対に必要なことであり、それなしには不可能だということである。

 ブルジョア思想と日和見主義思想にゆだねられた労働者階級人民を、真にマルクス主義にめざめさせ、全人民的政治闘争に決起させるための、全面的な政治暴露と煽動のための強力で、唯一とはいわないまでも、もっとも基本的で重要な武器は全国政治新聞なのだ。

 この意義は、様々な情報伝達手段が発達した今日においても何ら変わることはない。むしろ様々なブルジョアイデオロギーのはんらんに抗して共産主義を真に鼓吹し、人民に革命戦争への決起を呼びかけることはますます重要で絶対的な任務なのである。

 全国政治新聞の発行は、党活動のなかでもっとも基本的でもっとも中軸的な活動であることを確認しておこう。

2)党の骨格たる全国党―中央集権制の確立と蜂起を準備する党

 全国政治新聞の発行は「宣伝・煽動・組織」としての役割を担うのみならず、党組織そのもののサークル性、手工業性からの飛躍、せまい地域主義とたもとを分かち中央集権的な党組織と職業革命家を中心とした前衛党の骨格を形成することぬきには実現できず、またそのことを要求する。

 全国政治新聞の発行ぬきには「専制に対する総攻撃のため、統一的闘争の指導のために、すべての革命勢力を『集合し、組織する』ことはできない」からであるばかりか、それ以外に「強力な政治的組織をそだてる手段がない」ことである。

 「なによりも必要なことは、この活動舞台をひろげ、規則的な共同活動にもとづいていろいろな都市のあいだに実際上の結びつきをつくり出す」ことであり、この「仕事は、共同の新聞にもとづいてはじめて開始することができる。共同の新聞は、多種多様な活動の成果を総括し、それによってすべての道がローマにつうじるように革命につうじている数多くの道のすべてに沿って倦むことなく前進するよう、人々を駆りたてる唯一の規則的な全国的な事業」なのだ。したがってせまい地域主義や、サークル性を越えた、厳格な中央集権的な党と、政治警察との死闘にうちかつことのできる職業革命家、名目のうえだけでなく実際に運動を指導する能力をもったメンバー、「専門の著作家と専門の通信員からなる幕僚」をつくりあげなければならないことを意味している。

 全国政治新聞の発行とそのための実践は、まさしく党を単一の党に高めあげ、政治警察とのたたかいを担い、真に全人民的な政治暴露をなすことによって人民を組織しうる能力をもった専門的な職業革命家の集団、機構をつくり上げることぬきにはなしえないし、また全国政治新聞の発行をとうして、ますますその必要性は高まるのである。

 またレーニンは、煽動における熟達とあらゆる抗議を支持する(マルクス主義的なやり方で)能力、自然発生的運動に方向を与え、それを味方の誤りからも敵のわなからも守る能力をもった組織だけが「社会民主主義的な戦闘組織になくてはならない柔軟性を保障する」と述べている。
 すなわち「多種・多様で、急速に変化してゆく闘争条件に即応する能力、『一方では、兵力において圧倒的に優勢な敵が全兵力を一地点に集結したときにはこの敵との野戦を避けるとともに、他方ではこの敵の不敏活性を利用して、敵が最も攻撃を予期しない場所と時間をえらんでこれを攻撃する』能力」を保障しなければならないこと、「爆発や市街戦だけを予定」し、あるいは「じみな日常闘争の漸進的な歩みだけを予定して党組織を建設するのはこのうえない誤りであろう。われわれは常にわれわれの日常活動を遂行しなければならないし、また常にあらゆる事態にたいして準備していなければならない」。

 ところで「最も強力な爆発の時期にも、最も完全な沈静の時期にも同様におこなうことができ、またおこなう必要があるような活動」を保障し実現するものこそ全国政治新聞の定期的で継続的な発行と配布に至る一連の機関紙活動なのである。そして「この新聞を中心としてひとりでに形づくられる組織、この新聞の協力者たち(最も広い意味での協力者たち、すなわちこの新聞のために働く人々の全部)の組織こそ、まさに革命の最大の『沈黙』の時期に党の名誉と威信と継承性を救うことに始まって、全人民的武装蜂起を準備し、その日どりを決め、実行することに至るまでの、あらゆる事態にたいする準備をもった組織」なのだ。

 すなわち全国政治新聞を、真に全人民的な宣伝・煽動・暴露を組織できる首尾一貫した戦略的方向性をもった内容においてつくり上げることにはじまり、それをいかなる権力の弾圧や、階級情勢のあれこれへの移りかわりにもかかわらず一貫して機関紙活動の一切の過程を常になしきることをとおして、またこの活動を全党が担いきることによって、党に対する人民の信頼を獲得することができ、いかなる事態にも対処しぬく柔軟性と、いかなる困難な情勢にあっても闘いぬける党の活動の継承性を実践的につくりあげていくことができるのであり、したがって全人民的武装蜂起に至るまでのあらゆる戦闘に対する準備を組織としてつくり出すことができるのである。

 どのような情勢、弾圧にもかかわらず、BFの作成から配布に至る一切を、定期的に継続的に確実にやりきることを通して、われわれはたたかう組織としての一貫性・柔軟性・継承性をつくりあげ、真に人民から信頼をうける中央集権的な職業的革命家を中核とする党をつくりあげることができるのであり、蜂起に至る準備を全党全人民の中につくりあげることができるのだということを確認しようではないか。

二、現段階における機関紙活動の任務

1)権力の破防法弾圧に抗し、内ゲバ主義をうち破って全党の非公然活動への習熟をかちとれ

 以上の機関紙活動の原則的意義を確認したうえで、今日われわれに問われている機関紙活動遂行のなかで重要な点は、なによりもまず、権力の破防法弾圧、および白色テロルをふくめたあらゆる戦旗派への破壊攻撃をうち破り、組織を守りぬくと同時にBF発行体制を守りぬくことである。

 かつて戦前の日共は、ガリ版印刷の『アカハタ』にはじまり、機関紙の発行を、徹底した非合法のもとで権力の弾圧をかいくぐりなしてきた。権力は指導部の逮捕とともにこの機関紙の発行そのものを根だやしにすべくあらゆる弾圧をかけてきた。

 こうした戦前の例は何も特殊なものではない。現に存在している破防法は、内乱の予備や陰謀、その教唆、煽動等に加えて「その実行の正当性または必要性を主張した文書または図書を印刷し、頒布し、または公然掲示すること」をも「暴力主義的破壊活動」であると規定し、集会・デモを禁ずるとともにこの機関紙の印刷・頒布を禁じている。

 ブルジョア権力が、こうした革命運動と革命党そのものの破壌を目的とした破防法弾圧のなかで機関紙活動の禁止、弾圧をうたっていることは、彼ら自身がこの機関紙活動を革命党組織活動の根幹としてとらえていることを示しているのである。

 われわれが敵の破防法弾圧とたたかうとき、まぎれもなく党組織中枢の防衛とともに、党活動の根幹ともいえるBFの印刷・発行・配布に至る全過程を、権力の弾圧をうち破って実現することは絶対になさねばならないことである。

 また現在、Cの内ゲバ攻撃のなかで、BF発行を確実にやりきることは重要な任務になっている。七〇年代の対カクマル内ゲバの激化のなかで、実際に機関紙の印刷をうけおっていた印刷所が襲撃されたり、配布中に攻撃をうけるといった事態が生起し、新聞発行に大きなダメージを与えた。こうした事実は、今日のわれわれの機関紙活動における非公然的な質での組織化の重要性を示唆している。

 われわれも70年代の破防法弾圧の教訓から、何よりも独自の印刷所建設に着手し、その実現をかちとってきた。今日独自の印刷所をもち、発行から配布に至る一切を党活動によって運営していくことの意義は重要である。

 権力の弾圧―陰湿な圧力によって一般の商業印刷所によっては印刷が不可能になったり遅滞したりすること、あるいは内ゲバ主義者によって襲撃された場合の防御の困難性等を考えるとき、それは明らかである。

 以上のことから、今日の非公然活動に習熟し、破防法弾圧をうち破る組織へと自らを高めあげる任務の一貫としてBF発行、配布に至る一連の機関紙活動は非公然的質において、権力からも内ゲバ主義者からも守りぬくものとしてなされねばならない。

2)『戦旗』の拡大販売に着手し、政治的影響カを飛躍的に高めあげよ

 昨年来のCの内ゲバどう喝とその後の事態の推移のなかで、われれはあらためてBF発行の重要性を確認した。それはわれわれの発行するBFの一つひとつの論文や政治方針が党的意志統一をかちとり、党の団結をうち固めるうえでとりわけ必要とされ、しかも緊急かつ迅速な配布が必要とされたことばかりでなく、多くの人々が戦旗派の前進に注目するとともにBFの提起する内容に注目し、敵対党派をも含めてわれわれ自身の一挙手一投足が注目され始めたことにもある。

 三里塚闘争をめぐる方針のあれこれについて、Cの内ゲバどう喝にわれわれがいかに対処せんとしいるのか、反戦反核闘争はいかにたたかいぬくべきかをめぐり、多くの人々がわれわれの提起する諸内容に注目しはじめたことは、とりもなおさずわれわれ自身の階級戦線に占める位置が決定的とはいえないまでも、無視しえないところにまで高まっていることを示している。

 そこで今われわれが緊急の課題としなければならないことは、この人民の注目に対してあらゆる手段をつくしてBFの拡大販売をなし、あらゆる場所でBFをもちこみ、われわれの政治的影響力を強化していくことである。

 権力、敵対分子から党を守り、非公然的質による党の武装力をつくりあげるとともに、この時期にこそ、わが同盟の政治的影響力を拡大させるべく公然と人民のなかにわけ入り、われわれの路線的正しさを訴えきり、そのことによって権力の弾圧をはねのけ、Cの理不尽なやり方を政治的にゆきづまらせていかねばならない。

 わがゲリラ・パルチザン戦闘、常盤橋戦闘の炸裂と三里塚閾争をめぐる内ゲバ主義批判、右翼日和見主義と訣別して二期決戦をたたかいぬく決意、反トマ全国闘争への全人民決起の呼びかけは、まさにそうしたわれわれの政治的影響力の拡大に決定的な意義を与えている。われわれはいま、このつくり出された戦旗派の政治的位置を断固守りぬき、さらに前進させるべく、BFを通じたたたかいを何としても実現させねばならない。

 以上の機関紙活動の現時点における緊急な課題を確認した上で、次に具体的な機関紙活動の実際について述べていこう。

三、機関紙活動の実際

1)機関紙を中心とした活動

 BFはなによりもまず、その時々の闘争方針や党組織活動の任務そして戦略的方向や路線的内容を全同盟員が意志統一するためのものであり、すべての日常活動の遂行のための指針である。したがって同盟員は毎回発行されるBFを必ず読み、学習して、当該組織単位で意志統一をなしてゆくことは党活動上の前提であり基本である。

(イ)各級機関、地区、支部の会議においては、その都度発行されたBFの読み合わせ、学習を必ず行い、政治組織的意志統一を行う。

 とりわけ政治主張や三面論文、指定された文章については必ず読み合わせを行う。会議の主催者は事前に必ず読み、内容の主旨、重要な項目を整理しておく。学習においてはたんなる棒読みで終わるのではなく、重要な箇所の赤線入れ、主旨のまとめ、意義の確認等を行い、あくまで意志統一を目的として行うことである。

 また学習会においては、各自が理解できない点があればその場で解明し、理解を徹底化させなければならない。メモをとり、内容の主旨や意義を各自が再把握し、同盟員一人ひとりが誰に対しても党的見解として説明し、説得できるように主体化していく必要がある。

(ロ)オルグ活動の軸にBFをすえ、BFを通じたオルグを行う。

 オルグに際しては必ずBFを持っていき、BFの読み合わせや学習を通じたオルグ、意志統一、組織的結束をめざさねばならない。

 その際、自己の持つ問題意識や個人的な独自の解釈による内容提起や説明にならないようにあらかじめ当該組織で意志統一された内容にそって行うことを心がけるべきである。そのためにも、あらかじめ作っておいたレジュメ等をもとに提起し、討論学習していくことは有効であり、また必要でもある。

 また直接的な同盟へのオルグ活動でない場合、たとえば現在特に要請されている文化人オルグや諸団体、諸戦線へのオルグ活動に際しても、一般的な討論におわらせるのではなく、必ずBFを持参し内容の主旨を説明し、意見を求めるなどしていく必要がある。

2)同盟員の任務としての機関紙拡大販売

 BFの拡大販売は党の宣伝・煽動・暴露の環をなすとともに、拡販を通じた新たなシンパ、新たな同盟員の獲得をなし、同盟組織を拡大し、同盟の政治的影響力を高め上げていく上での基本であり、同盟員の義務である。したがってあらゆる時、場所においてBFの拡販に心がけねばならない。

(イ)個人オルグ

 個人オルグの際には必ずBFの購読をすすめ、意志統一する必要がある。オルグ対象者がはじめて、あるいは不定期の購読者であれば定期購読を提起し、固定した読者となることを追求する。この定期購読者となることはそれ自身同盟のもとへの組織化を意味しており、オルグ対象者が同盟活動に結集していく重要な活動である。

 したがってBFの購入は、単に買ってもらうのではなく、同盟の政治組織的諸内容を意志統一し、闘争方針をその都度意志統一していく上で欠かすことのできないものであることを訴え、その理解を得ることを心がけねばならない。

(ロ)集会、街頭情宣等における販売

 大衆的な集会や街頭情宣等においては、機関として、あるいは各地区においてBFの独自の販売を行う。

 その際留意すべき点は、あらかじめBF販売、紙代回収の責任者を定め(もちろん情宣の責任者であってもよい)、BF販売を行うメンバーを集めて事前に意志統一を行うことである。そこにおいてはBF販売の一般的意義を確認するだけでなく、当該のBFの内容やその意義と強調すべき点等を確認し、どのように販売するかを意志統一することである。

 不特定多数を対象に販売するわけであるから、単に「戦旗はいかがですか」という一般的な呼びかけをなすだけではなく、当該のBFの諸内容で強調すべき点を訴えたり(たとえば「今号は反トマ闘争の論文がのっ、ています」等々として)して注意を喚起することを意志統一する必要がある。

 その他看板を出したり、BFの旗をかかげたりして販売に工夫をこらし、署名活動に際してもBFの購売を勧めるよう心がける。

(ハ)書店における販売

 現在BFが販売されている書店は全体で約二十店、しかも限られた地域にしかなく、他党派と比較しても決定的に数少ないのが現状であり、これを拡大していく必要がある。一つには中央機関を通じた販売店の拡大を追求するとともに、各地区でも独自に新たな書店を拡大するよう追求する必要がある。

 書店での購売者は他党派の活動家、公安関係者、そして個人が考えられる。書店販売は誰がそれを買ったのか、こちらの側では把握できないため、直接オルグには利用できないが、そのときどきの売上数の増減は、どのようなBFが注目されているのか、またBFのどの内容に関心が持たれているのかを知る上で役にたつし、また常時設置されていることにより宣伝一般の役割りを担うことができる。われわれの組織の存在しない地域・地方においては有効な宣伝の手段となる。

 以上の点をふまえ、他党派の機関紙販売書店で未だBFを置いていない書店が当該地区にある場合、必ず何度か折衝を試みる必要がある。利益が少いために多くの書店は一度や二度の折衝で置いてくれることはまずない。また置いても売れるかどうか不安を持っている。したがって、置く契約が成立した場合には知られていないメンバーがBFを買いに行くといったことも時によっては必要になる。

 書店との契約は七掛け(なながけ=定価×○・七をこちらが受け取り、書店が三割を手数料として受けとる)が基本である。新しいBFを納める時に前号を回収し、一ヵ月ごと、二ヵ月ごとなどの期間を決めて代金を請求する。納品、返却、請求、領収などは、キチンと書類で行うべきである。

(二)手渡しと郵送

 BFの販売は手渡しを原則とし、やむをえぬ条件、たとえばオルグ対象の家や職場が遠くてBFが発行される都度手渡しができない、あるいはこれまでオルグしていた対象者が遠隔地に転職・移転してしまった時などには郵送することがある。

 また政策的な必要からある組合や闘争団体、文化人等にたいして贈呈や機関紙交換をする場合、郵送で行う場合がある。ただしこの場合は個人的な判断でなく、地区や機関での確認にもとづいて行うべきであり、不必要に誰かれかまわず郵送したりしないようにしなければならない。

 そしてこの郵送によるBFの販売の場合でも、手渡しによるBFの販売と同様、1)の(ロ)に準じて、BFの内容をまとめたものや、集会・闘争への結集の意義を自分で紙に書いて同封するなどする必要がある。こうして一方的なBFの郵送による配布としてではなくオルグ活動として行うことにより、定期的な購読者の確保と組織化に大きな効果をあげることができる。

(ホ)拡販のための会議の設定

 たんにその都度BFの販売を意志統一するだけでなく、定期的に(地区の実情やBFの販売量に応じて)拡販のための会議を設定する。一ヵ月のうちにBFがどれだけ販売できたか、新しい読者が何名獲得できたか、紙代の回収はきちんと行われているかを点検し、拡販のために目標を設定し、それを実現するための準備をなす等、拡販のための会議を設定し、意識的に、また計画性をもった拡販を行う必要がある。

3)紙代の回収

 BFを有料で配布し、紙代を回収することは、アマチュア的なサークル的組織体質でないボリシェヴィキ的党性をもった組織であることを実践的に示すとともに、党の財政活動を組織化する上でなくてはならないものである。

 BFは紙代を回収した資金をもとにして発行されており、したがって拡販と紙代の回収は決しておろそかにはできない。一部一部はわずかな額であっても数多くの未収があれば地区財政を圧迫したりすることになりかねないし、BFの発行に支障をきたすこともある。

 したがって特殊な場合、たとえば文化人や共闘関係への贈呈・交換をのぞき、必ず有料で渡し、紙代を確実にその場で回収しなければならない。

 また有料でBFを配布し紙代を確実に回収すること、定期購読者に対しては期限がくれば確実に連絡をとって紙代を回収することは同盟の一つの姿勢を示すことになる。BFのもつ重要性をオルグ対象者に認識させ、ルーズな組織体質を排除した責任ある組織であることを認識させ、同盟に対する信頼を高めるものとなる。

 BFの販売と紙代の回収にあたっては、その統轄責任者を当該組織単位で定め、地区の日常財政とは別個に管理・記帳し、回収した紙代はできるだけすみやかに責任者に渡すようにしなければならない。定期購読者の紙代切れをそのままに放置しておいたりすることは逆に額が増えたりして回収が困難になるし、また回収した紙代を額が少ないからといってあとまわしにすることによって回収を忘れたり、他の財政と混同したりしてあいまいなものとなってしまう。

4)BFの秘匿

 BFをみだりにどんな場所でも読んだり(たとえば喫茶店で)するようなことは、現在ではありえないことだが、新しい活動家やシンパ・オルグ対象者のなかには、現在の政治的関係を了解できずについそうしたことをしてしまうことがある。

 敵の弾圧と右翼や対立党派との緊張関係が存在する現在の情勢のなかでは、BFの秘匿は重要な意味をもつ。一方におけるBFの公然たる拡販とともに、他方におけるBFの秘匿、対権力・対他党派における非公然性が要求されるのである。

 特に個人オルグや学習会に際しては、その点に留意しなければならない。BFを持っているということは、それ自体で戦旗派と何らかの組織的関係をもっているということを示しており、権力や対立党派にとって、その人物のマークが容易となる。またそのマークがはじめてのオルグ対象者やシンパであった場合、敵の弾圧や切りくずしにさらされる可能性がより大きくなり、そのことによってオルグ対象者の結集が困難になったり同盟への信頼感をそこねる場合がある。

 われわれはBFの販売とともにその秘匿を非公然的な質において組織しなければならず、シンパやオルグ対象者に対しても、そうした点をはっきりと意志統一しなければならない。そしてBFの手渡しにおいては、不特定多数がまわりにいる場合、むきだしのまま手渡すのではなく封筒に入れたりして渡すようにする。また読み合わせ等の学習・オルグに際しては、あらかじめ作ったレジュメで行うとか、会議室、公園等不特定の人物がまわりにいないような場所を設定し、行わねばならない。

 郵送の場合も、BFがそれとしてわかり、その結果購読者の住所・氏名が容易に特定できるような郵送方法はさける。たとえば郵送者名を「戦旗社」としたり、封筒を外から見て中味がわかるようなものを使用したりすると、郵便局の職員にもわかるし、また相手先のポストに入っているのを隣人が見ることもある。

 いずれにせよBFの秘匿は組織を守るだけでなく、オルグ対象者をも権力・他党派から守り、組織の非公然性を貫徹する上で重要なことなのである。

5)BFの管理

 BFのみならず同盟が発行する文書等の管理は、これまで述べてきたオルグ・拡販・秘匿などとともに、組織の体質を形成し強化する上でなくてはならないことである。特に重要とおもわれる点をあげれば、

(イ)購読者名簿、販売・紙代回収の記帳と秘匿

 地区の財政とは別個に購読者の名簿と紙代の回収、定期購読の期限等を記帳し管理する。この際、購読者の名簿やBF販売数を示すものの秘匿は絶対にやらねばならない。

れば、地区の財政とは別個に購読者の秘匿は絶対にやらねばならない。オルグ対象者やBFの販売数を敵から守るためには暗号化したり、安全な場所に保管する。

(ロ)BFをファイルし整理する。

 BFのバックナンバーをそろえてファイルすることによって、BFが学習やビラの作成等文書活動に有効に利用できる。

 またバックナンバーをそろえ整理することによって、オルグに必要なときにいつでも使えるようにしておく。不必要なものについては焼却するなどして処分し、あたりかまわず放置したり、必要のない場合や場所に持ち歩いたりしないようにしなければならない。

結語

 以上、機関紙活動は党活動そのものであり、党活動の生命線をなすものである。中央機関のBF発行体制の確立(そのBFの諸内容の充実も含めて)から、BFを中軸とした地区・支部末端にまでいたる政治組織的意志統一、そして拡大販売をとおした党の宣伝・煽動・暴露の組織化と同盟へのオルグ、紙代の回収による財政活動の遂行、そしてBF等戦旗派の発行する文書の管理を通じた一連の活動は、これを日常的に継続的に首尾一貫して確実にやりきることを通して、実践的な意味における党活動の非公然的質の獲得とレーニン主義的党へと自らを高めあげる重要な訓練である。

 もっとも基本的にして根本的なこの機関紙活動を、いかなる情勢の下にあっても、いかなる権力の弾圧にあっても、りっばにやりとげることのできる党こそが、真に人民の信頼をうけ、蜂起を準備し、指導することができる前衡党なのだということを最後に確認しよう。

(一九八四年六月)

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