アニメ「GATE -自衛隊、かの地にてかく戦えり-」感想 - jrl アニメさんの日記
サイト内検索
トップリンク

小説・三里塚

小説・三里塚 戦後最大の住民闘争、三里塚。実在の開拓農家をモデルに、敗戦、開拓、闘争と、その波乱の道のりを感動で描く。

市東さんの農地取り上げに反対する会

市東さんの農地取り上げに反対する会 親子3代90年も耕してきた農地を、違法に取り上げる動きを見過ごすことができません。

結衣ちゃんは革命家

結衣ちゃんは革命家 誰でも遊べるブラウザゲーム。ヒロインの声は声優さんによるフルボイス。君はエンディングを見ることができるか?

mixi 三里塚勝手連

三里塚勝手連 当コミュは三里塚闘争に共感し、様々な形で農民を応援していきたいと考えている有志の集まりです。

戦旗派コレクション

戦旗派コレクション 20世紀、1970~80年代を駆け抜けた「戦旗派」の写真集。かつての同志たちへ、そして……。

過激派への100の質問

現役活動家時代に一般の方からよく聞かれた質問、100問100答集。過激派FAQ。
オンライン状況
48 人の同志が革命的にオンライン中です。 (34 人の同志が 会員日記 を参照しています。 )

登録会員: 0
シンパ: 48
カウンター
本日
昨日
累計
FROM 2004/5/01

jrl アニメ さんの日記

 
2015
10月 6
(火)
02:04
アニメ「GATE -自衛隊、かの地にてかく戦えり-」感想
本文
 前の記事の続きです。以下に私の感じたことを述べます。



・ストーリーのきっかけは異世界の門が銀座に現れてて、そこから数万人の異世界の軍が現れて虐殺の限りを尽くすのですが、それが警察や自衛隊に鎮圧されるまでが作中の日数で5日、アニメの話数では1話で終わってしまいます。異世界の軍(帝国軍)は何の作戦も哲学も持ち合わせておらず(それどころか総司令官の姿も見えず)、東京以外の場所に侵攻していくこともなく、あっけなく撃退されてしまいます。虐殺された被害者の遺族が描写されることもなく、作中でこの事件が影を落とすこともありません。自衛隊が異世界に行く口実としてしか描かれていないのです。

・異世界に自衛隊を派遣するための特地法もすぐ成立してしまい三か月後には自衛隊が送り込まれるのですが、そこまでのプロセスがほとんど描写されません。そもそも異世界をどのような場所と定義するか、帝国に国家主権を認めるか、認めないとすれば帰属をどうするかなどで世界を巻き込んだ大論争となるのが必至なのですが、銀座から徒歩で行けるから日本領と勝手に定義するのは飛躍しすぎです。作中の首相演説で「門が世界のどこに現れるかもわからない」と言っているにもかかわらず、日本だけでゲートを独占し、他国どころか日本の研究者やマスコミすら締め出せるのは都合がよすぎます。

・作中の異世界では自衛隊と敵対する勢力は悉く雑魚として描かれ、大した労苦もなく自衛隊の圧倒的武力で撃退できてしまいます。自衛隊を苦境に陥れる異世界ならではの戦法などは存在しません。コブラから「ワルキューレの騎行」を流しつつ野盗を薙ぎ払っていくイタリカの攻防戦は本作で私が最も寒気を覚えたシーンの1つです。「地獄の黙示録」のキルゴア中佐のパロディに違いないのですが、戦争の狂気を演出するそれとは大違いで、悪趣味です。おそらく原作者はこのような演出自体が狂気であることに無自覚なのでしょう。それ以前に帝国軍崩れの野盗をイタリカの領主からの要請で撃退するなど内政干渉であり、あとで面倒事に巻き込まれるという考えかたをしないのでしょうか。

・このように圧倒的武力で敵を虐殺とも呼べる戦闘で撃退しているにもかかわらず、異世界の住民は徹底的に何の恐れもなく自衛隊をもてはやします。「攻殻機動隊 G.I.G 2nd」で、久世秀雄が率いるPKF部隊が野盗と化した敵軍を圧倒的な武力で粉砕した後、隊員がPTSDにかかった上に情報統制のために住民から不信の目を向けられるのとは対照的です。異世界の住民たちは日本の工業製品や美術品をもてはやしますが、逆に異世界の文化を異世界の住民が日本人に教えることはありませんし、日本に異世界の文化を持ち込むということはありません。原作者のウェブサイトには「文化帝国主義に反対する」という旨が書かれているようですが、異世界を徹底的に日本より劣ったものと描写するこの作品を文化帝国主義といわずに何というのでしょうか。

・帝国の皇女ピニャや自衛隊が救助したエルフのテュカ、魔法使いのレレイ、亜神のロゥリィが日本に視察に来ますが、日本のファッションやBL系の同人誌、牛丼に関心を寄せても、日本の民主主義や男女平等に目を向けることはありません。また異世界から日本に招かれた来賓で、アメリカや諸外国のエージェントに狙われていることが分かっているにも関わらず、民間人であるはずの伊丹の元妻の家に泊まったり、人ごみの中買い物にいったり、果ては大学生の旅行のようなノリで箱根の温泉に行くなど、伊丹らに「狙われているんだろ?」と言いたくなるような描写が多数ありました。最後に元妻が情報を漏らし、日本人の拍手喝采の中銀座事件の慰霊碑に献花して異世界に帰るというのも不自然でした。異世界人に数万人虐殺されたにもかかわらず異世界の美少女3人がカメラの前に表れた瞬間歓迎一色になるなど銀座事件の被害者のことを誰も覚えていないのでしょうか?

・「左翼を論破している」という国会の参考人質疑のシーンは突っ込みどころ満載なのと、考えさせられることがありました。そもそも特地法の議論が描写されない上、自衛隊による「大本営発表」しか特地に関する情報がない中、炎龍の撃退やイタリカ攻防戦で出た民間人死者を問題にするなど、場面設定が伊丹たちに都合よく出来すぎです。なぜ突っ込まれやすい角度からしか質問できないのかと失笑を禁じえませんでした。それを野党の女性議員が行うのですが(原作では福岡みつのという名前、漫画版では蓮舫議員に似た見た目をしています)、頭が悪く、ずれた視点でしか発言せず、ヒステリックで思い込みの激しい(ロゥリィの見た目から自分より年下と思い込む程度に)人物に描いています。アニメ化で抑えられているとはいえあまりにも露骨な原作者の左翼像に「こんな左翼いない」と笑いつつ、これは原作者と喜ぶ者たちの鏡写しではないかと思えました。自らが頭が悪く、ずれた視点でしか発言せず、ヒステリックで思い込みの激しいからこそ敵もそのようにしか描けないのかもしれません。単なる「サヨク」と書かれた自作の藁人形を殴って悦に入っているようにしか見えません。

・温泉の場面でもアメリカや中国、ロシアの特殊部隊のメンバーが雑魚として描かれます。なぜ衛星による監視が行えるのが日本だけなのでしょうか。むしろアメリカしか使えないのではないでしょうか。なぜ三国の特殊部隊がかち合うという間抜けなことが起きるのでしょうか。作中のCIAは大して優秀ではないようです。そもそも平和な日本で一目でそれとわかる戦闘服を着て作戦に重視しているのでしょうか。通常隠密作戦なら状況に溶け込める装備で行うのではないのですか。

・作中で異世界の国家が承認されているのかされているのかわからなくなる描写が多数あります。最初に特地を国内と宣言しているにもかかわらず、ほとんど何の権限もないピニャとの交渉を外務省の官僚が行い、最後にエルベ藩王国による炎龍討伐の依頼を主権外での武力行使にあたるといって断っています。それ以前に何のために特地に自衛隊を3個師団も派遣しているのか作中の自衛隊の行動から理解できないのですが・・・

 この他にも伊丹がレンジャー持ちであることをなぜか栗林が解説をセリフで始めるのが露骨に伊丹を自慢したいだけに見える、画面を分割する演出が無意味に多くいらついたなど、言いたいことは山のようにあります。作中の登場人物がいくら敵を殺害しても何も感じないサイコパスでも、自衛隊が虐殺行為に近い戦闘を行っていても私はそれに意味があれば特に気にしません。私は割とキャラとして栗林陸曹を気に入っています(笑)。しかし、そもそもアニメ全体を通してすべてが日本政府と自衛隊、そして伊丹を活躍させることが目的の道具にすぎないことが丸見えであり、しかも原作者の思想があまりにも露骨に滲み出ているため、気持ちの悪さとうすら寒さしか残らない結果となりました。年が明ければ2期目が始まるので今から不安です。
 
閲覧(7483)

コメント一覧

投稿ツリー


メガトロン   投稿日時 2015/10/12 16:39
「省いた」という書き方では語弊が発生しませんか?
元から原作に「そこまでのプロセス」なんて存在しないのですから
ゲスト   投稿日時 2016/3/31 16:04 | 最終変更
数回見て普通に面白くなかったんでやめたけど、要するに
ラノベ界で流行の俺TUEEEE!+異世界ものに、ネトウヨアドレナリン出まくりをプラス、さらに萌え要素ぶちこみってことでOK?ストリー運びはセカイ系で。
そりゃ中高生オタク層には受けるわなw

自分の作った世界と設定の中では、いくらでも「論破」できるしね。だからファンタジーってのは「突っ込んだら負け」の世界なんですよ。「そういうもんだ」ってことでw。
最初から大人の鑑賞に耐えるわけがないので、ブログ主さんないものねだりかもね。むしろ子供がこれを現実と混同することが危険なんで、作者が変に政治的なものを持ち込んだら「洗脳」と言われても仕方ないわけで、そこは避けるべきだったかなと。視聴者は現実とオタクファンタージの区別をつけましょうくらいでいいじゃね?

小説の「戦国自衛隊」は原作がすごく面白くて、ブログ主さんの指摘してるようなことも当然に考慮されてる(と思う)。映画版のビデオをみたらあまりにも糞だったんで、そのトラウマからGATEも見なかったんだが、正解だったかな。

唯一気になるんは、これ、元自衛官が書いたの?脳内お花畑すぎるんじゃね?司令官クラスはこんなじゃないよね。ちょっと怖いよ。
jrl アニメ  投稿日時 2016/4/3 1:58 | 最終変更
 メガトロン様
 コメント有難うございます。ご指摘を受けまして修正しました。
 私としては作中に国会で議論する描写が存在しなかったこと以上に、主人公および自衛隊の行動を擁護するために国会の場面を描写したりしなかったりする「ご都合主義」が鼻をつきました。

 ゲスト様
 コメント有難うございます。
 おおよその作品概要はゲスト様のおっしゃる通りです。観なくて正解であろうと思います。ライトノベルおよびラノベアニメが中高生向けのものであることはわかります。しかし中には大人を魅了する作品(ココロコネクト、人類は衰退しましたなど)もあるでしょうし、たとえ作者が右翼であっても作品として面白味があれば特に気になりません(「じょしらく」はこれにあたります。音楽でも私はAri Projectが好きです)。しかしこの作品の場合、ただでさえ「突っ込んだら負け」のファンタジーでも考証や整合性を保つなどの作品たらしめる努力を放棄し、露骨な作者のアジテーションばかり目立ってしまっていることが大きなマイナスになっています。登場するキャラクターはどこからか借りてきたようなものばかりで萌え要素は栗林以外にあまり感じませんでした。
 現実とオタクファンタジーの区別をつけるのは当然として、私的な作品作りにおいて政治的なものを持ち込むのは表現の自由であろうと思います。フィクションに政治的なものを持ち込むのがよくないのではなく、政治的なものを何も考えずに鵜呑みにしないことを子供たちには喚起すべきかもしれません。作品を作るにしても、自らの思想・哲学を作品として昇華させ、面白い作品にできるか、それに失敗して、単なる作者の押し付けがましいアジテーションだけが残ってしまうかは製作者の力量でしょう。
 柳井たくみさんの自衛官時代の経歴は謎に包まれています。事務方であったとも言われていますが、真相はわかりません。自衛隊をやめたのち、福祉関係の仕事を経て自営業をしながらこの作品を書いたようです。司令官クラスでも航空自衛隊に田母神俊雄がいたことを考えるとありえない話ではないのが恐ろしいです。
 所詮アニメですし、「嫌なら観るな」で済んでしまいます。それでも作品を批判してはいけない決まりはないはずです。
 それでは今夜はこのあたりで失礼いたします。


新しくコメントをつける

題名
ゲスト名
投稿本文
より詳細なコメント入力フォームへ